インタビュー
「ラグナロクオンライン ギルドマスターズ」は,いよいよ本格的な戦いに移行。今後のROGMの展望やアップデート計画について聞いてみた
「ラグナロクオンライン ギルドマスターズ」公式サイト
サービス開始時は1つだけだったワールドも,いまや3ワールドとなり順調にプレイヤーを増やしている本作。前回のインタビューでは,未来への展望を語ってもらったが,現状ではまだ実装されていない要素も多くあり,今後,どうなっていくのか不安と期待が入り交じっているプレイヤーも少なくないだろう。
そんな折に,現在進行中の第1クール終了までのアップデート計画がまとまったということを耳にしたので,ガンホーでROGMの開発を担当している廣瀬高志氏,野島俊英氏,田中 厚氏の3人に,ROGMの現状から今後の話までいろいろ聞いてみた。
どうやら,いよいよ他国と,そしてモンスターとの本格的な戦いが始まることになるらしい。ことによっては,現状の勢力図を塗り替えかねない今後のアップデート情報を紹介していこう。
廣瀬高志氏 |
野島俊英氏 |
田中 厚氏 |
育成・発展の第1フェーズから,戦いの第2フェーズに突入
今後のスケジュールについて説明してもらう前に,正式サービスの開始から今日までを,廣瀬氏に振り返ってもらった。
いまのゲーム内の状況なんですが,中心の異世界フィールドがPVPのできる唯一のマップになっています。陣取り合戦というのが一番分かりやすい言葉なんですが,よくプレイヤーさん達は『色塗り』と言ってます(笑)。その色塗り合戦が活発に行われているところは,こちらの予想以上で,対人プレイを楽しんでいただけるかな? という心配をよそに,企画当初の狙いよりもより良い形で遊んでいただけていると考えております」(廣瀬氏)
蓋を開けてみるまでは分からないという印象だったPVPについては,運営側の予想よりも活発に行われているようだ。実際のところ,とくに異世界に進出している各所属国のプレイヤーが中心となって,国チャットを使い攻撃や防衛の相談をしている様子がゲーム中ではよく見られる。
そして廣瀬氏は,サービス開始から現在までの約3か月間を「第1フェイズ」と呼び,2月から始まる期間を「第2フェイズ」として,ストーリーを提示しながら本格的な戦いを描いていくと話す。
ROの異世界クエストをプレイしたプレイヤーであればご存じだと思うが,連合軍を結成して異世界に進出した「ルーンミッドガッツ」「アルナベルツ」「シュッツバルト」の3国は,実のところ一枚岩ではなく,それぞれの国が独自の思惑で動いている部分がある。
そのために各国は,ROGMのストーリーで語られるように「モンスター侵攻に対する自国の有志(ギルド)への要請」を行い,同時に利を得ようと自国のギルドを異世界へ進出させているわけだ。
現在も異世界では戦いが行われているが,第2フェイズ移行にともなってモンスター襲撃も加わり,さらに激しい戦いが繰り広げられることになる。
自国の全プレイヤーの協力を前提としたストーリークエストとラストダンジョン
第2フェイズのポイントとなるのは,ストーリークエストとモンスター襲撃,そして最終目的地となるラストダンジョンだ。ラストダンジョンは,多くのプレイヤーが予想した通り,異世界の中心部にある「いかにも」な3つの建造物「????」となる。
そのラストダンジョンに侵入するためには,ストーリークエストをクリアする必要があるという。ストーリークエストは,受領して達成する通常のクエストとは違い,クエスト画面上ですべてが行われる。
下に示したスライドを例に説明すると,討伐モンスター「バフォメット」とその護衛の「バフォメットJr.」が国に攻め込んでくるので,これを撃破しなくてはならない。
「バフォメット」にダメージを与えるためには,まず護衛モンスターの「バフォメットJr.」の残り数を0にする必要がある。護衛モンスターは一定時間で一定数が復活するので,小まめな派兵で護衛を減らしておかないと,討伐モンスターにダメージが与えられなくなってしまうわけだ。
ストーリークエストは1日に派兵できる数に制限があるので,国をあげて派兵しないと,なかなか討伐モンスターにダメージを与えられず,他国に後れを取ってしまうだろう。プレイヤー同士の協力が鍵となりそうだ。ストーリークエストに関して廣瀬氏,田中氏は以下のように補足した。
「ストーリークエストの派兵回数は,通常のダンジョンへの派兵とは別で管理し,制限を設けようと思っています。中後衛の戦力が低めなギルドマスターには,小まめな派兵で護衛モンスターを0の状態にしてもらう。護衛モンスターの数を0にしたら,強力な戦力を持った前衛(※)のギルドマスター達がボスにアタックをかけるといった連係プレイを国をあげて行っていただければと思っています」(廣瀬氏)
