テストレポート
[CES 2015]SteelSeries独自の高速キースイッチはいったいどんなもの? 新型キーボード「Apex M800」をチェックしてきた
SteelSeriesは,CES 2015自体には出展していないものの,会場から少し離れたホテルに独自の展示スペースを設け,限られた関係者のみを招待して製品を披露している。その展示ブースを訪問し,Apex M800の最終試作品をチェックする機会が得られたので,今回は,その内容をレポートしたい。
独自キースイッチの形状は「Romer-G」風!?
キートップも低めに設定
SteelSeriesの説明員は,開口一番「このキーボードでこだわったのは(入力の)スピードだ」と述べた。「QS1 linear switch」と名付けられたキースイッチは,SteelSeriesと,同社が「キースイッチのエキスパート」とする,名前が明かされていない企業との共同開発によるものだが,キーストロークが約3mmで,1.5mmほど押し込んだところでスイッチが反応するように設定されているのが,その大きな特徴だ。これは,ゲーマー向けキーボードで定番となるキースイッチ「Cherry MX」と比べると,いずれも25%ほど短い数字である。
そんなキースイッチのキートップを外してもらったところ,スイッチ自体は白いプランジャーのような部材で囲まれており,その中央にバックライト用のLEDが配置されるというものになっているのを確認できた。LEDの形状は異なるものの,ぱっと見の印象は,Logitech(日本ではロジクール)とオムロン スイッチアンドデバイスが開発したオリジナルスイッチ「Romer-G」に近い印象を受ける。
もう1つ,入力の速さにこだわるために採用された仕様が,キートップを低く抑えることだという。一般的なゲーマー向けキーボードは,キートップの背が高いものだが,それが理由で,キートップの上で指を動かすスピードが遅くなりがちになる。そこで,キートップの背を低くすることを考えたのだそうだ。
具体的な数字は分からなかったが,Apex M800のキートップは,見た目にも明らかに低背である。メカニカルキーボードは,キートップの背が高すぎると思っていた人ほど,この仕様には好印象を抱くのではなかろうか。
さらに内部的には,PCとのデータ送受信を担当するプロセッサと,キーボードバックライトやマクロ関連を担当するプロセッサの2基を搭載し,キーボード内部処理を分担させることにより,処理全体の高速化を狙っているとのことだ。
あらためてキー配列を見てみると,メインのキーボード部は,([Space]キーが大きいのを除けば)ごく一般的な英語配列キーボードのそれだ。メインキーの左端では,少し離れて,0から5までの数字が書かれたキーが6個用意されている。独立したメディア操作キーなどはない。
キー同時押しに関する仕様は「Nキーロールオーバー」と発表されていたが,これについて確認してみたところ,「正確な数字は覚えていないが,26キー以上のロールオーバーが可能なはず」(説明員)とのことだった。
もう1つ面白い仕様が,底面側の高さ調整機能である。
一般的なキーボードでは,倒した状態では底面に沿ってフラットになり,はね上げることで高さをかさ上げできるチルトスタンドが付いている。それに対してApex M800では,底面奥側にある大きなゴム脚が取り外し式になっており,ユーザーの好みに合わせて,背が低いゴム脚と高いゴム脚を使い分けできるようになっているのだ。
はね上げ式のチルトスタンドでは,キーボードを雑に扱うとスタンドが壊れてしまう可能性がある。また,接地面が小さく,安定感を失いやすいケースもある。そういう意味で,この交換式ゴム脚というのは,いいアイデアではなかろうか。普段使わないほうのゴム脚をなくしてしまうかもしれないリスクはあるが……。
また,○付き1〜5キーだけでなく,メインキーでもほぼすべてのキーに対して割り当てる機能を変更できるようになっており,キーの割り当てや発光パターンをプロファイルとしてまとめたうえで,それをゲームの起動に合わせて自動的に切り替えたりすることもできるようになっているという。
SteelSeriesでは,ゲームデベロッパにSteelSeries Engine 3のAPIを公開しているため,将来的にはゲーム側から機能を制御することも可能とアピールしていた。
気になる日本での発売だが,「もちろんだ。ぜひ日本語配列モデルを発売したい」と,力強い返答が得られた。いつ頃,いくらで発売になるかは決まっていないとのことだが,Apex M800に興味を持った人は,期待して続報を待とう。
SteelSeriesのApex M800製品情報ページ(英語)
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