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急速に変化するAndroid市場に対する,バンダイナムコゲームスの取り組みとは? セッション「スマートフォン ゲームコンテンツビジネスの事業展開」レポート
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2日目となる27日には,バンダイナムコゲームス コンシューマ営業本部 IP戦略ディビジョン ネットワーク営業部 NE営業課 アシスタントマネージャーの山田大輔氏が,「スマートフォン ゲームコンテンツビジネスの事業展開」と題したセッションを行った。
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したがって,バンダイナムコゲームスでもこれら3つのOSに注力しており,現在同社では,国内外合わせてiOS向けに約130本,Android向けに約20本,Windows Phone 7向けに5本のアプリをリリースしているという。
続けて山田氏は,実際にそれぞれのOS向けアプリを手がけての感想を述べた。iOSをリリースするAppleはよくも悪くも「厳格」だが,その半面,ランキングの信頼性やメディアへの露出度は高く,マーケティングは行いやすいそうだ。
一方,Androidは「自由」。山田氏は,Google自身,「何を持ってAndroidなのか」を示しておらず,これからコンテンツプロバイダーと共に作り上げていこうとする姿勢がうかがえると述べた。またランキングも分かりづらいため,プロモーションが難しいと指摘していた。
そして山田氏は,Windows Phone 7について,「伝統」という言葉を用い,これまでMicrosoftが培ってきたノウハウが,UIのデザインやXbox 360との連携といった要素に生かされていると説明した。まだ市場規模こそ小さいものの,今後幅広く展開していく可能性を感じるという。
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次に山田氏は,これまでのスマートフォン開発では,iOS向けに作ったアプリをAndroidやWindows Phone 7に移植するのが一般的だったと説明した。しかし今後は,フィーチャーフォン向けアプリをまずAndroidに移植し,それをiOSやWindows Phone 7に移植するという流れが出てくると予想しているそうだ。
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そのうえで山田氏は,今後のAndroidを主力に据えたスマートフォン展開においては,これまでiOS用アプリの開発を通じ,ユーザーとどのように向き合い,ビジネスを行ってきたか,そのノウハウが生きてくると述べた。
山田氏は,iOS向けアプリで成功した企業は確実にAndroid市場にも進出してくると述べ,さらにそうした企業の大半がモバイルアプリ専業メーカーであることを指摘。
バンダイナムコゲームスのようなコンシューマゲームメーカーだと,“資産の活用”という題目のもと移植にこだわってしまいがちとなり,サービスクオリティとマーケティング戦略という総合競争力の点で,モバイルアプリ専業メーカーに劣ってしまう可能性が高いと述べる。
山田氏は,IPの活用という視点は間違っていないが,スマートフォン展開では「コンシューマがこうだったから」ということを意識せず,組織編成を含めて一から作り直す必要性があるとした。
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そのような状況下では,アプリの開発に1年もの時間はかけられないため,スピーディにリリースしていく必要があると山田氏は説明した。
なお,バンダイナムコゲームス内ではアプリのリリースに「ローンチ」という言葉は使用せず,「ライブにする」という表現を用いているとのこと。これにより,スピード感を強調しているそうだ。
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現在,Android向けアプリは約30万本提供されているが,無料タイトルはそのうちの約6割を占めている。また,有料/無料にかかわらず,5万ダウンロードを超えているものは約3%で,50%以上のアプリは50ダウンロード以下という状況とのこと。山田氏は,「ユーザーが分散しているため,非常にマーケティングが行いづらい市場」と表現する。
その一つの例として,山田氏はバンダイナムコゲームスの看板IP「PAC-MAN」を取り上げた。同社では,このアプリをAndroid Market向けにリリースしているが,ワールドワイドの売上合計額は,2年間で推定約1000万円前後とのこと。
山田氏は,コンシューマゲームブランドIPの有料アプリのダウンロード数は10万~50万が一般的であり,その中でも25万を超えるタイトルは20本もないのではないかと述べ,現在もてはやされているAndroid Marketの実情を示した。
その一方,無料アプリ「Angry Birds」は延べ1000万~5000万ダウンロードを誇り,その広告収入は毎月100万ドル(約8000万円)にも上る。山田氏曰く,Angry Birdsは「Android Market配信コンテンツの唯一の成功事例」ではあるものの,それでも従量課金モデル(アプリの有料販売)より,無料で提供してアプリ内広告で収入を得るビジネスモデルのほうが主流であるという。
なお山田氏は,3月に導入されたアプリ内課金により,若干収益モデルが変化する可能性があるとも述べていた。
これまでの説明を踏まえ,山田氏は,バンダイナムコゲームスの今後のスマートフォン戦略を披露した。日本国内においては,先日発表された「バナドロイド」(関連記事)を中心に,顧客満足度を高めていくという。
海外展開では,Android Marketに力を注いでいくものの,同社が得意としてきた従量課金モデルのみにせず,あえてAndroid Market内でのマネタイズを狙わない戦略が必要とのこと。山田氏は,これを「Android Marketからの卒業」と表現した。
Android Marketでは,1アプリあたり1万ダウンロードを超えないとビジネスにならないが,実際にその条件をクリアしている有料アプリは全コンテンツの0.15%に満たない。非常に高いハードルだ。
しかし無料コンテンツでは,1万ダウンロードを超えるものは全コンテンツの5%近くとなる。そこで山田氏は,自社コンテンツを無料アプリとして配信し,それをハブとしてユーザーを増やしつつ,ビジネスを展開する「フリーミアムの総力戦」(山田氏)を行っていく必要があると述べた。
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次に山田氏は,Android Marketにおける収益モデルは,今後,広告からアイテム課金に移行していくとの見通しを示した。
それを踏まえ,バンダイナムコゲームスでは,「PPS」をキーワードにビジネスを展開していくという。PPSとは,「Pool」「Play」「Stay」の頭文字で,すなわち,「いかにユーザーを集めるか」「いかに遊んでもらうか」「いかに留まってもらうか」の3つのポイントを意味している。
具体的には,無料コンテンツで集めたユーザーを,「ドラゴンボール」や「ONE PIECE」,あるいは「太鼓の達人」といった有料コンテンツへと誘導し,そこに留まらせる流れを作るといったイメージだ。
また山田氏は,このような流れを用意するにせよ,まずは楽しく遊んでもらえるコンテンツを作ることが重要だとも述べていた。
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最後に山田氏は,Android Marketの現状を踏まえたバンダイナムコゲームスの取り組みとして,自社マーケットとなるバナドロイドをあらためて紹介。
同社は,ユーザーが安心してアプリを選び,遊べるような環境の構築を目指しており,将来的にはオープン化も検討しているとのことだ。
山田氏は,「急速かつ確実に変化する市場に向けて,我々の良質なエンターテイメントコンテンツを自信を持って届けられる環境を整備し,マーケット全体を盛り上げていきます」と述べ,セッションを締めくくった。
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