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「PlayStation Awards」受賞作品のプロデューサーやディレクターが思いを語る「教えて!クリエイターさん」の模様をレポート
表彰後には,受賞作品のプロデューサーやディレクターに対する公式インタビュー「教えて!クリエイターさん」が行われるのが慣例となっていて,今年はカプコンの辻本良三氏,ガストの岡村佳人氏,そしてバンダイナムコゲームスの馬場英雄氏が,受賞の喜びと作品への思いを話した。
インタビューの模様はUstreamでも配信されたが,今回は見逃してしまったという人やまとめて読み直したいという人のために,あらためて記事を掲載しよう。
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カプコン 辻本良三氏
(モンスターハンターポータブル3rd,モンスターハンターポータブル3rd HD ver.)※モンスターハンターポータブル3rdが“クアドロプルプラチナプライズ”および“ユーザーチョイス賞”,モンスターハンターポータブル3rd HD ver.が“ユーザーチョイス賞”の計3賞
A.授賞式の際に(作品に関わった)30名を登壇させてもらったこともそうですが,SCEさんのご厚意で,ハンマーなどのサプライズが用意されていたことに驚きました。Awardsには過去何度か呼ばれていますが,その度に僕たちが驚かされるような仕掛けを用意していただいているので本当に印象深いです。この授賞式自体がとても楽しみですよ。
Q.2011年はモンスターハンターフェスタや狩猟音楽祭などを開催されていましたが,今年を振り返って一番思い出深いイベントと言われたら,何でしょうか?
A.今年はいろいろとやらせていただきましたが,やはり夏の「モンスターハンターフェスタ'11」と,先日仙台で開催させていただいたイベント(「秋祭! 狩友(とも)の集いin仙台 モンスターハンターフェスタ'11」)ですね。とくに東北の方に会いに行けたのは本当によかったと思っています。
Q.現在,辻本さんが一番注目しているゲームは?
A.「アンチャーテッド -砂漠に眠るアトランティス-」(PS3)をちょっとずつプレイしています。今後は……自社タイトルで恐縮ですが,「Dragon’s Dogma」や「ASURA'S WRATH」といった,カプコンが気合いを入れて作っている作品に,個人的にも期待しています。
Q.では最後にUstream視聴者に一言お願いします。
A.今回はユーザーチョイス賞に選んでいただいてありがとうございます。ゲームは,プレイしてくださる方がいるからこそ作っていけるものですから,今後もよろしくお願いします。
ガスト 岡村佳人氏
(メルルのアトリエ 〜アーランドの錬金術士3〜 )Q.ロロナ,トトリ,メルルと続いたアーランドシリーズが完結しましたね。今回,ユーザーチョイス賞を受賞された感想はいかがですか?
A.ガストのような小さな会社が賞をいただいていいのか,と驚いてしまいました(笑)。周りは大きな会社さんばかりで,販売本数も比べものにならないのですが……,その中でプレイヤーの支持を受けられたということは,本当に光栄です。
Q.規模の小さい会社だからこそできることを実現した結果でしょうか。
A.そうですね。小回りのきく会社ですから,プレイヤーからの声をキチンとフィードバックして作品へと活かせたことが,より良い作品作りに繋がったのだと考えています。
Q.アトリエの調合システムは非常にやりこみがいがある,という声がプレイヤーから集まっています。現在,岡村さんがやりこんでいることがあれば教えてください。
A.実は時間がとれなくてあまりないのです……。
ですが,あえて挙げるなら料理など,モノをつくることに最近はまっています。
Q.そういったところから作品のヒントが生まれることもあるんですか?
A.(料理をしているときなどでも)実際にどういったモノができあがったら面白いのか,プレイヤーが喜んでくれるのかは考えますね。あとは自分の凝り性なところは,アトリエのやりこみ要素に反映されているかもしれません。
Q.アトリエの次回作にも期待が集まっているようですが,シリーズの今後についてお話いただけることがあれば教えてください。
A.現在のところ具体的な何かはないのですが,今後もガストがアトリエシリーズを展開していくことは間違いありません。そのときには,アーランドシリーズで大切にしていたものをもう一度思い出して,もっとプレイヤーに喜んでもらえるものを作っていきたいと思います。
バンダイナムコゲームス 馬場英雄氏
(テイルズ オブ エクシリア)Q.ジュード編ミラ編というダブル主人公発想はどこから?
これまでの「テイルズ オブ」シリーズは,いのまたむつみ先生と藤島康介先生という2人のイラストレーターが交互にキャラクターをデザインしてきたんですが,じゃあ2人が描いた別々のキャラクターを「ダブル主人公」という形で採用してタイトルを作れたなら,別の形で驚きを与えられるのでは? と思って挑戦してみたんです。
Q.プレイヤーがどうしたら喜んでくれるかを考えたからこそ,生まれた発想だったんですね。
A.そうですね。「テイルズ オブ」の15年は,プレイヤーと一緒に歩んできた歴史でもありますから,プレイヤーに楽しんでもらえるコンテンツを作っていくということを,いつも心がけています。
Q.馬場さんが1人のプレイヤーとして思い入れがある作品はなんでしょう?
A.やはり「ドラゴンクエスト」でしょうか。「ドラゴンクエスト」は,僕が中学生の頃に発売されたんですけど,当時は雑誌上の静止画でしか情報を得られませんでした。ですから静止画を見て「このゲームはどんなゲームなんだろう」と想像を膨らませて楽しんでいたんですよ。
僕自身,そういうワクワク感を今のプレイヤーに感じ取ってほしいですし,そういうゲームを作っていきたいと思っています。
Q.作品作りの中で行き詰まってしまったときに,アイデアを出す方法などはありますか?
A.アイデアは自然と沸いてくることもありますが,出ないときは考えても考えても出てこないんですよね。ただ1つ言えることは,同じ方向から同じモノを見ていても同じアイディアしか出てきませんから,違う角度や違う目線でモノを見てみることです。そうすると,モノの裏側が見えてきますから。開発のスタッフ達とも,常に多角的な視野で見て,思考を転換することは心がけるようにと話していますよ。
Q.ご自身が開発したタイトルで,発想の転換がうまくいって「違うモノが出てきたな」と思うことはありますか?
A.開発中は何度もその作品をプレイしていますから,開発側の視点というのが一番最初にでてきちゃいますね。ただ,発売後に自分で作ったタイトルを1プレイヤーとしてプレイしたときに,冒険する楽しさを再発見できることはありますよ。これは楽しみの1つですね。
Q.「テイルズ オブ」シリーズの今後について,何か教えていただけますか?
A.踏み込んできましたね(笑)。「テイルズ オブ エクシリア」を15周年タイトルとして完成させられましたから,次は20周年,25周年に向けてスタッフやプレイヤーと一緒に次の一歩を大きく踏み出していきたいとは思っています。今後の展開に期待していてください。
- 関連タイトル:
モンスターハンターポータブル 3rd
- 関連タイトル:
モンスターハンターポータブル 3rd HD Ver.
- 関連タイトル:
メルルのアトリエ〜アーランドの錬金術士3〜
- 関連タイトル:
テイルズ オブ エクシリア
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