※新規プレイヤー登録時にギルドの本拠地を前衛/中衛/後衛から選択する。前衛はモンスターからの襲撃を受けやすいが,異世界やモンスターを攻撃するのに適している
このストーリークエストの進行状況は,ランキング画面を通して自国のみならず他国のものも見られるようにするとのこと。これは,中後衛でプレイしているプレイヤーも,それを見て自国への帰属意識を持ってもらうと同時に,各国間の競争意識を煽るようにする意図もあるようだ。
ストーリークエストの実装後には,異世界以外でもモンスター襲撃が発生することになる。これまではどの位置でも安心してキャンプを運営することができたが,いよいよそうもいかなくなるわけだ。異世界以外でも,キャンプを守るために結界の強化が必要になってくるだろう。
襲撃してくる頻度とモンスターの強さは,キャンプの位置によって異なるとのこと。前衛はモンスターは弱いが頻度が高く,後衛はモンスターは強いが頻度は低く設定される。中衛はその中間といった感じだ。
設定的にはラストダンジョンからモンスターが侵攻してくるため,前衛を襲うモンスターが弱いのは何となく疑問に感じるところだが,廣瀬氏によれば前衛に強いモンスターを襲撃させると,PvPを行う余裕がなくなり,防衛にシフトしかねないためだという。
ただ,異世界については少し事情が異なる。異世界にあるキャンプにも当然モンスターが襲撃してくるが,頻度や強さは前中後衛とも違うバランスとなるらしい。これは,異世界の勢力図によってさじ加減がかわるとのことだ。具体的には,どういった仕組みになるのだろうか。
すでに異世界特有のバランスができあがっているので,このままでは戦力差はひっくり返せないだろうと思われているでしょう。今の戦力差のまま進めてしまうと,戦力の高いところが必ず(ストーリークエストやラストダンジョン攻略の)進行度が上回ってしまうので,そこにバイアスをかけて,なるべく公平というか,同じようなスタートラインから進められるようにしたいと考えています。
異世界のモンスター襲撃でいえば,有利な状況となっている陣営が,それを維持するのが大変になるという状況を作っていくという感じです」(廣瀬氏)
この調整は,各国の人口差の是正を図る施策の1つで,先ほど紹介したストーリークエストの討伐モンスターと護衛モンスターのHPや数,強さにも調整が入るらしい。
「異世界占有率を取るのか,国ごとのアクティブなギルドマスター数を取るのかはまだ調整中ですが,クエストの難度は国ごとに異なってくるという形にしたいと考えています。また,後衛側の戦力も固めないといけないというバランスも構築したいです。前衛だけでも勝てない,中衛や後衛を含めた全体的なバランスでゲームが変わっていくといった形を目指しています」(田中氏)
そして最終目的地となるラストダンジョンは,いくつかの階層に別れている。ラストダンジョンの仕様は通常のダンジョンとは違い,ストーリークエストに近い形になるとのことだ。
「通常のダンジョンは,どんなモンスターと戦って何を入手したというレポートを見るだけですが,ラストダンジョンはバックグラウンドCGで中の風景を見せていきます。
そして,階層ごとに配置したROGMオリジナルモンスター――ガーディアンという位置付けですが――を倒して下層に潜っていただく感じになります。ラストダンジョンの進行具合も,それぞれの国の状況を見られるようにします」(廣瀬氏)
ラストダンジョンは異世界の中心部にあるので,攻略は異世界にキャンプのある最前線のギルドからの派兵に任せることとなる。それ以外のキャンプはストーリークエスト攻略以降はお役ご免になるかといえば,そうではなく,通常のダンジョンを攻略することでラストダンジョンを攻略する味方の支援が可能となる。
「ラストダンジョンの攻略は,基本的に異世界に進出しているプレイヤーのお仕事になると思います。そうすると,中衛や後衛のプレイヤーはそれを見ているだけになってしまいます。
そこで,中後衛のみなさんが通常のダンジョンを攻略することで,前衛のプレイヤーによるラストダンジョンのアタックに,有利な結果をプラスできるような,一工夫を入れさてもらおうと思っています。
例えば,ラストダンジョンに出現するモンスターへより多くのダメージを与えられるようになるなどです。ラストダンジョンに派兵していないプレイヤーさんも,間接的にではありますが,ラストダンジョンの攻略に参加していることが分かってもらえればと思います」(廣瀬氏)
買取ショップや未実装スキルなど嬉しいアップデートも決定。スマフォ版の登場で外出先でも指示を出すことが可能に
第2フェイズという大きな流れの中で行われる,細々としたアップデートについても言及があったので紹介しておこう。
