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印刷2008/11/07 17:23

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奥谷海人のAccess Accepted / 第194回:知られざるストラテジーゲーム

奥谷海人のAccess Accepted

 地味でマニアックなジャンルだと思われがちなストラテジーゲームだが,最近はかなり個性的な作品が増えてきた。コンシューマで発売されるストラテジーゲームもあるが,やはりその主戦場はPCということで,生粋のPCゲーマーである筆者としては,無名の開発チームのゲームでも温かく見守りたくなってしまう。今回は,いわゆる大作ではないが,大化けするかもしれないストラテジーゲーム3本を紹介しよう。

知られざるストラテジーゲーム
再び活気づいてきたストラテジーゲーム

 ここしばらく,あまり元気がなかったストラテジーゲームが,再び活気づいてきた。 Electronic Artsの「Command & Conquer: Red Alert 3」が発売され,Creative Assemblyの「Empire: Total War」やBlizzard Entertainmentの「Starcraft II: Wings of Liberty」といった大作の発売時期が近づいている。Paradox Interactiveからはシリーズ最新作となる「Hearts of Iron III」の発売も発表されたりして,ワクワクしているゲーマーも多いだろう。

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「Empire:Total War」は,回を重ねるごとにボリュームがアップしてきた,Total Warシリーズの最新作だ。最近公開された戦略マップのスクリーンショットでは,海上ユニットの存在が明らかになった。発売予定時期である2009年2月が,待ち遠しくて仕方がない

 ストラテジーというジャンルは,昔ほどの人気を集めてはいないが,ときおり画期的なアイデアを持った作品が登場する。えてして,そういったタイトルはPCで発売されることが多く,そんなゲームを発見したときは,PCゲーマー冥利に尽きる。

 今回は,どんな作品になるのかは未知数ではあるが,まだあまり知られていないストラテジーゲームを三つ紹介しよう。ひょっとすると,1〜2年後に「それなら前から知っていた」と,自慢できるときがくるかもしれない。

 

Dawn of Fantasy
  • 開発元:Reverie World Studios
  • 発売時期:未定
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 カナダ東部にあるReverie World Studiosが開発中の「Dawn of Fantasy」は,グラフィックスの美しさもさることながら,かなり興味深い特徴を持った作品だ。Kythadorという仮想世界が舞台で,ヒューマン,オーク,エルフ,ドラゴンという,ファンタジー世界の定番である4種族の抗争がテーマになっている。ここまで聞くとなんとも普通だが,なんと,ムービーや会話シーンが30時間もあるという,壮大なボリュームを誇るストラテジーゲームなのだ。

 Dawn of Fantasyは発表当初,2007年第1四半期に発売されるはずだった。だが,パブリッシャがなかなか決まらなかったことと,それにも増してあまりにも壮大なプロジェクトであったため,まだしばらくリリースされそうにない。

 また,昼夜のサイクルもフィーチャーされており,夜戦では攻撃法を変えるといったことが必要となる。ユニットの移動方法を細かく設定でき,歩兵ユニットは走らせたり,馬などにマウント(騎馬)させたりできるほか,泳がせることも可能だ。このほか,10種類の資源をベースにした経済モデルが実装され,倒したユニットから特殊アイテムを得られるといった要素もある。マップエディターやオンラインランキングも用意されるので,かなり大きなコミュニティが育つかもしれない。

Men of War
  • 開発元: Digitalmindsoft
  • 発売時期:2009年第4四半期
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 第2次世界大戦をテーマにしたストラテジーゲームで,フランスやドイツばかりでなく,ギリシャやウクライナなどまでが戦場として登場する。ロシアや連合軍のほか,ドイツ軍のミッションが用意されており,マルチプレイモードでは日本軍の選択も可能だ。

 本作の特徴として挙げられるのは,各ユニットをプレイヤーが直接操作できること。アクションゲームのようにプレイできるようで,戦車戦などはかなりの迫力になるだろう。

 陸戦が多くなることから,重量級の戦車に乏しい日本軍を選択すると苦戦しそうだ。だが,開発元によると日本軍のユニットは優れたスピードを持っているということなので,相手の軍勢に真っ正面からぶつからず,その背後に回り込むといった戦い方をすれば,勝機を見いだせそうだ。

 ちなみに,前作は「Faces of War」というタイトル名なので,本作が続編であるということは,少々分かりづらい。

Elemental: War of Magic
  • 開発元:Stardock
  • 発売時期:未定
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 1993年に発売された「Master of Magic」といえば,古参PCゲーマーによく知られた作品の一つだ。「Civilization」の要素をファンタジー世界に持ち込んで成功したゲームだったが,そんな名作の影響を色濃く受けたのが,Stardockから発表された「Elemental: War of Magic」である。システムはターン制が採用されており,ゆっくりとゲームを楽しみたいファンからは,大きな人気を得るかもしれない。

 Elemental: War of Magicの舞台は,神々の戦争により荒廃してしまった世界だ。“チャネラー”と呼ばれる古来の魔力を引き出す能力を身につけた,新しいタイプの人間達の間で勢力拡大をかけた抗争が起きている。プレイヤーは,一国の主となって,資源の採掘や探索,新スキルやスペルを獲得しながら,近隣の勢力と戦ったり外交活動を行ったりして,勢力を広げていくのだ。

 本作には,Air,Water,Fire,Eath,そしてLifeという五つのマジックエレメントが存在し,いずれか一つを選択してプレイする。Fireは戦闘に向いているが政治に弱く,Lifeは防御に秀でているといったように,マジックエレメントには,それぞれ特徴がある。選んだマジックエレメントによって,プレイスタイルを変えなければならないので,リプレイバリューも高くなりそうな作品だ。

■■奥谷海人(ライター)■■
本誌海外特派員。アメリカの大統領選挙期間中,サンフランシスコで暮らしている奥谷氏のもとにも,投票を呼びかける電話が毎日何回もかかってきたという。そんな電話にうんざりしたと愚痴をこぼすのかと思いきや,奥谷氏は選挙戦の盛り上がりを肌で感じられたと,興奮気味に語っていた。だが,よく考えてみると奥谷氏は選挙権がないので,ただの迷惑電話ですよね……。

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