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[COMPUTEX 2008#12]「Wiiリモコンよりもっと自由に」。モーションセンサー搭載のワイヤレスコントローラ「Eee Stick」
Wiiリモコンに拡張コントローラ「ヌンチャク」を取り付けた状態に似た印象を受けるが,ASUSのエンジニアであるSunrise Kuo氏(Engineer, Planning Dept., ASUSTeK Computer)は,「Eee Stickの2ピースは,ヌンチャクのようにケーブルでつながったりはしていない。両手にEee Stickを持った状態で,大きく両腕を広げるようなアクションも可能だ」とアピールする。「PCとの接続はUSBで,USBとEee Stickは2.4GHz帯を利用してワイヤレスでつながっている。Wiiのように,センサーユニットを置く必要もない」(Kuo氏)。10m離れたところからでも操作できるので,PCから大型のプロジェクタへゲーム画面を出力するようなケースにも対応可能とのことだ。
以下,右利きの人を対象に述べるので,左利きの人は左右逆に読み進めてもらいたいが,Eee PCを構成する二つのピースは,右手で持つ「エアマウスユニット」と,左手で持つ「ジョイスティックユニット」からなる。いずれもモーションセンサーを搭載しており,それぞれのユニットの動きに操作を割り当てられる。
このうち,エアマウスユニットは3Dマウス機能を持ち,前後左右上下に動かすことでマウスカーソルの操作が可能。一人称視点のゲームでは,それこそ手首をひねるだけで振り返ったりできる。また,モーションセンサーは加速度の検知が可能なため,「例えばアクションゲームなら,勢いを付けて大きく振れば大攻撃,小さく振れば小攻撃といったように,ユニットの動き具合に応じて,異なるコマンドを割り当てることも可能だ」(Kuo氏)。
ボタンは,人差し指で操作するデジタルトリガー×1と,親指で操作する6ボタン,そして電源ボタン,カスタマイズした各モードの切り替えボタンの九つが用意されている。
一方のジョイスティックユニットは,アナログ対応に見えて実はデジタル入力のジョイスティックを中心に,デジタルトリガー×2,親指で操作するボタン×2と電源ボタン×1という構成。主にキーボード操作が想定されており,ジョイスティックにはデフォルトで[W/A/S/D]が割り当てられる。
キーボード的な役割を担うため,一般的なFPSやアクションゲームの場合,そう大きく動かすことにはならないが,こちらにもモーションセンサーが搭載されている。
「Eeeブランドで想定するカジュアルなゲーマーは,マウスとキーボードを利用したゲームプレイに必ずしも習熟していない。そういう人達に向けた,直感的な入力ソリューションだ」と強調するKuo氏による,「真・三國無双3 ハイパー」(の台湾版)実演ムービーを下に示したので,ぜひチェックしてほしい。左手はあまり動かさず,モーションセンサー搭載の3Dマウスユニットをときには大きく,ときには小さく振ることで,さまざまなアクションを行っている。
Wiiリモコン(≒ヌンチャク)とは異なり,振動ユニットを搭載していないことや,やはりエアマウスユニットではFPSにおける微妙なマウス操作を行うには難しい印象を受けたことは触れておかねばならないだろう。ただ,Wiiがここまで全世界的なヒットとなっているのを考えるに,そろそろ「Wii風の入力インタフェースでPCゲームをプレイしたい」という,いわゆるゲーマー層ではない人達が出てきても不思議ではなく,その意味において,時代の要請に応えた新製品といえるのかもしれない。
ASUSはEeeブランドに力を入れているので,国内でもそのうち動きがあると期待してよさそうだ。
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