インタビュー
異例のジャンピングスタートCBTを行う「ダークエデン 〜EXPANSION〜」の運営チームインタビューを掲載。コムシードが画策する次の一手とは?
ゴシックホラーMMORPGとして根強い人気のあったダークエデンは,運営移管を経て新生し,定期的に行われるアップデートで着実に進化し続けている。サービス開始からは長い時間を経たタイトルでもあり,画面は決して派手なわけではない。しかしそれは,アップデートを重ねても色あせない古き良きMMORPGの息吹を感じられる稀有なタイトルであるとも言い換えることができる。
今回は,次期アップデートのタイミングに合わせてコムシードの運営チームにインタビューすることができた。ここでは,アップデートの詳しい内容と,オンラインゲーム運営業者としてのコムシードの今後の方針について紹介していこう。
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第3次アップデートの実装でキャラクターは新たな力を得る
僧職とは,ダークエデンでの上位職を指し,レベル150になると1次僧職の昇職クエストを受けられるようになる。昇職すると外見が変化し,僧職専用のスキルが習得できたり,専用アイテムが装備できたりと,キャラクターの大幅なパワーアップが行えるのだ。
今回の2次僧職については,レベル200に達することで昇職クエストを受注可能となる。この昇職クエストは連続するストーリークエストとなっていて,“ゴシックホラー”と冠されたタイトルだけにダークな雰囲気の物語が楽しめるものとなっている。
スレイヤー/ヴァンパイア/アウスターズ,3種族間の抗争が続く中,狂気に犯された科学者カルドオメネスクの極秘文書が公のものとなった。極秘文書には己の肉体を強化することができる特殊な方法が記されているらしいが……。
狂気の科学者カルドオメネスクの極秘文書がストーリーのカギとなるが,種族によってストーリーの展開は異なってくる。極秘文書はどの勢力が入手するのか,また極秘文書には何が書かれているのか。ストーリーを進めていき,結末まで到達すれば無事2次僧職へと昇職できるのだ。
なお,こちらのクエストはソロでもクリア可能な難度になっているとのこと。物語を楽しみつつ,自分のペースでクリアを目指そう。
2次僧職に昇職すると何が変わるのか。まず,キャラクターの外見が2次僧職専用のものに変更となる。現在,レベル200を超えているプレイヤーはそれほど多くないようなので,外見が変わることでキャラクターの強さを十分に誇示できる。半面,分かりやすい変化なのでPvPでは敬遠されてしまうかもしれない。
また,2次僧職に昇職したあとは,少しずつ専用アイテムを収集して装備を充実させ,キャラクターを強くする楽しみも生まれる。
派手で高威力な2次僧職専用アクティブスキルも追加されるが、いずれも既存のスキルの強化版で,攻撃範囲が広がったり威力が高くなったりという感じだ。見た目はかなり派手になっているものの,基本的には既存のスキルと同じような感覚で使用できるだろう。
ゲーム内ギャンブルのベイルドアーティファクトに変化あり
2次僧職は高レベル向けのコンテンツとなるが,今回のアップデートでは低レベル帯に影響する要素もある。それはゲーム内のギャンブル,ベイルドアーティファクトの当選アイテムの全面的な改変だ。
その中でもとくに注目すべきは,古代の宝石箱。こちらはベイルドアーティファクトを通してのみ獲得できる特殊なアイテムで,使用するとランダムで貴重なアイテムを入手できるというもの。
●古代の宝石箱から入手できるアイテム
透明リング
リミテッド透明リング(3日)
生きた心臓
混沌経験の石×1
混沌経験の石×5
セブン・フォールドストーン×1
セブン・フォールドストーン×5
ブルー・ドロップ・エッジ×1
ブルー・ドロップ・エッジ×5
ゲーム内通貨で挑戦できること,今回のアップデートでほぼハズレなしの内容に一新されることもあいまって,古代の宝石箱は非常に魅力的なものとなっている。
とくに「透明リング」は,古代の宝石箱から入手できる目玉アイテムの一つで,その名のとおり,装備したキャラクターを透明にするアイテムだ。
透明になることのメリットは,移動速度が上がることと,敵モンスターやほかのプレイヤーからターゲットされることがなくなること。ターゲットされないことで,基本的には攻撃を受けることはないが,範囲攻撃に巻き込まれた場合はダメージを受けてしまうので,その点には注意が必要だ。
PvP時も活用できる透明リングだが,このリングへの対抗アイテムとして,ディテクションアイテムも新しく追加されている。特定の販売NPCから購入できるディテクションアイテムを使えば,10秒間という制限時間付きながら,画面内30×30の範囲にいる対透明リング着用キャラクターを目視することができるのだ。なお,ディテクションアイテムは透明リング専用となっており,インビジビリティやスナイピングといったスキルで姿を消している相手に効果はない。
ジャンピングスタートイベントを経て新規サーバーを開設
本作は2006年2月に国内正式サービスを開始し,運営移管などを経て今年で7年目の展開となる。ゲーム要素も,当初のヴァンパイアとスレイヤーの2勢力の争いにアウスターズが加わり,種族間抗争を激化させながら現在に至っている。
種族間抗争というのがタイトルの基本コンセプトとなっており,プレイヤーは自分が属する種族を仲間とし,他種族とは激しい戦闘を繰り返す……。ダークエデンは,まさにPvPを意識して制作されたタイトルなのである。
いろいろと尖った要素があり,好きな人はとことん好きといった根強い人気を持つ当タイトルだが,PvPありきのゲーム性と,7年というサービス期間から生まれるキャラクター間の格差により,新規プレイヤーが参入しにくくなっているのも事実である。
