プレイレポート
“クラシック”と“モダン”で楽しさ2倍――PS3/Xbox 360「ソニック ジェネレーションズ 白の時空」と3DS「青の冒険」をじっくりプレイしてみた
この2作品はどちらも,セガの看板キャラクター“ソニック・ザ・ヘッジホッグ”の生誕20周年を記念したタイトルで,「ユーザーとともに20周年を祝い楽しむ」というコンセプトのもと,過去のシリーズ作品をリスペクトした内容で制作されている。
また主人公は当然ソニックなのだが,処女作以降,メガドライブ時代の2Dアクションを中心に活躍した“クラシックスタイル”と,1998年に発売された「ソニックアドベンチャー」(ドリームキャスト)以降の3Dアクションで活躍し続けている“モダンスタイル”がシリーズで初めて共演を果たすという,記念すべきタイトルでもある。
今回は,「白の時空」「青の冒険」の2タイトルをプレイしたレポートをお伝えしよう。なお,今回プレイした「白の時空」はPS3版である。
「ソニック ジェネレーションズ 白の時空」「ソニック ジェネレーションズ 青の冒険」公式サイト
20周年の歴史を2タイトルに集約し,新旧ソニックで異なるプレイフィールを実現
ただし,「白の時空」と「青の冒険」のステージで共通なのは“グリーンヒル”ステージのみで,それ以外はすべて異なるステージが収録されている。また各ステージには,クラシックスタイルでプレイするACT1,モダンスタイルでプレイするACT2の2つが用意されている。
ストーリーラインは,「白の時空」と「青の冒険」で共通のものとなっている。
ソニックが仲間達とバースデーパーティーを楽しんでいるところに謎の怪物が突如出現し,仲間達ともども飲み込まれてしまう。ソニックが気がつくと,目の前には真っ白な世界が広がっており,そこでソニックは“過去の世界の自分”に出会う。2人のソニックは,白い世界に“色”を取り戻し,謎を解き明かすために,時空を駆け巡る冒険の旅に出る――というものだ。
スピードとボリュームで圧倒する「白の時空」
ちなみに,各ステージだけでなくチャレンジアクトも,それぞれクラシックとモダンの両方でプレイできるという,かなり豪勢な仕様となっている。
不気味なボスゲートの先には,そのエリアのボスが待っている。歴代シリーズの最終ボスが登場するので,シリーズファンは必見だ |
ステージで“レッドスターリング”を取ってゴールするとコレクションが増える。コレクションは,別途“コレクションルーム”で鑑賞できる |
「白の時空」において,クラシックスタイルとモダンスタイルのステージは,まったく別のゲームといえるほどプレイフィールが異なっている。
クラシックスタイルでは,メガドライブの「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」シリーズを彷彿とさせる横スクロールタイプのアクションを,モダンスタイルでは,シリーズ最高峰といえるスピード感と派手な演出が光る3Dアクションを,それぞれ楽しめる。
ソニックシリーズ好きの筆者にとって,プレイしていて一番インパクトがあったのは,やはりモダンスタイルのステージである。“グリーンヒル”や“ケミカルプラント”のように,「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」3部作に登場した懐かしいステージを,3Dアクションとしてプレイする感覚は新鮮だった。言うまでもなく,いずれのステージも最新の技術でリメイクされているわけだが,プレイすればしっかりと“懐かしさ”を感じ取れるものになっている。
一方,クラシックスタイルのステージは,3Dアクションとしてプレイしたステージを2Dの横スクロールアクションとしてプレイする感覚が面白い。
また,たとえばグリーンヒルなどのステージは,HD解像度に対応して画面のアスペクト比が変わったことで,オリジナル版よりも周囲がより広く見えるようになっている。
もう一つ,触れておきたいのが,本作のサウンド面についてだ。
