NVISION 08の展示ホール「Exhibit Hall」に,ZOTAC International(以下,ZOTAC)が出展。グラフィックスカードのオーバークロックを行えるUSB接続のコントローラ
「NITRO」(ナイトロ)を,動作デモ展示していた。
NITROのデモ機。製品としては完成しており,現在量産中という
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本体下部に並んだ三つのボタンで,対象を選択し,クロックアップ/ダウンを行う
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NITROは,グラフィックスカードのGPU,シェーダ,メモリの各クロックを手元のスイッチで上げたり下げたりできる製品だ。本体左端のボタンで対象を順繰りに切り替え,クロックアップボタンとクロックダウンボタンを使うだけで,簡単にオーバークロック動作を実現できる。
動作クロックはいつでもデフォルトへ戻せるほか,PCを再起動すると,自動的にデフォルトへ戻る。任意の設定で固定するというよりも,ゲーム中に「あと少しパフォーマンスが足りない」といったときに利用することを前提としているようだ。
NITROはGPUの温度センサーと対応しており,中央のインジケータでおおよその温度を把握できる。また,温度が高くなるとグラフィックスカードは自動的にファン回転数が上がるが,そのときは「FAN SPEED」の文字が点滅する仕掛け
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製品版であるというデモ機は,「GeForce 9800 GTX+」搭載のZOTAC製グラフィックスカード「ZOTAC GeForce 9800 GTX+ ZONE Edition」が差されたPCに接続した状態で,各クロックを5MHz刻みで上下可能。試しにコアクロックをデフォルトの756MHzから901MHzへ引き上げてみたところ,Windows Vistaは直後にBSoD(Blue Screen of Death)となったが,再起動すると自動的にデフォルトクロックへ戻り,なにごともなかったかのようにWindowsが――もちろん,セーフモードで起動するかどうかの確認画面は出たが――立ち上がった。
ZOTACのJake Hsiung氏は,この「いずれにせよ,PCが再起動すると動作クロックがデフォルトに戻る」というのが,NITROの重要なポイントであると説明する。「仮にオーバークロック設定を失敗して強制リセットがかかっても,その後のPOST時などでグラフィックスカードが壊れてしまうような心配はない」(Hsiung氏)。
PCとの接続はUSBケーブル1本だけで,外部電源などは不要。本体は,台座から取り外すことも可能だ
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なお,NITROの対応グラフィックスカードは「ZOTAC製品すべて」。“世代の縛り”があったりするわけではなく,過去の世代のGeForce搭載カードでも利用できるが,一方で他社製カードはサポートされないという。「第1世代では,自社製のみのサポートだ。スケジュールは未定だが,第2世代の製品では,他社のGeForce搭載カードもサポートする」(Hsiung氏)とのことだった。
製品パッケージ
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対応OSはWindows XP/Vista。2008年9月中に,北米およびアジア市場において99ドルで販売開始予定とされている。日本については「支社がなく,代理店扱いなので断言はできないが,発売となれば,同じタイミングで出荷できる」とHsiung氏。ZOTAC製品専用ということを考えると,価格的に,少々ハードルが高めなのは否めないが,ゲームプレイ時の“あともう1〜2fps”を手に入れられる(かもしれない)デスクサイドガジェットとして,第2世代の動向も含めて,興味深い製品なのは確かだろう。