連載
インディーズゲームの小部屋:Room#162「Super Meat Boy」
本作は元々,ブラウザゲームポータル「Newground」で無料のFlashゲームとして公開されていた「Meat Boy」に,新ステージや新キャラクターの追加,グラフィックスやストーリーモードの強化などを施し,スタンドアロンの作品としてリニューアルしたもの。無料のFlash版は,現在もNewgroundの「こちら」でプレイできる。
Meat Boyの操作は方向キーの左右で移動,Spaceバーでジャンプ,Shiftキーでダッシュを行うという,比較的シンプルなもの。キーボードでも十分プレイ可能だが,ゲームパッドでのプレイにも対応しているので,お好きなほうでどうぞ。またほとんどの場合,移動とジャンプだけで事足りてしまうので意外と忘れがち(というか筆者自身すっかり忘れていた)だが,ダッシュしながらジャンプすることで通常よりも遠くまで跳べることを胸に刻んでおこう。
Meat Boyはヌチャヌチャと湿った足音を立てて走る姿や,通ったあとに肉汁(?)をこぼしていくところから,どうやら生肉っぽい。だが,そんな体を活かしてほんの一瞬であればベッチャリと壁に張り付き(しばらくするとズルズル滑り落ちる),そこからさらにジャンプを繰り出して壁を垂直に上ることができる。基本はこの2段ジャンプ(?)と通常ジャンプを使いこなし,ステージのどこかにいるBandage Girlの元まで辿り着くのがゲームの目的だ。
本作はFlash版の頃からハチャメチャにシビアな操作が要求されるゲームだったが,その鬼のような高難度はスタンドアロン版でも健在。とくによく見かけるトラップは大きな回転ノコギリで,これに触れるとMeat Boyは憐れ,一瞬にしてミンチになってしまう。このほかのトラップも,触れればすべて即死してしまうので,プレイ中は何度も同じステージをやり直すことになるに違いない。
ゲームはチャプターごとに複数のステージから成り立っており,最後のステージではボス戦が待っている。しかし,途中のステージは必ずしも順番どおり,すべてをクリアしなくても先に進めるので,どうしてもクリアできそうにないときには後回しにしてしまうのもアリだ。さらに,ステージに隠されたワープホールから,レトロゲーム風のボーナスステージに挑戦できるといった要素もある。
そしてもう一つ,本作の大きな特徴となっているのは,本連載でも紹介した「Machinarium」「VVVVVV」といった人気のインディーズゲームから,さまざまなキャラクターがゲスト参戦している点だ。これらのキャラクターは,ステージ中にあるバンドエイドを集めることでアンロックされていき,それぞれ固有の能力を持っている。Meat Boyではクリアが難しかったステージでも,ほかのキャラクターでなら(比較的)楽に突破できる場合があるので,キャラクター集めにも熱が入るだろう。
そんな本作は,現時点では残念ながらデモ版が用意されていないが,興味を持った人は冒頭で紹介したFlash版をプレイしてみよう。グラフィックスの完成度や細かな操作性は当然スタンドアロン版のほうがより洗練されているが,ゲームの雰囲気は十分つかめるはずだ。また,製品版はSteamで14.99ドルにて発売されている。キモ可愛い(?)Meat Boyの姿が気に入った人は,ぜひこちらもお試しあれ。
ちなみにまったくの余談だが,公式サイトで公開されているMeat BoyとBandage Girlを妙にリアルに描いたボックスアートは必見だ。まさか,こんな姿だったのか……。
■「Super Meat Boy」公式サイト
http://supermeatboy.com/- この記事のURL:
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