プレイレポート
「DIVINA」,大型アップデート「転生の刻」の先行体験レポート。転生システムの追加でキャラクター育成に変化あり
公式特設サイトでも公開されているとおり,キャラクターの「転生」システム追加が当アップデートの軸となっており,それに付随するように装備品やアイテム,新マップなどが導入される。
2011年は高レベル帯向けのアップデートが目立ったのだが,2012年最初の大型アップデートとなる「転生の刻」は,対象レベルが110以上と比較的低いこともあり,多くのプレイヤーがその恩恵を受けられるだろう。
今回はそんな「転生の刻」の内容を,実装に先駆けて確認してきたので余すところなく公開していこう。DIVINA運営ディレクターの佐塚有希氏から聞いた,今後のアップデートに関する話も掲載しているので,そちらも併せて読んでみてほしい。
転生条件と転生するまでの流れ
転生とは,高レベルキャラクターが,より資質の高い低レベルキャラクターに生まれ変わることであり,いわば2周目となる育成過程では,それまでよりも強力なキャラクターを作り上げるための特典がもうけられている。これを2周,3周と繰り返すことで,キャラクターはさらに強くなっていくわけだ。
転生の条件は,以下の3点だ。
- ダブルキャストを解放している
- キャラクターレベルが110以上
- クエスト「【ID】狂った運命」をクリア
クエストの「【ID】狂った運命」は,レベル105から入れるインスタンスダンジョン「時空の女神」関連クエストとなっており,転生条件の中では達成するのが最も困難なものになるだろう。
転生は,システィアにいるオーウェルから「【転生】回帰1」というクエストを受けることから始まる。アップデート実装後にレベル110に達したプレイヤーのもとには,オーウェルからの「システムメール」が届くようになっている(すでに110以上となっているキャラクターには届かないので,各自でシスティアに移動してクエストを確認しよう)。
その後「(崩壊)クォーツ湖」に移動。そこにいる「時空の女神クラリス」は,かつてプレイヤーが助けたヒロインなのだが,今回はストーリー上,彼女と戦闘をすることになる。その戦闘で深い傷を受けたプレイヤーは,「生死の境」へと強制移動される。
瀕死状態のプレイヤーの心中を示すようなマップとなる生死の境では,まさに生死の境にあるプレイヤーの前に,これまでのストーリーでプレイヤーが助けてきたキャラクター達が現れ,次々とプレイヤーを激励していく。そして,それは希望の光となり,瀕死であったキャラクターは,転生を果たし新たな力を得ることになるのだ。このときの少年漫画ノリの熱い演出は一見の価値ありだ。
こうして窮地を切り抜けたキャラクターはシスティアへと戻される。ここでオーウェルから「【転生】オーウェルの贈り物」を受けると,報酬として「転生ポイント」とレベル31の武器を入手することができる。
転生することのメリットは?
転生直後は,メイン職業/サブ職業のレベルが,ダブルキャスト習得時のレベルである31まで引き下げられ,ステータスとスキルを取得するためのアビリティポイントが初期化される。アビリティポイントはレベル31相当の数値に,転生前のレベルに応じたボーナス値が加えられる。つまり,転生後は同じレベルであっても,転生時に高レベルだったキャラクターのほうが,より多くのアビリティスキルを習得できることになる。
転生以前は,メイン職業とサブ職業の入手経験値は別々で,職業ごとに経験値を溜める必要があったのだが,転生後はそれが共有されるようになる。つまり,メイン職業で経験値を上げれば,サブ職業の経験値も上がっていくのだ。メイン職業とサブ職業の両方を育てる場合,育成にかかる時間が半分になるので,これはかなり大きなメリットとなるだろう。
また,アップデートに伴い,新たに「転生ポイント」というパラメータが追加される。このポイントはクエストの報酬やモンスターから入手できるもので,「転生スキル」を覚えたり,ポイントで特別なアイテムを入手できたりするものとなる。
転生スキルは,各職業別にパッシブスキルが1種とアクティブスキルが4種ずつ,さらに全職業共通のパッシブスキル14種とアクティブスキル6種の,合計で50種類が用意されている。
パッシブスキルはステータスを底上げするようなもの,各職業別のアクティブスキルは派手なエフェクトの攻撃系スキルがそれぞれ中心になっている。その威力は,1周目のプレイヤーと一緒に遊ぶことを考慮してバランスが取られているそうだが,スキルが増えるだけでも有利になることは間違いない。
