紹介記事
宇宙を探索・開拓するブラウザゲーム「プラネットフロンティア」とは? 開発スタッフのコメントを交えて,その中身を紹介
ハンゲームの中では「かんたんゲーム」に分類され,文字通り誰でも簡単に遊べるように作られているが,そこかしこに古今東西のSF/スペースオペラ作品のエッセンスが散りばめられており,NHN Japan曰く「やり込んでいくと奥の深さを実感できる」タイトルになっているという。
本記事では,プラネットフロンティアがどのようなゲームなのか,ピラミッドの代表取締役 副社長 柏木准一氏と,本作ディレクターの加賀 純氏,そしてNHN Japanの中尾亮介氏の話を交えながら紹介していこう。
「プラネットフロンティア」公式サイト
宇宙怪獣の襲撃で人口が減少してしまった宇宙を,開拓・採掘しながら復興
プラネットフロンティアの舞台となるのは,人類の文明「ヒューマン」と機械文明「マシナリー」,そして亜人の文明「ネイチャー」の3陣営が存在する宇宙だ。この宇宙は,現在,宇宙怪獣の襲撃を受けており,各陣営の母星はいずれも危機に晒されている。そこでプレイヤーはいずれかの陣営に所属し,宇宙を探索して資源を集めて母星を発展させたり,あるいは自らの宇宙船を強化したりしながらゲームを進めていくのである。
プレイヤーは,オープンフィールドのMMORPGとして自由気ままに宇宙を探索できるが,具体的な目標があった方が遊びやすいという人のために,ミッションも用意されている。ゲーム序盤のミッションはチュートリアルを兼ねているので,戦闘や採掘など必要な手順を順次学んでいく展開だが,次第に受託条件やプレイスタイルに合わせた取捨選択が可能になっていく。例えば強力な敵と戦うミッションなどは,自分の宇宙船を十分に強化するまで先送りにすることもできる。
資源惑星は,その名の通り,さまざまな資源を埋蔵する無人惑星だ。資源には気体/液体/固体/生物という4つの属性があり,それぞれ価値と採掘時間が異なる。また資源のほかにも,高い価格で売却可能な財宝を採掘できる惑星もある。
なお惑星ごとに資源の埋蔵量が決まっており,すべての資源を掘りつくすと,その資源惑星は消滅してしまう。
これらの惑星に移動するためには,まずレーダーによって対象となる惑星の位置を確認する必要がある。移動手段は3種類あり,そのうち「ワープ」は移動完了までに“リアルの時間経過”を必要とする。「ジャンプ」は一瞬で移動可能だが,ミッション報酬または有料アイテムとして入手できる専用アイテムを消費する。
3つめは通常航行で,ワープと比較べれば消費エネルギーを押さえられ,結果として航続距離は長くなるが,手間がかかり,敵とのエンカウントも発生するというものだ。
また資源惑星で行う採掘にも,時間経過を伴なう「通常採掘」と,専用アイテムを消費して一瞬で終わらせる「瞬間採掘」がある。
こうした専用アイテムは,進行のテンポのよさを重視して,ゲーム序盤では頻繁にゲーム内でも入手できるように調整しているとのことだ。
その一方で,競争要素として,プラネットフロンティアでは「誰が一番最初に惑星を発見するか」がフィーチャーされている。資源惑星を最初に発見したプレイヤーは,その惑星に名前を刻むことができるほか,「ファーストコンタクトボーナス」が与えられる。具体的には,その惑星で,ほかのプレイヤーが採掘した場合に,税収のようなメリットが生じるのだ。もちろん,それがレアな資源が埋蔵されている惑星であるほど,そのメリットは大きくなる。さらに,自分もしくはフレンドが第一発見者となっている惑星では,レア資源が多く採掘できるような仕組みもある。
最大のポイントとなるのは宇宙船のカスタマイズ。“男のロマン”を全開にしよう
宇宙船は,文明惑星のドック・ショップで,エンジン/武器/工作機械/カーゴルーム/客室とブロック分けされたパーツを購入し,組み合わせていく。パーツごとに上昇するパラメータが異なり,エンジンは航続距離や,通常時やワープ時の移動速度に影響する。
そしてエンジンよりも重要なパーツがレーダーである。レーダーには,探索範囲を決める「距離」,採掘できる資源の種類を明らかにする「精度」,さらに資源のレア度を調査する「探知」というパタメータがあり,プレイヤーは,レーダーから得られる情報を元に,深遠なる宇宙を探索していくわけだ。
