米国時間2008年6月16日,AMDは米カリフォルニア州サンフランシスコ市で,同社の提唱する
「Cinema 2.0」の発表会を開催。そこで,同社の
次世代GPU「RV770」を2008年6月22日からの週に正式発表する予定であることや,同社の新しいグラフィックス戦略を明らかにした。
本稿では速報として,Cinema 2.0でAMDが目指す世界として示されたデモの直撮りムービー2点をお届けしたいと思う。
さて,Cinema 2.0は,よりインタラクティブで写実的な映像表現を,映画とゲームの世界へもたらそうという試みだ。GPUリソースを活用した映像表現環境のエコシステムを構築していく取り組み,と言い換えてもいい。具体的には,最新のGPUによってレイトレーシングをより身近にし,ビジュアルクオリティと生産性の両方を向上させようというものである。
RV770のダイを持ちつつ語るRick Bergman氏
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発表会では,RV770を使って,ATIのイメージキャラクターであるRubyをリアルタイムレイトレーシングで表現した
「Ruby Verite」や,「エイリアン3」や「パニック・ルーム」で知られるDavid Fincher監督が制作した
「Bug Snuff Films」といったデモが公開された。後者は,肌の表現などにテッセレータが用いられているのがポイントだ。掲載した直撮りムービーで,ぜひチェックしてみてほしい。解像度が低い点はご勘弁いただきたいが,その写実的なイメージは伝わると思う。
AMDは,Cinema 2.0を実現するために必要な開発ツールを,映画業界やゲームデベロッパ向けに順次提供していく予定。今後の映像表現に,GPUの能力をより活用していく素地を作っていく考えだ。
消費電力110W,シングルスロット仕様のグラフィックスカードで1TFLOPSを実現すると,AMDはRV770を予告する
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ところで,より高品質な映像表現を実現するためには,もっとパワフルなグラフィックスカードと,GPUを利用した開発環境の整備が不可欠となるが,AMDでグラフィックスビジネスを率いるRick Bergman上級副社長は,RV770がシングルチップで1TFLOPSの演算能力を持っているとアピール。過去のゲームコンソールをすべて集めた演算能力を余裕で上回るとした上で,「来週には,200ドルでTera FLOPSパフォーマンスを実現するグラフィックスカードが店頭に並ぶ」と宣言した。
ティザーサイトが公開されているRV770だが,早くも来週には搭載製品が登場するようだ。
発表会場には“Pongマシン”の「DTM TeleSports Mini」や「Atari 2600」から,Xbox 360やWiiといった最新世代のゲーム機までがズラリ。これらを1台ずつすべて集めると750GFLOPSに達するが,RV770はわずか200ドルでそれを大きく上回ると明言された
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RV770については,現地でもう少し取材を行ってから,あらためてお伝えしたいと思う。お楽しみに。