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  • カプコン
  • 発売日:2011/12/17
  • 価格:PS Vitaカード版:4800円 / ダウンロード版:4300円(すべて税込)
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「ニコニコ動画」への対応も。「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」「ロード オブ アポカリプス」など,オリジナルタイトルを含む多くの新作が発表された「SCEJ Press Conference」レポート(後編)
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印刷2011/09/14 23:14

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「ニコニコ動画」への対応も。「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」「ロード オブ アポカリプス」など,オリジナルタイトルを含む多くの新作が発表された「SCEJ Press Conference」レポート(後編)

 本日(2011年9月14日),ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は,PlayStation Vita(以下,PS Vita)を中心とした戦略発表会「SCEJ Press Conference」を行った。ハード関連の話題がメインだった前半に続き,後半ではタイトル関連の発表を中心にレポートしたい。

カプコンの小野義徳氏
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 最初に登場したのは,カプコンの小野義徳氏。小野氏は,「今日はVitaのタイトルを発表したいと思います」と切り出し,PS Vita版「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」を紹介した。本作の発売日はPS Vitaと同じ,2011年12月17日を予定。いわゆるローンチタイトルとなる。

PS Vita版「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」がSCEブースで,PS3版「ストリートファイター×鉄拳」がSCEブース,カプコンブースにてプレイ可能だ
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 小野氏によれば,Vita版にはPlayStation 3(以下,PS3)版と同様のコンテンツが用意されており,世界中のPS Vitaプレイヤーとの対戦が可能となる。また,格闘ゲームにとってはとても大切な,毎秒60フレームを保った状態での快適なプレイが可能になっている。
 さらに,タッチパネルを使った新しいプレイスタイルや,「near」(GPSで位置情報が取得できる機能)との連動などが特徴となる。
 ここで小野氏は,「僕らは,Vitaで格闘ゲームを満足のいく形で体験できるとは思っていません。やはり格闘ゲームは,ブラビアとPS3とコントローラーを持ってプレイしたほうが,フル回転できると思います。ただ,VitaにはVitaでしか体験できない楽しさがあると思いますし,持ち運べる手軽さもあると思います」とコメント。そして,「我々はVitaに対して,“コミュニティ”というキーワードを掲げています」と述べ,PS3とPS Vitaの持つ力を上手くミックスすることによって,コミュニティの世界が大きく広がるのでは,と語った。

ローンチソフトは26タイトル。PlayStation Vitaの発売日は12月17日(土),3G版のキャリアはドコモに決定。「Z.O.E」「ファイナルファンタジーX」など注目作も発表されたSCEJプレスカンファレンスをTwitterで実況

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ソニー・コンピュータエンタテインメントのプレジデント,河野 弘氏
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 ここで,今回のカンファレンスの進行役を務める,SCEのプレジデント,河野 弘氏が再び登場し,小野氏が自身のブログで「ストリートファイター×鉄拳」で「どのキャラを出してほしいか」という投票を行っていたことに触れた。そして,「これはSCEの組織票ではありません」とジョークを飛ばしながら,SCEの人気キャラクター“トロ”が断トツの票を集めていたことを語った。
 それに対して小野氏は「先ほどからコミュニティ,コミュニティと言っていたので,コミュニティを無視することはできない」と述べ,「ストリートファイター×鉄拳」に,トロとクロが緊急参戦することを発表した。河野氏は「これ,トロ大丈夫ですかね」と笑い,小野氏は「僕が聞きたいですよ」と返していた。

スクウェア・エニックスの橋本真司氏
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 小野氏に続いて,スクウェア・エニックスの橋本真司氏が登場し,新作2本を発表した。1本目はアクションRPGの「ロード オブ アポカリプス」で,ダークな世界観や,それを演出するアニメタッチのムービー,洗練された爽快なアクション,充実したヤリ込み要素,そして最大4で楽しめるマルチプレイなどが特徴となるとのこと。ロード オブ アポカリプスはPS Vitaに加え,PSPでの発売も予定しており,こちらの発売日もPS Vita本体と同日(12月17日)となる。

