「サドンアタック」の日本一クランを決める「SAOMT 2014 Spring」決勝大会が神戸で開催。激戦を制したのは強豪クランNabD

　ネクソンは2014年5月5日，同社がサービス中のFPS「サドンアタック」のオフラインイベント「Sudden Attack Official Master Tournament 2014 Spring」（以下，SAOMT 2014 Spring）を，兵庫県の神戸朝日ホールで開催した。

　SAOMTはサドンアタックの日本一クランを決める公式大会で，毎年春と夏に行われている。今回のSAOMT 2014 Springは，抽選で選ばれた1024クランが出場しており，今回のオフラインイベントに先駆け，あらかじめオンラインでの1〜3次予選が行われている。そして，これらの予選を勝ち進んだ「NabD」「Detre.R」「Lythronax」「モスラ」の4クランが神戸朝日ホールに集結し，トーナメント形式で激戦を繰り広げた。

イベント会場となった神戸朝日ホール。ちなみに2013年夏に行われたSAOMTの決勝大会も，同じ神戸で開催されている

　対戦時は各マップで取得ラウンド数を競い，先に2つのマップで勝利したクランが勝ち進むというのが基本ルールだ。各試合のマップは会場内でランダムで選ばれ，準決勝戦は「第3補給倉庫」「クロスポート」「第5補給倉庫」，決勝戦は「ドラゴンロード」「オールドタウン」「プロバンス」となった。

サドンアタック運営チーム 加藤友秀氏（中央）と，大会の実況解説役を務めたyukishiro氏（左）とKinko氏（右）

　準決勝の第1試合は，NabD 対 Detre.Rという組み合わせだ。NabDは過去に公式大会4連覇という偉業を成し遂げた強豪クラン。対するDetre.Rもオフライン大会の出場経験が豊富なメンバーが揃っており，ベテランクラン同士の対決となった。

　準決勝の第1マップである第3補給倉庫は，BLUE TEAM側にとって若干有利な地形となっている。両陣営の配置を決めるナイフ戦を制したNabDはBLUE TEAMを選び，地の利を生かした怒涛の攻めを展開。NabDは前半戦を5-1でリードし，BLUE/RED TEAMが交代した後半戦に入っても，その勢いは衰えを見せなかった。結果，NabDが7-1のスコアで第1マップ目を制した。

　次のクロスポートは，スナイパー同士による遠距離戦が勝敗の鍵を握るマップだ。Detre.Rは流れを変えようとするが，NabD側のスナイパーのTENGO選手に要所を立て続けに押さえられ，なかなか思い通りに動けない。そして8-5のスコアでNabDが勝利。2マップで勝利を収めたNabDが決勝戦へと駒を進めた。


　続いて行われた準決勝第2試合は，Lythronax 対 モスラという，オフライン大会出場が初めてのクラン同士による組み合わせ。Lythronaxは，今回のオンライン予選を全勝で勝ち進んだ唯一のクランで，決勝大会におけるダークホースといえる存在だ。一方のモスラは，ステージ上で一発芸を披露するなど，緊張しがちなオフラインイベントの大一番でもリラックスしており，普段どおりの実力を発揮してくれそうに見えた。

　第1マップの第3補給倉庫の試合展開は，モスラが5-4のリードで前半戦を折り返すが，後半戦ではLythronaxも食い下がり，一進一退の攻防が繰り広げられる。そして最後はLythronaxが逆転に成功し，9-7のスコアで第1マップを制した。

　第2マップのクロスポートでは，Lythronaxが5-2で折り返した後，モスラが追い上げるという，第3補給倉庫とは逆の展開に。モスラも一度は5-5の同点まで追い付くが，しかし今度はLythronaxが3ラウンドを連取し，一気に引き離す。最終的にはLythronaxが8-5でクロスポートを制し，準決勝戦での勝利を収めた。


　いよいよ迎えた決勝戦は，NabD 対 Lythronaxという組み合わせ。実は，この両クランはオンライン予選で一度対決しており，その際はLythronaxがNabDを下している。しかも，その予選で戦ったマップのドラゴンロードが，決勝戦の第1マップ目で再び選ばれるという因縁の展開だ。

　NabDのメンバーは，試合が始まると観客席にまで届くほどの勢いでお互い声を張り上げ，相手の位置報告などをひっきりなしに行う。その気迫が通じたのか，NabDは5-1のスコアで前半戦を終える。そして，その勢いは後半戦に移ってもまったく衰えず，NabDがさらに2ラウンドを連取し，7-1のスコアで圧勝した。


　しかし，Lythronaxも第2マップのオールドタウンでは踏ん張りを見せる。こちらでは，Lythronaxが開始から4ラウンドを立て続けに制し，一気に差を付けたのだ。とはいえ，NabDもこれに一歩も引かず，前半戦は5-3でLythornaxがリードという結果に。後半戦に入ってからは，Lythornaxがあと1ラウンドを取れば勝利というところまで来るが，追い詰められたNabDが粘りを見せ，3ラウンドを連取。8-8の同スコアとなり，今大会初の延長戦を迎えた。

　ラウンド数が少ない延長戦では，NabDが3-1のリードで前半戦を制する。Lythronaxは後半戦で1ラウンドでも落とすと敗退という崖っぷちの状況に追い込まれたが，ここでなんと3ラウンドを連取し，4-3のスコアで逆転勝利。マップの対戦成績は1-1となり，決勝戦の行方は最終マップへともつれ込んだ。


　泣いても笑っても最後のマップとなるプロバンスでは，前半終了時点でNabDが5-3のリード。Lythronaxは後半戦で何とか食い下がろうとするものの，NabDは追随を許さず，最後は9-5で勝利。SAOTL 2014 springの栄冠はNabDの頭上に輝いた。なお，NabDのスナイパーを担当するVader選手は，本大会のMVPにも選ばれた。
　NabDのクランリーダー Macha選手は，今回のSAOMTを振り返り「本大会でメンバーを入れ替えましたが，新構成で挑んだ初めての試合では，皆の動きが堅くて，僕たちの持ち味である臨機応変な対応が生かせませんでした。動画を見直すなど徹底的に反省したうえで，普段どおりプレイすることを心がけます」と語っていた。

NabDのクランリーダー Macha選手

　SAOTL 2014 Springはこれにて幕を閉じるが，今後もサドンアタックの公式大会が続々と予定されている。現在は「第1回 インビジブルマッチ大会」と「第1回 SAナイフ王決定戦」の出場募集が行われているが，さらに「Sudden Attack Official Master Tournament 2014 Summer」が開催されることが，閉会式の場で発表された。
　これから夏にかけて，サドンアタックのイベントはさらに盛り上がっていきそうなので，プレイヤーは随時情報をチェックしておこう。

優勝 NabD（Matcha選手，Barley選手，Geropi選手，TENGO選手，Vader選手）	準優勝 Lythronax（Starly選手，Jinx選手，０kok選手，Nietz選手，Attun選手）
第3位 Detre.R（Sue選手，HaNa選手，Cheke選手，Jeybek選手，Wajesty選手）	第3位 モスラ（Bagshot選手，Rgwel選手，Drattak選手，W1nky選手，Laura選手）

「サドンアタック」公式サイト