まずは市場に「買取ショップ」の実装が決定した。ダンジョン探索で,手に入れたものの使いようがない不要アイテムをZenyや資源に還元することが可能となる。ただ,現在の予定ではアイテム庫と関係するシステムであることから,メインキャンプでしか実行できないようで,使い勝手が良いとは言えなさそうだ。これに対して廣瀬氏も何かしらの手を打ちたいと考えているとのこと。今後の調整に期待しよう。
次に未実装スキルの実装だ。現在は既存職の中に,スキル研究所で研究を行っても出てこないスキルがいくつかあるという。それらが登場するとのことだ。
なお,現在上位2次職はキャラくじなどで入手したものでしか使うことができないが,1月中に行われるアップデートで上位2次職への転職が可能になる。2-1職も2-2職も同時に転職が可能になる(上位2次職への転職は,レベル15以上が必要)とのこと。また,第1クール中にキャラくじで3次職の実装,間に合えば3次職への転職も可能にするらしく,こちらも楽しみだ。
最後に工房で作成可能なアイテムの追加だ。工房の説明テキストでは,Lv3でアクセサリ,Lv5で所持品アイテムの作成が可能と表記されているが,実際には,現在は作成ができない。サービス開始時からプレイヤーの要望が高く,今回それに応えるために作成物のラインナップを大幅に追加することになったそうだ。ラインナップのリストはしばらく待ってほしいとのことだが,将来的にはスロット付きを含めた武具のラインナップ追加も考えているという。
また,前回のインタビューで言及されていたiPhone版/Android版のクライアントのダウンロード配布も間近に控えているという。
「少しお待たせしてしまいましたが,ある程度PC版の運営が固まったところで出したほうがいいということで,このタイミングになりました。スケジュール的には2月後半か,遅くとも3月にはダウンロードできるようにしたいと思っています」(廣瀬氏)
掲載したスクリーンショットでは画面が縦長になっているため,スマートフォンを縦持ちで使うのかと思ってしまいそうだが,実際には横持ちで上下にスクロールする形になるとのこと。
注目は,建築や研究,派兵などはブラウザ版と同様にプレイ可能だが,ショップ機能がオミットされていてショップポイントを使って課金アイテムの購入や使用ができなくなっている点だ(PC版で購入し,アイテム庫に入れておけば使用可能)。
スマートフォン版は,出先でガッチリ遊ぶためのクライアントというよりも,空いた時間に見て指示を出すといった使い方になりそうだ。
「ブラウザ版よりも軽量化しているので,軽いアクセスでプレイできるようになると思います」(野島氏)
上に掲載したスケジュールのとおり,3月上旬には「魔石連動アイテム」の第3弾が予定されているが,注目のアイテムは装備品になるとのこと。
また4月中旬以降の「第1クールフィナーレ」は,運営側としてもプレイヤーの行動次第で前後することになるとしながらも,大方このようなスケジュールで進めていくとのことだ。
「今後は,ストーリーを強く見せていきますが,ラストダンジョンに派兵できる頃の世界の様相は,戦火があちこちで上がって混沌としている状況になります。
昨年のクリスマスでキャンプのグラフィックスを変えましたが,あのような感じでバックグラウンドのグラフィックスも情勢に合わせて変えていこうと考えています」(廣瀬氏)
最後に,廣瀬氏からプレイヤーへのメッセージをお届けしよう。
「今回ご紹介させていただいた第1クールまでの話で,ROGMという一つのゲームの流れが完成すると思います。ストーリーに関してもしっかり押さえていくので,楽しみにお待ちください。
その先の抱負というか野望としては,ROGMでオリジナルで出したラストダンジョンのモンスターやラストダンジョンそのものを,ROに何らかの形――例えばラストダンジョンをデザインして実装するとか,モンスターも逆輸入じゃないですが登場させるなど,遊びを提供することにもチャレンジしたいと思っています。そういった野望を含めて,これからもROGMをよろしくお願いします」
第1クール終了の道筋が見えたことで,いよいよ本格的な闘争が始まるROGM。これまでの戦いを小競り合いとすると,今後は戦乱という言葉がピッタリ当てはまりそうだ。それと同時にモンスターの襲撃も発生するため,設置したキャンプの場所に関わらず戦力の調達が必須となるなど,プレイスタイルも変化することになるだろう。ストーリークエスト,そしてラストダンジョン攻略が登場する第2フェイズでは,どんな面白い体験が待っているのか楽しみだ。
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