 2本目は「地獄の軍団 Army Corps Hell」。100体ものゴブリン軍団を従え,地獄の覇権を取り戻すべく強力な魔神を倒していくというアクションRPGだ。地獄を表現した強烈なビジュアルや,手に汗握るアクション,自由度の高いカスタマイズが楽しめるという。発売日は,ロード オブ アポカリプスと同じ,12月17日を予定している。

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 さらに橋本氏は,「FINAL FANTASY 零式」「FINAL FANTASY XIII-2」を簡単に紹介し,「ファイナルファンタジーシリーズは世界累計1億本を超える,スクウェア・エニックスを代表するフランチャイズです」と語った。そして,「PlayStationについては,長い歴史を共に歩んできました。そのうち,発売されて以来,今年で10年を迎えるタイトルがあります。それを記念して,その作品を再度皆様にお届けしたいと思います」述べ,「ファイナルファンタジーX」のHD版をPS3とPS Vitaで発売することを明らかにした。

 橋本氏は,FFXのHDリメイクを望む声は非常に多く,その声に応えるべく発売を決めたと語り,最後に,「底知れない性能を持つPlayStation 3とVitaで,あの感動をさらに美しく,さらに綺麗に皆様の元にお届けしたいと思っております」とコメントしてプレゼンテーションを締めくくった。
 ただし,開発はまだ始まったばかりであるため,ゲーム映像などは見られなかった。今後の発表に期待したい。

コナミデジタルエンタテイメントの小島“監督”
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 続いて,コナミデジタルエンタテイメントの小島秀夫氏が登壇。
 小島氏は,2011年1月に行われた「PlayStation Meeting 2011」で語った“トランスファリング”構想(関連記事)を改めて述べた。これは,セーブデータに互換性があり,一つのゲームを携帯機でも据置き機でもプレイできるというものだ。今回,小島氏はそれをさらに進め,トランスファリングには3つのステップがあるとした。最初は,PSPのゲームをトランスファリングすること。対応タイトルは「メタルギアソリッド ピースウォーカー HDエディション」(2011年11月発売予定)で,PSP版「メタルギアソリッド ピースウォーカー」とセーブデータの互換性がある。
 二つめは,PlayStation 2のゲームをトランスファリングすることだ。これに対応しているのが,PS3版「メタルギアソリッド2&3HDエディション」(2011年11月発売予定)で,同作のPS Vita版のリリース(2012年発売予定)が発表された。
 ステップ2のトランスファリング作品はこれだけではなく,「ZONE OF THE ENDERS HD EDITION」でも,発売予定のPS Vita版との互換性が取られることを明らかにした。
 だが小島氏は,「本来トランスファイリングで目指しているのはステップ3です」と述べる。つまり,PS3版とPS Vita版を同時開発して,そのデータを共有することが,小島氏の理想とするトランスファリングというわけだ。

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 ここで,小島プロダクションが開発した次世代ゲームエンジン「FOX ENGINE」を使用して制作されるオリジナルタイトルの存在が明かされた。新作の詳細は語られず,また自らの肝いりで制作するタイトルであるため時間がかかるとしながら,「できるだけ早めに情報を出していきたい」という。最後に小島監督は,PS Vitaの感触について,「Vitaはコアなゲームが遊べる,今ある唯一の携帯機だと思います」とコメントした。

ソニー・コンピュータエンタテイメントの山本正美氏
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 続いては,ソニー・コンピュータエンタテイメント JAPANスタジオ エクスターナルデベロップメント部 部長の山本正美氏が登壇。PS Vita版「みんなのGOLF6」のオンライン機能について紹介し,「Vitaが持つネットワーク機能により,これまでの『みんなのGOLF』が持つ面白さに加え,新しい遊びを提案する」と語る。
  さらに,JAPANスタジオが制作中の,ネットワークを使ったタイトルが紹介された。最初は「勇者のきろく(仮)」で,過去にPSP向けに発売されたRPG「勇者のくせになまいきだ」が,RPGをメタ化したのに対し,本作は“日常生活”をメタ化したという。と,何やらよく分からないが,日々の予定を管理し,するべきことをしたら,モンスターが現れたり,キャラクターが成長したりするらしい。

