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NVIDIA,企業向けの仮想化GPU環境「VGX」プラットフォームを発表
VGX | |||
配信元 | NVIDIA | 配信日 | 2012/05/16 |
<以下,メーカー発表文の内容をそのまま掲載しています>
クラウド・コンピューティング向けに
グラフィックスのアクセラレーションを実現
エンタープライズ・データセンターでGPUを活用する
NVIDIA VGXクラウド・プラットフォームによって、
ネットワーク型デバイスからMicrosoft Windows環境を使用し、
あらゆるアプリケーションを自由に実行可能に
2012年5月15日 - カリフォルニア州サンノゼ、GPU Technology Conference−NVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO: ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA)は本日、NVIDIA VGXプラットフォームを発表しました。これによって、IT部門ではあらゆるネットワーク型デバイスを使用する従業員を対象に、PCやワークステーションで使用されるグラフィックスやGPU演算性能を備えた仮想化デスクトップを提供することができます。
NVIDIA VGXプラットフォームをデータセンターで使用することで、従業員は今後、シンクライアント、ラップトップ、タブレット、スマートフォンなどOSの種類を問わず、あらゆるデバイスを通じて真のクラウドPCにアクセスし、これまでは職場のPCでしか利用できなかったすべてのアプリケーションを優れたレスポンスで活用できます。
NVIDIA VGXによって、ナレッジワーカーは従来型のローカルPCと同等のGPUアクセラレーション対応デスクトップを初めて利用できます。3Dデザイン・ツールやシミュレーション・ツールはこれまで仮想化デスクトップ上で行うには負荷が高すぎましたが、VGXプラットフォームの管理オプションと超低レイテンシのリモート・ディスプレイ機能により、こうしたツールのユーザーにも同様の利便性がもたらされます。
VGXプラットフォームを企業ネットワークに組み込むことで、エンタープライズのIT部門は「BYOD」(=従業員が個人所有のコンピューティング機器を職場に持ち込むこと)の抱える複雑な課題に対応できます。こうしたデバイスでリモート・デスクトップを利用し、ユーザーはデスクトップ端末と変わらないアクセスが得られます。同時に、全体的なIT支出は削減されてデータ・セキュリティは向上するほか、データセンターの複雑性も最小限に抑えられます。
NVIDIAのプロフェッショナル・ソリューション・グループ担当ゼネラル・マネージャーのジェフ・ブラウン(Jeff Brown)は、次のように述べています。「NVIDIA VGXは、デスクトップ仮想化の新時代を告げる製品です。フルデスクトップとほとんど遜色のない体験が得られると同時に、仮想化PCのコストも大幅に削減されます。」
NVIDIA VGXプラットフォーム以外にも、NVIDIAは本日、「GPU Technology Conference(GTC)」で一連の発表を行っており、これらはすべてGTCのオンライン・プレスルーム上で閲覧可能です。
世界的なエンタープライズ各社は、営業費用を管理しつつ、戦略的優位性としてのITを活用することで従業員の生産性を高め、新製品をいち早く投入するという圧力に耐えず直面していますが、VGXプラットフォームはこうした企業の重要な課題を解決します。仮想化デスクトップの提供により、国際化の進む従業員の間では、重要なデータや知的財産を共有することに伴うセキュリティ・リスクを最小限に抑えることができます。
NVIDIA VGXは、以下の3つの画期的な技術をベースとしています。
・NVIDIA VGXボード:このボードは、多数のユーザーのホスティングを優れたエネルギー効率で行えるよう設計されています。NVIDA VGXボードの第一弾製品は4つのGPUと16GBメモリで構成され、業界標準のサーバ用インターフェイスであるPCI Expressに適合します。
・NVIDIA VGX GPU Hypervisor:このソフトウェア・レイヤは、Citrix XenServerなどの商用ハイパーバイザに組み込まれることでGPUの仮想化を実現します。
