バンダイナムコゲームスは,同社が2011年内に発売を予定しているPlayStation 3用RPG「
テイルズ オブ エクシリア」(以下,TOX)の最新情報を,本日(2月3日)付けで公開した。今回は大きく分けて,「新キャラクター」「バトルシステムの追加情報」「序盤の物語」の3点について,順に紹介していこう。
藤島康介氏によって描かれる新キャラクター「アルヴィン」
まずは気になる新キャラクター兼パーティメンバーであるアルヴィンを紹介しよう。彼は大剣と銃を巧みに使い分ける自称フリーの傭兵。基本的に雇われて動くのが傭兵なのだが,彼が主人公ジュード達と行動を共にするのには,何やらお金以外に別の理由があるようだ。ジュード達と彼との出会いは「序盤の物語」の紹介部分で触れるので,ぜひそちらにも目をとおしてほしい。
ちなみに,アルヴィンのキャラクターデザインを藤島康介氏によるものだ。ボイスが杉田智和さんによって吹き込まれることも,今回発表されている。
アルヴィン
CV:杉田 智和
「あれま、俺に助けられて、すっかり俺のトリコになったか」
・性別 男性
・年齢 26歳
・身長 182cm
・武器 両刃大剣+銃
・戦闘タイプ 銃剣士
自称「フリーの傭兵」。
リーゼ・マクシア各所を渡り歩いてきたと言うだけあり、その腕は確か。誰に対しても気さくでフランクに接し、常に大人らしく余裕ある態度を見せる。勝手気ままに行動しているように見えて、実はかなり計算尽くなところがある。他人の気持ちを敏感に感じとり、相手が望んでいる言葉や行動を選んで返すのが得意。その一方で、自分自身のことは多く語らず、親しげな態度の裏に、本心をうまく隠してしまう。お金で動くと言いながら、ジュードたちに同行するのには、何か目的があるようだが……。
キャラクター特性が光る戦闘システム
TOXの戦闘システムである
「DR−LMBS」(ダブルレイド リニアモーションバトルシステム)は,“リンクモード”を発動することで2人のキャラクターが協力して戦うという特徴的なもの。今回,このDR−LMBSをより戦略的にする要素として
「キャラクター特性」なるものの情報が公開されている。
「テイルズ オブ」シリーズではおなじみのTPを消費する「技」や「術」,TOXではそれぞれ
「武身技」「精霊術」と呼ぶが,キャラクター特性とはこれらの使い勝手を変化させるものが主のようだ。
例えば,アルヴィンは斬撃を飛ばして敵を攻撃する武身技「魔神剣」を,“チャージ”することで,斬り下ろして敵を叩きつける
「剛魔神剣」へと変化させられる。このように彼は,通常の技をいわゆる溜め技へと昇華させられる特性を持っているのである。
魔神剣 |
剛魔神剣 |
ただし,下の囲みで紹介するジュードの特性「集中回避」のように,技や術とはやや異なる部分で力を発揮するものも存在する。キャラクターの特性というだけあって,その種類や用途は多岐にわたりそうだ。
◆ジュードの特性 「集中回避」
ジュードは、その集中力と機敏さを生かし、敵の攻撃をバックステップで回避した際に、瞬間的に敵の背後に回りこむことができます。回りこんだ後は、一定時間、敵が無防備な状態となり、自由に攻撃を叩き込めます。また、成長するとこの状態をしばらく継続させることも可能になり、何度でも背後を取ることができるようになります。
◆ミラの特性 「魔技」(まぎ)
ファイアボール
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ミラは、各属性の精霊術の発動方法を使い分けることができます。
術ボタンを短く押すと、詠唱なしで「魔技」と呼ばれる技を発動し、長く押すと詠唱を行った後に術を発動します。術ボタンの押し方によって、発動する攻撃が変化します。
例)火の精霊術「ファイアボール」:火炎弾を敵に放って攻撃する術。これをボタンを短く押して発動すると、詠唱なしで手元で爆発を起こし、敵を吹き飛ばす「フレアボム」という魔技になります。
◆アルヴィンの特性 「チャージ」
アルヴィンは、右手の大剣と左手の銃を合体させることで、「チャージ技」を使うことができます。技を発動した後、ボタンを押しっぱなしにすると、武器を合体させ、チャージ状態となります。この状態で技を出すと、通常とは異なる「チャージ技」が発動します。(発動後、チャージは解除)一回のチャージにつき、チャージ技は一度しか使えませんが、成長すると拡張させることもできます。
その他システム 【マップアクション】
◎マップアクションでフィールドの探索がより自由に!
