レビュー
3D対戦格闘ゲームの雄「鉄拳」シリーズの最新作がついに家庭用で発売! 「鉄拳6」レビュー
また,エンターテインメント性が“対戦だけに止まらない”ところも鉄拳シリーズの大きな魅力。家庭用で追加された美麗なムービーの数々に,三島家を中心とした世界をも巻き込む壮大な物語。そして,そんなことはどうでもいいとばかりに馬鹿なことをしているキャラクター達。世界を相手に戦争しているような奴もいれば,夫婦喧嘩をしているカンガルーもいる……。そのようにシリアスとコメディのギャップに満ち溢れた世界こそが鉄拳ワールドなのだ!
人間対パンダのような対戦も実現。これも鉄拳シリーズならではの光景だ |
簡単操作でさまざまな技が繰り出せる! 初心者でも楽しめる対戦バランスもうれしい |
「鉄拳6」の最新要素をチェック!
本作は鉄拳6の最新バージョン「鉄拳6 BLOODLINE REBELLION(以下,鉄拳6BR)」がベースとなっており,鉄拳6と鉄拳6BRで新規参入した6人を含む,計40人のキャラクターが使用可能になっている。また,対戦に関係するシステムでも,体力が一定値以下になると攻撃力がアップする「レイジ」,横移動で避けられない攻撃「ホーミングアタック」,空中コンボ中に相手を叩きつけて浮かせ直す「バウンドコンボ」などが追加され,不利な状況からの一発逆転や,独創性にあふれた空中コンボが可能となるなど対戦の緊迫感が高まっている。
レオ:八極拳の使い手。母親の敵である三島一八を狙い,トーナメントに参加する |
ザフィーナ:王家の墓を守る守護戦士。世界を滅ぼすという二つの凶星を倒すために旅立つ |
アリサ:ボスコノビッチ博士により開発された機械系少女 |
ミゲル:三島財閥による戦闘機の爆撃によって妹を失い,頭首である風間仁への復讐を誓う |
ボブ:格闘技の天才。体の大きな相手に勝つために肉体改造を行い,現在の姿になった |
ラース:三島平八の血を引く,類い希なる身体能力と知性を持つ鉄拳衆将校 |
充実のモードを遊び尽くそう!
家庭用鉄拳6のモードのなかから,まずは基本となるオフラインモードをチェックしていこう。アーケード版「鉄拳6 BLOODLINE REBELLION」が遊べるモードや,2P対戦ができるモードのほかにも,下表のようなモードがある。ゲームセンターで対戦している雰囲気を味わいたいなら「ゴーストバトル」,技やコンボを練習したいなら「プラクティス」といったように,多様なプレイスタイルに対応できるモードがそろっているのだ。
モード名 | 特徴 |
---|---|
ARCADE BATTLE | アーケード版「鉄拳6 BLOODLINE REBELLIONを楽しめるモード |
GHOST BATTLE | 自分のランクに合わせたCPUキャラクターと対戦するランキングマッチ |
VS BATTLE | プレイヤー同士が1対1のオフライン対戦を行うモード |
TEAM BATTLE | 最大8人までのチームを作り,プレイヤー同士かCPUと対戦を行うモード |
TIME ATTACK | アーケードバトルをクリアするタイムを競い合うモード |
SURVIVAL | 1本の体力ゲージで何人の敵を倒しつづけられるか挑戦するモード |
PRACTICE | さまざまなシチュエーションを設定してバトルの練習を行うモード |
「アーケードバトル」や「ゴーストバトル」などで勝ち進むと発生する昇格試合に勝つと,ランクが上がっていく |
「プラクティス」のコマンドリストで技やサンプルコンボを再生できる |
次にラースの視点で鉄拳6の物語を追っていく家庭用オリジナルモード,「シナリオキャンペーン」に注目する。このモードは通常の対戦とは違い,3Dフィールドマップ上で戦う。地図上に点在するステージをクリアしていくことで物語が進んでいき,シナリオキャンペーンで使用できるキャラクターも増えていく。また,キャラクターが装備できるアイテムやG(お金)も手に入るので,キャラクターカスタマイズの強い味方にもなるのだ。
敵や木箱から出現する宝箱を開けると,キャラクターが装備できるアイテムが入手できる |
入手した装備アイテムには,このモード内でのみ有効な特殊効果がついている。キャラクターを強化して新たなステージにチャレンジしよう |
シナリオキャンペーンに挑戦!
それでは実際に「シナリオキャンペーン」を遊んでみよう。モードを選択すると過去の鉄拳シリーズの物語がダイジェストで流れる。これは鉄拳ファンにも初めてプレイする人にもうれしい演出だ。次に物語の発端となるラース率いる鉄拳衆が,三島財閥に対して反乱を起こすムービーが流れたあとに戦闘が発生する。ここではラースを操作して敵と戦うことになるが,いわゆるチュートリアルバトルのようなもの。いくらダメージを受けても負けることはない。
このモードの戦闘は,3Dフィールド上で行われる。行きたい方向にアナログスティックや方向キーを倒すだけで簡単に移動でき,攻撃は通常の対戦時と同じようにコマンドで行う。複数の敵がいるときは,ロックオンボタンを押すことで,攻撃したい敵にカーソルを合わせるのだ。このロックオンを使いこなすことこそ,このモードの戦闘を勝ち抜くコツ。敵に囲まれないように狙いを定めて敵を倒していこう。また,敵を倒したり道中にある木箱を壊すと,いろいろな物を落とすことがある。このモードのみで使用できる武器もあるので活用していこう。
オープニングで三島家の戦いやデビル,オーガの出現など,シリーズの物語が語られる |
キャラクターごとに有効な技を探すのもこのモードの楽しみ。出の早い技や攻撃範囲の広い技で敵を蹴散らせ! |
火炎放射器やガトリング砲が落ちていることも。敵をなぎ払え! |
体力を回復したりキャラクターを強化するアイテムが多数登場する |
プレイした感覚では、物語を楽しむのはもちろん、キャラクターの装備アイテムやファイトマネー(お金)を集めるにも最適なモードだと感じた。キャラクターをカスタマイズして強化できるのも育てゲーの要素があり、共に戦ってくれるアリサが倒れると劣勢になるバランスや、そのアリサもカスタマイズで強くなるのも楽しく中毒性が高い。対戦の練習を忘れてハマってしまいそうだ。
ゲーマガとは?
ソフトバンク クリエイティブが刊行する月刊のゲーム総合雑誌。数あるゲーム雑誌のなかでもその歴史は古く,1984年に創刊されたゲーム雑誌「Beep」がその源流だ。
以後,「BEEP!メガドライブ」「SEGA SATURN MAGAZINE」「Dreamcast Magazine」「ドリマガ」など,その時代ごとに名前(見てお分かりのように,セガのゲーム機系の雑誌だった)を変え,2006年から現在の「ゲーマガ」に至る。
現在はPCおよびコンシューマゲーム機ソフト全般を扱う“ディープな総合ゲーム雑誌”へと移行。かつて,あの中川翔子(しょこたん)もレギュラー連載を持っていたことも。ここ最近は,雑誌に付く豪華な付録などがネット上で話題になることも多く,“コアユーザー向けの企画を得意とする総合ゲーム誌”として知られる。
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(c)1994-2009 NBGI
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