たとえば,「白の時空」では,各ステージの入口前にソニックが立つと,そのステージのアレンジバージョンのBGMが流れるようになっている。これらの曲はどれも,ずっと聞いていたくなるほど完成度が高いのだが,そこから別のステージの入口に移動すると,ナチュラルにそのステージのBGMに移行する演出が採り入れられているのだ。これが非常に心地良く,ステージをプレイせずに,入口を何度も行ったり来たりしてしまったほどだ。
ACTによってステージBGMのアレンジが異なっていたり,ゲーム中に集めた“過去作品のBGM”をそのままステージ中に流せる仕組みがあったりと,ゲーム全体を通してサウンドに関する演出にも力が入っており,ファンを喜ばせようとする意気込みが感じられた。
そのほか,ゲーム中で特定の条件を満たすと,メガドライブ版「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」をプレイできるようになるとのこと。
携帯機らしい手軽さと通信機能が楽しい「青の冒険」
各ステージにはクラシック/モダンの2ACTが用意され,ステージをクリアすると別のステージが現れるという基本的な流れは同じだが,「青の冒険」では,2つのACTのクリア後に出現する“スペシャルステージ”が用意されている。
スペシャルステージは,障害物を避けながらパイプの中を進んでいき,ゲームを進めるうえで重要なアイテム“カオスエメラルド”を入手するというもの。「ソニックヒーローズ」の同名ステージとほぼ同じゲームデザインなので,当時を知るファンにはグッとくるものがあるだろう。
また,「青の冒険」にもコレクション要素が用意されているが,これらのコレクションは,本編とは別の“ミッション”モードをプレイすることで集めていくことになる。ミッションは全部で100個用意されており,ゲームを進めたり,すれちがい通信をすることでオープンされていく。また,3DS本体と連動した“ゲームコイン”を使ってコレクションの入手も可能なので,すれちがい通信がなかなかできない人やミッションがクリアできない人も安心だ。
「青の冒険」では,クラシックスタイル/モダンスタイルともに,横スクロールタイプの2Dアクションだが,ACTごとにルートや演出,仕掛けなどの設計がまったく異なっている。クラシックスタイルではシンプルかつ軽快なアクションを,モダンスタイルでは派手な演出とスピード感を味わえる。とくにモダンスタイルでは,3D立体視を意識した演出が随所に盛り込まれているのも見どころだろう。
また,たとえば「ソニックカラーズ」の“トロピカルリゾート”のように,“カラーパワー”が使えるなど,オリジナル作品独自の能力やアクションがギミックとして用意されているステージも存在する。
「ソニック2」で登場した“カジノナイト”にはルーレットやスロットマシンが登場。“当たり”を出すと,リングや1UPが獲得できる |
「ソニックカラーズ」のステージ“トロピカルリゾート”ではカラーパワーが使用可能。シリーズ独自の能力やアクションがステージごとに使えるようになることも |
また,すれちがい通信では前述のミッションを配布できるほか,プレイヤーの“プロフィールカード”を交換可能だ。プレイヤー名とMii,ゲームのランクのほか,ソニック暦や好きなシリーズのタイトル,キャラクターなどを登録でき,交流が楽しめる。
「白の時空」と「青の冒険」は遊び込める要素が満載で,じっくり楽しみたい人にもお勧めできるアクションゲームとして仕上がっているので,ソニックシリーズをプレイしたことがない人は,自分の持っているハードに合わせたどちらでもいいので,まずは配信中の体験版からプレイしてみてほしい(関連記事1/関連記事2)。
また,コレクションルームで鑑賞できるコンセプトアートやBGMなど,ソニックシリーズ20年の歴史もぎっしり詰まっており,資料的な価値も非常に高い。ファンならば2本とも入手したいタイトルといえるだろう。
「ソニック ジェネレーションズ 白の時空」「ソニック ジェネレーションズ 青の冒険」公式サイト
- 関連タイトル:
ソニック ジェネレーションズ 白の時空
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