また4つの資源の種類に応じて,それぞれに強い宇宙船にすることも可能だ。パーツさえ購入してしまえば自由に組み替え可能なので,ミッションに合わせて宇宙船の構成を変えることもできる。
また,プレイヤーの拠点である「母星」の人口が増加すると科学のステージが上がり,宇宙船に付加できるパーツの数が増え,高性能のパーツがショップで提供されるようになる。そのほかにも,遠い文明惑星で高性能パーツを買うこともできるし,あるいは資源惑星から高性能パーツを発掘できたりもするらしい。
「“宇宙は移り変わっていく”というコンセプトのもと,資源がなくなると資源惑星は消えてしまいます。したがって『あそこで,このパーツが手に入る』という情報があっても,その惑星がいつまで存在するかわかりません。狙っていたわけではないのですが,宇宙を再現しようとしたら図らずもwikiなどを介した攻略情報の共有が成立しにくいゲームとなりました」(柏木氏)
母星の人口を増やすためには,住民の要望である「母星の声」を聞き,それに応じて母星に備蓄してある必要資源を消費する。もし要求される種類/量の資源が備蓄されていなければ,必要資源を確保するために資源惑星を探索しなければならない。
簡単操作だが,単調な作業に陥らない戦闘システム
戦闘には,アクション要素が含まれている。とはいえブラウザゲームらしく,敵の宇宙船にカーソルを合わせてクリックするだけで良く,宇宙船に装備された「ウェポン」で自動的に攻撃してくれる。
ウェポンには,貫通属性とスピードに特化した「レーザー」,ホーミング性能があり威力も高い「ミサイル」,拡散して広範囲に攻撃できる「バルカン」があり,ミッションに応じて武器をカスタマイズし,上手く使い分けることが攻略への近道になるようだ。
本作の戦闘は,アクションシューティング風の内容になっている。単調になったり,難しくなり過ぎたりしないよう,バランスを図ったという。ボスバトルではプレイヤーを驚かせるような仕掛けもあるそうだ
「すばやく倒した方が有利ということから,一部の敵には時間の経過によってスイッチが入り,プレイヤーの動きに反応していくようなAIを仕込んでいます。社内でスタッフにテストプレイをやらせてみて,『えっ!?』という反応が引き出せるよう調整しました」(柏木氏)
柏木氏によれば,直近のアップデートで特殊攻撃を可能にする「クルー」の要素が加わる予定だ。クルーとは,文字通り船に乗り込む船員のことで,それぞれが異なるスキルを持っており,さまざまな文明惑星で雇うことができるとのこと。多様なスキルのクルーを組み合わせることで,より個性的な宇宙船を作り上げることができるわけだ。
なお,ゲーム開始ポイント付近ではあまり戦闘は発生しないが,距離が離れるほどエンカウントが増えていく。スポット的に強い敵が待ち受けているポイントがあり,そこを突破するとレアな資源惑星が見つかる可能性が高いそうだ。
また,画面の大半を覆いつくし,見ただけで絶望感を覚えるような巨大な宇宙怪獣も,将来的には登場する予定だという。
協力プレイ要素としては,プレイヤー各自の母星が「宇宙怪獣に襲撃される」というイベントが用意されているらしく,フレンド同士で力を合わせて撃退する演出が発生する。うまく撃退できればしばらくは安泰だが,宇宙怪獣が母星まで到達してしまうと,その母星の人口が大幅に下がってしまうのだ。
宇宙を舞台にしたのは海外展開を意識したから
中尾氏に聞いてみたところ,まず韓国や中国,そして北米に進出することを前提に考えていたとのこと。それを踏まえてピラミッドのスタッフと話を進めていく中で,SFなら世界各国で受け入れられる題材なのではないかという結論に至ったという。また柏木氏は,ピラミッドの外国人スタッフから,LEGOのような感覚で宇宙船を組み立てることができれば,国を問わず受け入れられるのではないかという意見が挙がったと述べる。
さらに柏木氏は,当初は「かんたん大宇宙 WEB」というタイトルで,シンプルなゲームとして企画を進めていたが,途中から本格的なSFタイトルの方向にシフトしていったことを明かした。
