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[Gamescom]「100%のF2Pが必勝のコンセプト」だ。WargamingのCEOがGDC Europeの基調講演で熱弁をふるう
キスリイ氏は,パッケージを販売するという旧来の欧米型MMORPGのようなビジネスモデルは,すでに過去のものだという。80ドルや300ドルという限定版を購入するようなマニアもいるが,続編ばかりが目に付くことからも分かるように,新たな市場は開拓できていない。ゲームのパッケージ代金を払い,さらに最初の1か月分が無料になったとしても,多くのプレイヤーは2か月目からの月額料金を払わないし,その後どれだけゲームを改善しても戻ってくることはほぼない。
その一方で,高価な限定版を購入する人が後を絶たないように,月額料金以上のお金を払ってでもゲームに没入したいというプレイヤーからの潜在的な収入源のチャンスすらも,旧来のビジネスモデルは潰してしまっているというのである。
また,「こうしたハイブリッド型の中途半端なビジネスモデルは,パッケージビジネス時代の思い出から,感情的に離れられない古い世代のプロデューサー達の悪い判断だ」とキスリイ氏は一刀両断にする。プレイヤーがゲームに接続した瞬間から,自分達のゲームのコンテンツの一部を隠すことなくすべてを見せることで,よりプレイヤー達からの信頼を勝ち得ることができるというのがキスリイ氏の主張するところだ。
キスリイ氏の話を「勝者の理論」と断ずるのはたやすいが,Wargaming.netの進んできた道は,決して平坦なものではなかったらしい。「アジア風なF2Pゲーム」という先入観から,欧米のメディアにはチープなゲームであるとしか見てもらえず,広報活動はなかなかうまくいかなかった。また,マニタリゼーション(収入源の確立)は,ゲーマーの評価と収益の微妙なバランスの上に成り立っているため,その調整も非常に難しいものであったという。しかし,そうした努力を重ねていくことにより,5年,10年とファンに愛されるゲームを作れるとキスリイ氏は信じているとのことだ。
日本など,アジアのオンラインゲーム市場からしてみれば,とっくに誰もが知っているようなビジネスモデル論といえるが,このような話が「GDC Europe」の基調講演で語られるということは,欧米がまだFree-to-Playになじんでおらず,苦労しているところが多いということだろう。
今年は,「World of Warplanes」のローンチが控えており,さらには「World of Warships」,そしてブラウザ版「World of Tanks: Generals」も発表されたばかり。Wargaming.netは,今後も欧米でのF2Pモデルの旗振り役として,その存在感を示していくことになりそうだ。
(公式情報)
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