なお,全職業共通のアクティブスキルは支援系となっており,学習するのに専用のアイテムが必要で,かつ,1回の転生でどれか1つしか学習できない仕様だ。さらに,スキルレベルを上げるときは,専用アイテムに加え,レベル相応の転生回数も必要になる。
転生ポイントと交換で入手できるアイテムは,武具類が中心で,幅広いレベル帯のものが用意されている。こちらの武具の一部は,転生しないと購入はできないものの,装備可能レベルさえ超えていれば未転生のキャラクターでも装備可能なのだとか。
未転生時にクリアできるクエストの中には,悲劇的な結末で終わるものも少なくない。転生ポイントで入手できる特殊なクエストアイテムを使うと,クエストの内容,つまり「物語の運命を変えるためのクエスト」を再プレイできるのだ。物語の中で命を落としたNPCが生き延びることになったりもするので,別時空の世界を冒険するような感覚を味わえるだろう。時間の流れを行き来するDIVINAならではのフィーチャーといえるかもしれない。
さて,転生前は,ソウルメイトのレベルがキャラクターよりも10以上高いと召喚ができなかったのだが,キャラクターのレベルが引き下げられる転生後には,この召喚レベル制限が解除される。
ソウルメイトは,キャラクターと一緒に戦闘をしてくれるペットのような存在だ。ほかのMMORPGでも同様のペットは存在しているが,DIVINAのソウルメイトはかなり強力で,戦闘効率がソウルメイトの強さに依存するほどだ。レベル制限が解除されることで,高レベルのソウルメイトがそのまま使えることになり,レベル上げのスピードは格段にアップすると予想される。
とはいえ,DIVINAは敵を数多く狩るよりも,クエストをクリアして得る経験値のほうが多いタイトルだ。転生することで,「クエストがなくてレベルが上げづらくなのでは?」と危惧する人もいるかもしれない。実際,未転生時にクリアしたメインストーリーは転生後はプレイできない。しかし,転生したキャラクター用の新しいメインストーリーが用意されているほか,クリア済みのサブクエストの一部も再受託可能なので,延々とモンスターを狩り続けてレベルを上げる,という事態にはならずに済みそうだ。
以上のことから,レベルが31に戻されるとしても,転生するメリットは大きいといえる。とくに経験値がメイン職業/サブ職業で共用になることと,ソウルメイトの召喚レベル制限が解除されることの2点は,キャラクター育成のスピードアップにつながるので,早い段階で一度転生しておいたほうがお得といえるだろう。
二度目以降の転生は,アビリティポイントのボーナス増加を狙ってある程度レベルを上げるか,転生スキルの充実を狙ってレベル110近くで転生するか。各プレイヤーが各々の力量に合わせた転生レベルを設定すればいいだろう。
新規追加のアイテムと新マップ
新規追加の武器と防具(魔方陣)については,転生によってレベル31に戻さることを考慮してか,武器はレベル31〜150,防具はレベル80〜150の幅広いレベル帯で実装される。追加数は武器120種以上,防具40種以上。
オーバーキャストシステムに使う魂石も新しいものが追加される。その数は転生したキャラクターのみが使用できるものを含む全30種以上。基本的に転生スキルを強化するものとなっているが,魂石の組み合わせによって使用可能となるスキルも各職業1種類ずつ追加されている。
転生後のキャラクター専用のメインストーリーが追加されたことにより,そのストーリーの舞台となる新マップも追加される。具体的には,日本神話をベースにした黄泉比良坂と黄泉の国,北欧神話をベースにした魔狼禁区と烈炎高原の4つが追加されることになる。これらの新マップには,未転生のキャラクターも入場可能で,インスタンスダンジョンのクエストに関しては,必要レベルさえ満たしていれば未転生キャラクターでも受託可能となっている。
●黄泉比良坂
安部晴明によって時空の乱れが確認されている場所。ここでは,過去に上層界の統治者であるオーディンによって下層界へと追放されたロキのストーリーが発生。DIVINAのヒロインであるクラリスの母アリシアも登場する。クラリスの両親であるロキとアリシアのストーリーはすでにクエストで明らかになっているが,アリシア自体が登場するのはこれが初となる。