そんな状況を考慮し,新規のプレイヤーにも唯一無二の個性を楽しんでもらおうと,第3次アップデートに合わせて新サーバーが開設されることとなった。その際に,単純に新しくサーバー増やすだけでなく,「ジャンピングスタートイベント」という新しい試みが行われる。
ジャンピングスタートイベントは,各種族とも1次僧職に達したレベル161のキャラクターを作成できるというものだ。ある程度育ったキャラクターからスタートして,高位のスキルを使った戦闘を最初に楽しんでもらおうという趣旨である。
完全に新規のプレイヤーが高レベルキャラクターを使っても意味がないのでは? と思う人もいるかもしれないが,実はジャンピングスタートイベント専用のチュートリアルも実装され,スキルの設定の仕方や僧職システム,さらに独特な移動手段などを,高レベルキャラクターを使って自然と学べる仕組みになっているのだ。また,各種族が一堂に集まる場所なども用意されているので,いきなりPvPを体験することもあるかもしれない。
あくまでβテストであるので,このイベントで作成したキャラクターが新サーバー立ち上げ時に引き継がれることはない予定。だが,ジャンピングスタートイベントを通じてダークエデンの魅力的な部分に触れられるのは間違いない。オンラインゲームの序盤というのは,どれもやることはあまり変わらず,個性を出しにくい。ゲームの特徴を体験するうえで,一番熱いところにいきなり触れるというのは画期的なことかもしれない。
ダークエデンで成功したコムシードの次なる一手とは
2012年初めに韓国TokTokPlusと共同で運営という形で,ダークエデンを通じてオンラインゲーム市場への参入を果たしたコムシード。今年の春に第2次アップデート,そして今回第3次アップデートと精力的な運営を行っている。サービス移管が行われるまでは数年間アップデートが行われていなかっただけに,この点ではプレイヤーから一定の評価を得ているようだ。
運営ノウハウを蓄えつつ堅実に成長している感はあるが,やはり初めてオンラインゲームを運営するということで,当初はさまざまな失敗や苦労があったという。コムシード取締役の前川浩史氏とダークエデンの運営プロデューサーを務める竹原清美氏に,ダークエデンと同社の取り組みについていろいろ聞いてみた。
「例えば『以前の運営では,こういうときにこうしていたのだが,なぜ変わったのか』といった問い合わせを受けることもあります」(前川氏)
運営を引き継いだことで,以前の運営方針とコムシードとしての運営方針にズレが生じたときにどうするかなどは,実際に発生してみないと分からない問題でもあり,以前の運営に慣れているプレイヤーとは折り合いをつけなければならない。こういったものは運営を引き継いだからこその苦労といえるだろう。
しかし,いろいろと運営移管で大変なことはあったが,実際の運営に携わる竹原氏は,むしろそれが“楽しい”とも語っている。
「想定外の問題は多いですが,その問題を解決していく過程でプレイヤーとの距離が近くなって,運営をするうえで必要な新しいことが見えてくるんです」(竹原氏)
ダークエデンは,どちらかというとマニアックなタイトルだ。なぜオンラインゲーム参入にあたって,このタイトルを選んだのかと聞いてみたところ,ダークエデンが強烈な個性を持っているために固定のプレイヤーがついていたことが理由だそうだ。
なお,ダークエデンは運営を引き継いだわけだが,コムシードとしては新規タイトルのつもりでサービスを展開していったという。新規プレイヤーの獲得やキャンペーンの数々,そして次で3回目となるアップデート,それぞれ自分たちで策を考え,それを実行していったのだ。ダークエデンはTokTokPlusとの共同運営という形だが,開発との交渉をTokTokPlusに委任することで,日本での運営に注力できているのもよい結果につながっているという。このような変則的な運営体制自体が同社の強みだと前川氏は語る。
今までコムシードのオンライン事業はダークエデン1本でやってきた。しかし,TokTokPlusとの良好な関係や親会社がPCゲームに強いこともあり,オンライン事業の拡大も視野に入れているという。ダークエデンで蓄積したノウハウは,オンラインゲーム運営の基礎となったのだろう。現在,さまざまな分野から人材を集めて準備を進めているとのこと。
具体的なコムシードの今後については,まず先にサービスを開始している韓国との差を縮めるべく,アップデートを頻繁に行っていく。運営のコアとなっているタイトルだけに,今後も大切に成長させ,サービスの質も向上させていきたいとのこと。
「他社からの運営引継ぎ,新規プロジェクト,そのどちらでもかまいません。要はコムシードの強みが活かせるタイトルかどうかが重要なんです」(前川氏)
契約の関係で具体的なタイトル名は聞けなかったが,誰でも知っているようなIPを使ったゲームが検討されているとのこと。ダークエデンがマニアックなタイトルだったので,次は幅広い層にアピールできるようなライトな作品のようだ。そのほか,かなり大型のタイトルを含む数タイトルのサービスが検討されているという。新タイトルの第一弾は比較的早い時期に公開できそうということなので,同社の今後の展開に注目してみよう。
「ダークエデン 〜EXPANSION〜」公式サイト
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ダークエデン 〜EXPANSION〜
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