テストレポート
3枚のGeForceで性能向上を図る「3-way SLI」,パフォーマンス緊急速報
発表時点において,3-way SLIを実現するのに必要なのは以下のハードウェアだ。
- GeForce 8800 GTX/Ultra搭載グラフィックスカード3枚
- nForce 680i SLI搭載マザーボード
- 3枚のグラフィックスカードをつなぐ専用のSLIブリッジコネクタ
- 6ピンのPCI Express電源コネクタを六つ用意する容量1100W以上の電源ユニット
3-way SLIでは,3枚のグラフィックスカードを1枚のSLIブリッジコネクタでつなぐことになり,さらに配線は3枚のカードでループするような形になるため,SLIコネクタはカード当たり二つ必要だ。そして,二つのSLIコネクタを持つカードは,現時点で「GeForce 8800 GTX」搭載製品と,その上位に位置づけられる「GeForce 8800 Ultra」搭載製品のみである。最近登場した「G92」(開発コードネーム)世代の新GPU「GeForce 8800 GTS 512」や「GeForce 8800 GT」は,SLIコネクタが一つしかないため,3-way SLI用には利用できない。
また,マザーボード側も,PCI Express x16スロットを3本用意する,SLI対応チップセット搭載製品が必要で,こちらは現時点でnForce 680i SLIが唯一の選択肢だ。
いずれにせよ,ハードルは恐ろしく高い。新規に用意するとなると,GeForce 8800 GTX搭載グラフィックスカード×3だけで軽く20万円を超えるうえ,マザーボードが3〜4万円,電源ユニットが4万5000〜6万円で,ざっと30万円前後である。それを生かすだけの高解像度液晶ディスプレイも用意するとなると,一般ユーザーは笑うしかないかもしれない。ただ,「コスト度外視で,最も美麗なグラフィックスを追求したい」というニーズも一定数は存在すると思われ,3-way SLIは,そういった層に向けた一つの解,とはいえるだろう。
Unreal Tournament 3の超高解像度で
3-way SLIのポテンシャルを確認
今回4Gamerでは,NVIDIAとサードウェーブ,シネックスの協力を得て,表のテスト環境を用意した。OSは32bit版Windows Vistaで,現時点での最新版パッチをすべて適用のうえ,NVIDIAが推奨するHotFixも適用済み――2007年12月8日付けで公開された「KB945149」も含む――という状態だ。
テスト設定は4Gamerのベンチマークレギュレーション5.0準拠。ただし,解像度は2560×1600ドットとなる。アンチエイリアシングや異方性フィルタリングを適用していない「標準設定」で,計測した結果をまとめたのが下のグラフだが,一目で分かるとおり,順当なスコアの伸びを示した。標準設定なので,描画負荷は比較的低め,つまりSLIには不利な状況にもかかわらず,2-way SLIでシングルカード時の38.6%増し,3-way SLIでは同81.3%増しと,パフォーマンスアップを見て取れる。
では,高負荷だとどうだろうか……と続けたいところなのだが,このスコアを取り終えたタイミングでGeForce 8800 Ultra搭載カードの1枚に不具合が発生し,どうやっても3-wayで認識されなくなってしまった。そのため,ひとまず今回はここまでとさせていただきたい。詳細なテストレポートは,近日中にあらためてお届けする予定なので,お楽しみに。
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GeForce 8800
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