・推奨レベル:50
・黄泉ヶ沼,黄泉の国から移動可能。システィアの飛行船で30,000ポロンを支払うことでも入場できる
・モンスターはお面を被ったものや天狗など日本風のもの
・インスタンスダンジョン「大国主命」(必要レベル: 56) ボスは「バーサーカー」
・インスタンスダンジョン「創世の大神」(必要レベル: 66) ボスは「イザナギ」
●黄泉の国
女神イザナミが支配する亡者の国。イザナギ・イザナミの日本神話ストーリーが発生。
・推奨レベル:60
・黄泉比良坂,魔狼禁区から移動可能
・ちょんまげの骸骨やたぬき,武士の格好をしたピエールなど日本風のモンスターが出現
●魔狼禁区
魔狼・フェンリルを閉じ込めた牢獄で,邪悪のオーラに満ちている。このマップでもロキとアリシアのストーリーが展開される。
・推奨レベル:70
・黄泉の国から移動可能。
・三つ首の狼や囚人のイメージのピエールなど欧風のモンスターが出現
・インスタンスダンジョン「ロキの冒険」(必要レベル:81) ボスは「古代兵器」
・インスタンスダンジョン「ニーベルングの指環」(必要レベル:86) ボスは「古代兵器X」
●烈炎高原
戦乙女の住処とされ,灼熱のオーラに満ちている。ここでは,ジークフリートとブリュンヒルデのストーリーが発生する。
・推奨レベル:80
・ドラッヘン海岸から移動可能。
・堕天使をイメージしたモンスターなど欧風のモンスターが出現
マップとモンスターの追加と同時に,従来の大規模アップデートにあったような,トロフィーや称号,図鑑といった要素も拡張される。さらに細かな不具合の修正も行われる予定だ。
なお,以前発生していた「内緒チャットが送れない」不具合についても解消される。これについては,運営チームでも重く捉えていたようで「オンラインゲームとしては致命的な不具合と認識していましたが,ようやく修正することができました。プレイヤーの皆様に長い間ご迷惑をお掛けしたことを,ここでお詫び申し上げます」(佐塚氏)とのコメントをいただいている。
転生システムのもう1つの狙いと,次期アップデートについて
「今までは高レベル帯,中レベル帯,低レベル帯というように,キャラクターのレベル帯ごとにプレイヤーが固まってコミュニティを作っていました。転生システムは,レベル帯の垣根を越え,また1からコミュニティを作るよいきっかけになるのではないでしょうか」(佐塚氏)
転生システムを導入することで,キャラクターのレベルというコミュニティの壁を一時的に取り除くことができるのである。
DIVINAは,インスタンスダンジョンやクエストの一部ボス討伐を除くと,ソロで楽しむプレイヤーが多い傾向にある。もちろんそれが悪いということではない。しかし,プレイヤー同士が協力できるような環境が整えば,もっと楽しくゲームをプレイできるのではないだろうか。コミュニティであったり,プレイヤー間の協力といった部分はMMORPGの大きな楽しみの一つであることは間違いないのだから。
なお,以前のインタビューで日本オリジナル要素としてタワー型ダンジョンの企画・開発を進めていることをお伝えしていたのだが,その後の状況を聞いてみた。
現在開発中のタワーダンジョンは,誰でも入場できるオープンなダンジョンとして,パーティで協力して挑みたいプレイヤーとソロで楽しみたいプレイヤーのどちらにも満足してもらえるような仕掛けを盛り込んで制作しているという。また,長くサービスを続けるとありがちなキャラクターのレベル差問題を解消すべく,高レベルプレイヤーと低レベルプレイヤーが協力することで何らかの特典があるようなシステムの導入も検討しているようだ。これについては,次期大型アップデートとして,今年の5月下旬から6月上旬あたりに実装したいとのこと。
転生システムの実装により,レベル帯を問わずゲーム内は活性化されそうだ。
転生完了後はレベル31になるわけだが,このレベル帯までは新規で始めてもクエストを追っていくだけで比較的簡単にレベルを上げられるので,これから新規で始める人にもよいタイミングといえる。同じレベル帯のプレイヤーが多くなるので,その分仲間も作りやすくなるというわけだ。公式サイトなどを見て,ゲームの雰囲気が気に入ったら,この機会にDIVINAを試してみるのもいいだろう。
「DIVINA(ディビーナ)」公式サイト
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