・NVIDIA User Selectable Machines(USM):この管理オプションを使用することで、エンタープライズはグラフィックス機能の構成を行い、ユーザーの需要に基づいてネットワーク内の個人ユーザーにこれを提供することができます。NVIDIA標準のUSMが可能にする真のPC体験から、NVIDIA QuadroやNVIDIA NVS GPUによる強力なプロフェッショナル3Dデザイン/エンジニアリング体験まで、さまざまな機能が用意されています。
NVIDIA VGXプラットフォームでは、1基のVGXボードを搭載した単一のサーバで最大100人のユーザーを処理することができ、従来型の仮想デスクトップ・インフラストラクチャ(VDI)ソリューションとの比較では、単一サーバによるユーザー密度が大幅に向上することになります。これによって、レイテンシやインタラクションの遅れ、限定的なアプリケーション・サポートなど、従来型VDIソリューションに関連する問題のすべてが大幅に軽減されます。
NVIDIA VGXプラットフォームを使用することで、IT部門は、ナレッジワーカーからデザイナーまで組織内のすべてのユーザーを対象に、真にPCに近いインタラクティブなデスクトップとアプリケーションを提供できます。
NVIDIA VGXボード
NVIDIA VGXボードは、データセンター向けに設計された世界初のGPUボードです。第一弾となるNVIDIA VGXボードは4つのGPUをと搭載しており、各GPUには192個のNVIDIA CUDAコアと4GBのフレームバッファが搭載されています。ボードはパッシブ冷却用に設計されており、既存のサーバ・ベースのプラットフォームに適合します。
ボードにはさまざまな先進技術が活かされており、ハードウェアの仮想化によって、ホストされた仮想デスクトップを実行する多数のユーザーが単一のGPUを共有し、表現力豊かでインタラクティブなグラフィックス体験を楽しむことができます。また、低レイテンシのリモート・ディスプレイにより、これまでのユーザー側のラグが大幅に解消されるほか、シェーダ技術の再設計により電力効率が高まります。
NVIDIA VGX GPU Hypervisor
NVIDIA VGX GPU Hypervisorは、商用ハイパーバイザに組み込まれるソフトウェア・レイヤであり、仮想化GPUリソースへのアクセスを可能にします。これによって複数のユーザーが共通のハードウェアを共有でき、単一サーバ上で動作する仮想マシンは重要なリソースへの保護アクセスが可能です。その結果、単一のサーバを使用し、より高密度のユーザーを経済的にサポートできるだけでなく、本来のグラフィックスやGPUコンピューティング性能を活用できます。
この新技術は、Citrixなど、業界をリードする仮想化企業によって採用が進んでおり、各社の広範なVDI製品群には、フル・ハードウェア・グラフィックス・アクセラレーション機能が加わることになります。
NVIDIA User Selectable Machines(USM)
NVIDIA USMを使用することで、NVIDIA VGXプラットフォームは、プロフェッショナルGPUの先進的な体験を必要とする従業員に対し、社内のすみずみまでこれを提供できます。その結果、IT部門は単一サーバからさまざまなタイプのユーザーを容易にサポートできます。
USMによってハードウェア・リソースの利用率が向上するほか、企業のニーズの変化に応じ、新規ユーザーのデスクトップを柔軟に構成・展開できます。これは特に、インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス(IaaS)を提供する企業にとっては有益であり、GPUアクセラレーション対応サーバを最利用して、短期間から長期間まで変化する需要に対応できます。
供給状況と価格
新登場のNVIDIA VGXボード、NVIDIA GPU Hypervisor、NVIDIA USMで構成されるNVIDIA VGXプラットフォームは、NVIDIAのハードウェアOEMとVDIパートナー各社を通じ、全社的な導入に対応する形で年内の提供開始を予定しています。詳細については、www.nvidia.com/object/vdi-desktop-virtualization.htmlをご覧ください。
GTC公式サイト(英語)
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