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新型携帯機「NGP」,Android端末にPSタイトルを提供する「PlayStation Suite」を相次いで発表! 「PlayStation Meeting 2011」詳報(前編)
SCEグループ代表取締役社長兼グループCEO 平井一夫氏 |
2005年のE3で上映したイメージ映像 |
最初に登壇した平井氏は,「こうした場でPlayStationビジネスについて話すのはワクワクする」と述べ,2005年のE3で流したという映像を上映。続けて「現実はデータ化される」「現実とデータが結びつけば,新しい現実が生まれ,それを自分自身で動かすことができる」と,多くのゲーム機がリビングに置かれたり,あるいは外出先でも楽しめたりと,当時のSCEが描いていた未来を振り返った。
平井氏は,SCEはそうしたPlayStationシリーズの未来像を実現してきたと述べ,このイベントにて,さらなる“新しい世界”を提案すると続けた。
PlayStation Meeting 2011公式サイト
平井氏は,携帯ゲーム機を取り巻く環境がPSP発売当時から大きく様変わりしていることを挙げ,今では携帯電話やスマートフォン,タブレットPCといった多機能なポータブルデバイスでゲームを楽しめるようになっており,ゲームユーザーも急増していると指摘。プラットフォームホルダーの義務として,こうした拡大する市場からのリクエストは無視できないと述べ,その回答の一つとしてPSクオリティのゲームをPlayStation以外のプラットフォームで楽しめる「Playstation Suite」を紹介した。
さらに平井氏は,“Hardware-neutral Game Framework”を掲げ,ハードウェアに依存せず,比較的簡単にゲームの開発ができる環境を構築していくことをアピール。またユーザーに対しては,「安全な環境,かつ使いやすく買いやすい場でコンテンツを提供していく」と述べ,Android端末用タイトルもPlayStation Storeにて一元提供していくことを明らかにした。
5つのポイントに基づく「NGP」の特徴が実機デモにて次々に紹介された
また,ゲーム供給メディアとして,新たにフラッシュメモリベースのNGP専用カードを用意,通信機能としては,従来のWi-Fiに加えて,3Gネットワークに対応するすることなどを明らかにした。なお,NGPもまた,2011年末から順次発売される予定である。
NGP専用のシリーズ最新作として開発されている「アンチャーテッド」のデモでは,5インチの有機ELスクリーンが,一般的なスマートフォンに使われるものの約2倍の面積であることや,視野角がきわめて広いことが披露された。
また吉田氏は,これまでのPSPには,右側にもアナログスティックを付けてほしいという要望が多かったことに言及。今回,長年の開発期間を経て,アナログパッドではなく,マイクロアナログスティックという形で実現できたと述べた。これにより,PS3同様に左スティックで移動,右スティックで視点変更といったプレイが可能となるわけだ。
ジャンプや攻撃などの操作は基本的にボタンで行うが,タッチパネルでプレイヤーキャラの背中を直接タッチして障害物を乗り越えたり,あるいは敵を崖から突き落としたりする様子も披露された。また吉田氏は,ロープを使って向こう岸に飛び移る際に,ジャイロセンサーを駆使して勢いをつけたり,バックタッチパネルを両手の指で交互にスライドして壁登りをしたりといったNGPの新機能を使った操作を披露し,「まるでキャラクターとシンクロするような操作感」「据置機でも体験できない新しいアンチャーテッド」と表現。今後,世界中のゲームクリエイターによって提供されるであろう新たなゲーム群に期待を寄せた。
“Revolutional User Interface”の項目では,NGPのSuper Ovalデザインが長時間快適にプレイするための仕様であることを紹介。続けて開発中のタイトル「Little Deviants」のデモプレイを通じて,フロントとバックのタッチパネルが大きな特徴となることを説明した。バックタッチパッドは,フロントの有機ELスクリーンと同じ幅になっている。
このタイトルでは,バックパネルをタッチして地面を盛り上げて,キャラクターを転がしていくのだが,左右両手の指を使うことでより大きな山を作れたり,フロントのタッチと併用して指2本で表と裏から挟み込むことで,キャラクターをパチンコのように弾くことができたりすることが実演された。吉田氏は「思いのままにキャラクターと戯れることができる,これまでにない新しいゲーム感覚」と表現する。
“Location-based Entertainment”の項目では,「Near」が紹介された。これはNGPの位置情報記録機能を使ったサービスで,持ち歩くだけで近隣のNGPユーザーがどんなゲームを遊んでいるか分かるという機能だ。データはサーバーに蓄積されているので,夜,帰宅してからその日1日の移動範囲の傾向や,一人一人のゲーム遍歴を確認することもできる。さらに地域ごとの人気タイトルランキングなどの,さまざまなデータを得られるとのこと。また,人気のゲームをその場でPS Storeから購入することも可能になるという。
“Converging Real and Virtual”の項目では,「みんなのGOLF NEXT(仮)」のデモプレイを通じて,画面解像度の高さや,風で草がなびいたり,葉が揺れたりする様子や,タッチパネルを使ってキャラクターに話しかけたりするという,まさに現実とゲームの世界を行ったり来たりできることが紹介された。さらに吉田氏はジャイロセンサーを使って視点を移動する様子を披露し,6軸のジャイロセンサーと加速度センサーにより,プレイヤーが実際にゴルフコースに立っているような感覚を実現したと説明する。
最後に“PlayStation Suite Compatible”の項目では,平井氏が,PS Suiteによってさまざまなデバイスがクロスオーバーしていくことにあらためて言及。さらにこれまでPSシリーズに接点のなかったクリエイターにもアピールできると展望を述べ,広い意味でPlayStationのエンターテインメントの拡大に繋がると続ける。
平井氏は,PS Suiteによって新たにPSタイトルを楽しめるようになるAndroid端末,そしてNGPの登場が,クリエイターとユーザー双方にとって大きな可能性になっていくのではないかと締めくくった。
各パブリッシャ,デベロッパのキーマン達が語る,NGPの意義とは。「PlayStation Meeting 2011」詳報(後編)
PlayStation Meeting 2011公式サイト
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