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 次は「みんなといっしょ」。こちらは「どこでもいっしょ」と同じ世界観を持つ作品で,PS Vitaのネットワーク機能を使って,プレイヤーのコミュニケーションを図っていくというもの。「フレンド100人できるかな」をキーワードに,フレンドを簡単に楽しく増やしていけるのが特徴だ。フレンドが増えるたびに,新しい遊びもどんどん増えていく。フレンドとのつながりによって,遊びが広がっていくというコンセプトだ。

 ここで,ゲームソフトに関する発表は一区切り,河野氏に招かれ続いて登壇したのは,ニワンゴ代表取締役の杉本誠司氏。杉本氏は「ニコニコ動画」がPS Vitaに対応することを発表し,そのメリットについて「ニコニコ動画のユーザーと,ゲームユーザーの親和性の高さ」と「PlayStation Vitaとの相性の良さ」の二つが挙げられた。もちろん,PS Vitaには,3GやWi-Fi,カメラなど,多数の機能が充実していることも大きなアドバンテージなのだという。

ニワンゴ代表取締役の杉本誠司氏(
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PlayStation Vita上で,ニコニコ動画が閲覧できる
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 今後の展開としては,まず2011年12月に,PlayStation Storeにて,アプリ「ニコニコ」をリリース。この時点では視聴しかできないが,2012年春頃には,PS Vitaのカメラ機能を使って動画の撮影,投稿を行ったり,ニコニコ生放送を利用することも可能になるという。今後,PS Vitaの機能をふんだんに利用したサービスを積極的に展開し,ゲームタイトルと連携したサービスなども行っていきたいとした。
 最後に杉本氏は,「PlayStation Vitaをプレイしながら,そのゲームを実況生放送して,それを見ている人達とコミュニケーションを取るという,まったく新しい体験を提供していきたい」という未来像を語り,このプレゼンテーションを締めくくった。

 杉本氏がステージを降り,再び一人になった河野氏は,ここでPS Vitaのローンチタイトル26タイトル,そして現在開発中の74タイトルを一挙に紹介した。詳細については「こちら」の記事でお伝えしているので,チェックしてほしい。

 次いで,PS VitaとPSPの互換性についての説明が行われた。河野氏によると,2011年12月17日のPS Vitaのローンチの時点で,PlayStation Storeからダウンロード可能なPSP向けタイトルの数は約600と想定される。河野氏は,それらのタイトルのほとんどがPS Vitaでプレイ可能だという。

 もちろん,PS VitaにUMDスロットはないため,PSPのゲームをそのままプレイすることはできない。しかし現在,PSPのタイトルをPS Vitaで遊びたい要望に応えるためのプログラムを開発中であり,それをいずれリーズナブルな価格で提供する予定とのこと。こちらに関しては,今後情報が公開されていく予定だ。

 順番が前後して申し訳ないが,会場ではVitaの通信料金プランも発表されている。それについては「こちら」に詳しく書かれているので参考にしてほしい。

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 というわけで,長く,しかし充実したカンファレンスも終わりを迎える。最後に河野氏から,PS Vitaの予約が2011年10月15日にスタートすること,これまでなかったほどバリエーション豊かな周辺機器が用意されていること,そして,9月15日に始まる東京ゲームショウ2011(一般公開は,17日,18日)では,実に80台の試遊機が用意され,31タイトルがプレイできることなどが発表された。また,2011年11月から全国5都市で,PS Vitaの全国試遊キャラバンも行われる予定だ。
 最後に河野氏は,「コアでもカジュアルでも,プレイヤーのすべての要求を満たす。PlayStation Vitaはそんな存在になり得ると思っています。我々は,お客様に常に最高のエンターテイメントシステムを提供していく,その志だけは変えずに,さらに新しいことにチャレンジしていきたいと思っています」と挨拶して,発表会を締めくくった。
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