「簡単そうな外見の上に数多くのパラメータを加えたことで,本格的なゲームになっていきました。そのピークが,2011年5月に実施したクローズドβテストの頃でしたね。あの時点では,かなりプレイヤーを突き放していて,ほとんど海外でサービスされているゲームのようになっていましたが。今は,そこにさらに丁寧なチュートリアルや初心者向けのミッションを加えていますので,かなり遊びやすい形になっていると思います」(柏木氏)
戦闘にアクション要素を加えたのも,海外展開を意識してのことだそうだ。これも外国人スタッフにヒアリングしたところ,パラメータだけで決着が付いてしまうようなものではなく,リアルタイムに操作してリアクションがあるような要素が欲しいという答えが返ってきたことからの変更点だ。そこで,ネットワークの同期などMMORPGの制約を踏まえて今回の形に結実したとのことである。
また宇宙全体が1サーバー1ワールドで,かつシームレスなマップで構成されていることも,プラネットフロンティアの大きな特徴である。これは宇宙にエリアチェンジがあるのは不自然だという理由から,かなりこだわったとのこと。具体的にはデータの通信量を極めて少なく抑えると同時に,マップをグリッド状に分解し,グリッドごとのデータを先読みすることでシームレスな状態を実現するという,大予算を投じて作られている昨今のMMORPGと同等のシステムを採用したそうだ。
将来的に実装される要素としては,陣営間の競争要素が挙げられた。
例えば,ゲーム開始当初だと,3つの陣営はそれぞれがかなり離れたところに位置しているので,まず接触することはない。しかし探索が進めば,互いの領域に踏み込むこととなる。ちなみに,他陣営が所有する資源惑星は採掘できなくないというルールを考えているらしく,そこにプレイヤー同士の対戦要素を盛り込んで,資源の奪い合いができるようにしていくという。そうした過程の中で,ギルドの概念も検討しているとのこと。
宇宙物が好きなら要チェック?
長々と説明してきておいてなんだが,本作は「どんなゲームか」と聞かれると,返答に窮するタイプの作品である。よくある牧場系のゲームでもなければ,戦闘で敵国を滅ぼすトラビアンタイプの作品でもない。ゲーム内容的には,唯一無二のものになっているし,世界観も「かんたんゲーム」という割には,妙にコア向けな雰囲気。オリジナリティという面で見れば,本作はかなりの意欲作だと言えよう。
もちろん,新しいことにチャレンジしている作品だけに,多少の粗さを含めて「これから」の部分も散見されるわけだが,いわゆる「宇宙モノ」が好きなゲーマーなら,チェックしておいても損はない作品ではあるはず。本記事で興味を持ったという人は,一度遊んでみてほしいと思う。
個人的には「スター・トレック」のエンタープライズ号のような宇宙船で旅がしたいと思っているので,ぜひそれっぽい船も作れるように,パーツをもっと充実させてほしいところ。ここは一つよろしくお願いします。はい。
最後に,お三方からプラネットフロンティアに興味を持った人に向けてのメッセージをもらったので,こちらを掲載して本稿のまとめとしたい。
「今までにないようなゲームに仕上がりました。SF作品に興味がある人にも,ぜひ遊んでもらいたいです。結構,遊び応えがあるように作っていますので,長く遊んでいただけるのではないでしょうか」(柏木氏)
「まったく新しい感覚のゲームになりました。最近の主流のブラウザゲームを遊んでいる方には,とっつきにくい印象があるかもしれませんが,その先はきっと楽しんでもらえると思うので,ぜひ一度,試してみてください」(加賀氏)
「宇宙を題材にしたゲームや,未知なる部分を冒険し開拓していく遊びが好きな人に楽しんでもらえるゲームにしたいと思っています。オープンワールドで自由に遊ぶというゲームが苦手な方も,ミッションに沿って進めることで迷わず遊ぶことができますので,両者をうまく組み合わせて楽しんでいただけると幸いです」(中尾氏)
「プラネットフロンティア」公式サイト
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