TOXでは、これまでのシリーズでは行けなかったような場所に、「○ボタン」のマップアクションを用いて行くことができます。
・特定の高さの段差の前に行くと、「○登る」と表示され、○ボタンを押すと、キャラクターがジャンプして飛び乗ります。
・潅木の茂みや小さな穴蔵などの前に行くと、「○しゃがむ」と表示され、キャラクターが中腰になって先に進むことができます。
・どんなに高い段差でも、「○飛び降りる」と表示される場所では、一気に下まで降りることができます。
序盤のストーリーを紹介
今回は最後に,ジュードとミラが旅を始めるきっかけと,新キャラクターであるアルヴィンが彼らと行動を共にするまでの成り行きといった,物語の序盤部分を紹介する。ただ,ちょっとだけその前に,予備知識として本作の舞台「リーゼ・マクシア」の世界情勢を説明しておこう。
リーゼ・マクシアでは,南方の大国
「ラ・シュガル」と北方の小国群による連邦国家
「ア・ジュール」が,リーゼ・マクシア全体の覇権をめぐって対立している。基本的にはどちらの国家も民主主義のようだが,近年は在位中のラ・シュガル王が議会を抑えて独裁色を強め,対外への侵攻政策を進めているために,2か国の緊張状態が続いているようだ。
ジュードとミラ,そしてアルヴィンが出会うのは,そんな強気な対外政策を進めるラ・シュガルの
「王都イル・ファン」。このイル・ファンから,本作の物語が広がっていくことになる。
◆ラ・シュガル
リーゼ・マクシア南方に位置する、温暖な気候と肥沃な土地に恵まれた大国。歴史の古い国家で、伝統・旧習を重んじる傾向にある。多くの術士を抱え、充実した精霊術文化を持ち、教育・研究にも力を入れている。特に王都イル・ファンは、リーゼ・マクシア随一の大都市であり、最新の精霊術を用いた煌びやかな建造物の数々は、ラ・シュガルの国威の象徴。代表貴族により構成された議会が存在するが、王の独裁体制が整いつつある現在、議会は有名無実化している。
◆ア・ジュール
現ア・ジュール王が、北方の少数部族や辺境の小国をまとめあげて建国した連邦国家。国土の大部分が険しい山脈や乾燥した荒野で、山岳部には積雪も多い。新興国ながら目覚しい発展を遂げており、現王はその手腕とカリスマ性から高い支持を得ている。部族統一により、独自色を持った活力ある文化を形成している。また、魔物を操る一族が存在し、魔物の習性を巧みに生活や軍事に利用している。
序盤のストーリーを紹介
王都イル・ファンの病院で、インターンとして研修中のジュードは、忙しいながらも平穏な日々を送っていた。
ある日、精霊術失敗によるけが人が、普段よりも不自然に多く来院する。患者を診察したジュードは、精霊たちの様子がおかしいのではと疑問を持つが、その原因は分からなかった。そんな中、担当教授への言付けを、持ち前のお人好しぶりを発揮して引き受けたジュードは、教授が仕事で向ったという、軍の研究所を訪れる。
一方、自らが祀られている山中の社で、下界の様子を伺っていた精霊マクスウェルことミラは、王都イル・ファン周辺で、大量の精霊が一度に消滅したことを感知していた。
ミラは、全ての精霊と人間に危機が迫っていると判断し、真偽を確かめるべく、イル・ファンへと向う。精霊消滅の原因と思しき軍の研究所へ、単身侵入を試みようとしてたミラは、そこで一人の少年と出会う。
精霊を名乗るミラに戸惑うジュード、そんなジュードを気にもせず、自らの目的のために動き始めるミラだったが、成り行き上、二人は研究所内で行動を共にすることになる。
ジュードは教授の姿を、ミラは精霊消滅の原因を求めて探索するも、研究所内部は異様な雰囲気に包まれていた。
得体の知れない実験装置、突如襲い掛かる謎の少女、そして、厳重に閉ざされた一枚の扉。二人は扉の奥で、予想だにしない形で探していたものにたどり着く。
それは、密かに計画が進められていた軍の最重要機密だった。
秘密を知ってしまったジュードとミラは、ラ・シュガル軍から重罪人として追われる立場となってしまう。
しかしそれは、これから二人を待ち受ける数多の試練の、ほんの始まりに過ぎなかった……