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「SimCity」のプレイアブル展示も行われた「EA Asia Showcase 2012」をレポート。SimCityの面白さは,ほかのプレイヤーとの協力にあり
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印刷2012/12/12 00:00

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「SimCity」のプレイアブル展示も行われた「EA Asia Showcase 2012」をレポート。SimCityの面白さは,ほかのプレイヤーとの協力にあり

画像集#002のサムネイル/「SimCity」のプレイアブル展示も行われた「EA Asia Showcase 2012」をレポート。SimCityの面白さは,ほかのプレイヤーとの協力にあり
会場となったLuxa Hallは,比較的こぢんまりとした建物だった
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試遊の様子。残念ながら,画面の撮影は禁止された
 Electronic Artsは現地時間の2012年12月11日,オーストラリア・シドニーで「EA Asia Showcase 2012」を開催した。これは,同社が2013年第1四半期のリリースを予定しているタイトルをメディア向けに公開するというイベントで,「SimCity」のほか,「Crysis 3」「Dead Space 3」「Fuse」「Army of TWO The Devil's Cartel」といった作品が紹介された。地元オーストラリアを始めとして,日本やシンガポール,台湾,南アフリカなど各国のメディアが集まった会場では,各タイトルのプレゼンテーションに続き,試遊が行われた。

 欧米は現在,ショッピングシーズンのまっただ中で,このタイミングで来年の話をするのはちょっと気が早い気もするが,2〜3か月後に控えたリリースに向けて最後のワンプッシュをしようということだ。上記のように,取り上げられたタイトルはすべて発表済みのものであり,新味にはやや欠けるが,いずれも注目作品であることは間違いないだろう。ここでは,第一報としてSimCityを取り上げてみたい。

掲載したのは,新たに公開された3点のスクリーンショット
画像集#004のサムネイル/「SimCity」のプレイアブル展示も行われた「EA Asia Showcase 2012」をレポート。SimCityの面白さは,ほかのプレイヤーとの協力にあり

「シムシティ」公式サイト

超期待作「SimCity」プロデューサーインタビュー。“マルチプレイ必須”だが一人静かに都市作りも可能。他人の都市へ“攻撃”はできるのか?


 SimCityのメディア向けプレゼンテーションを行ったのは,開発元のMAXISで本作のプロデューサーを務める,Jason Haber氏で,SimCityが本作のために開発されたゲームエンジン「Glass Box」関連記事)を使用したリアルな都市建設シミュレーションであり,1989年に発売されたオリジナル版と同じタイトルを使ったシリーズ最新作であることなど,作品の概要が述べられた。続けてプレゼンテーション用に制作されたムービーを使って説明が行われた。

画像集#007のサムネイル/「SimCity」のプレイアブル展示も行われた「EA Asia Showcase 2012」をレポート。SimCityの面白さは,ほかのプレイヤーとの協力にあり
 「Multi City Play」と題されたムービーは,タイトルどおり,SimCityのマルチプレイを説明するもの。最初に出てきたのは山あり谷あり川ありの広大なフィールドで,これが「リージョン」となる。リージョンにはあらかじめ決まった四角いエリアがあり,プレイヤーはそこに都市を建設することが可能だ。川沿いだったり,平野の真ん中だったりと,最大16のエリアが用意されており,それぞれに地下資源など,状況が異なっている。

 16という数字は最終的なものではない可能性もあるとのことだが,ともあれHaber氏は,川沿いの都市をまず紹介した。ここはまあ,典型的なシムシティの都市で,住宅地あり,商業地区あり,工業地帯ありというバランス型だった。新しいフィーチャーとしては,道路を走る車をクリックすると,乗っているのが誰で,例えば仕事を探しているなど,どのような目的で車を走らせているのかが分かる。すべての住民に名前や目的が用意されているのだから,これはかなり面白い。
 プレイヤーは,これらの住民一人一人を幸せにすることを目標に都市建設を進めることになる。例えば,仕事を探している人には商業地域などを作って,仕事を確保するというアンバイだ。人々がリッチになっていくと,最初は平屋で小さかった住宅地の家々が,どんどん大きくなっていく。

画像集#005のサムネイル/「SimCity」のプレイアブル展示も行われた「EA Asia Showcase 2012」をレポート。SimCityの面白さは,ほかのプレイヤーとの協力にあり

 つづいてHaber氏が説明したのは,山の上の街だ。麓へ向かって,なにかの冗談みたいに入り組んだ複雑な道路が続いているが,この街の特徴はMass transitだ。日本語に訳すと「大量輸送」ということになりそうだが,その名のとおり山の上にはちょっとした空港があり,さらには大きな駅やバスターミナルなどが建っているという具合だ。さて,こんな街を作って何かいいことがあるのかといえば,ここのおかげで,リージョン全体の人や物の輸送能力が向上するという。
 電力などの供給はほかの街に頼るわけだが,この街から観光客や労働者がほかの街にたくさん送り出されることになるそうだ。

 やってきた観光客がどこに向かうのかといえば,歓楽街だろう。Haber氏は次に,カジノやスタジアムの建ち並ぶ,ラスベガスのような街を紹介した。多くの観光客でごったがえすこの街もまた,エネルギーや工業製品をよそに頼っているのだが,たくさんのお金が集まることでビッグビジネスが可能になり,リージョン全体の経済力を向上させるのだ。


 ただし,光あるところに影あり。犯罪の発生率も高くなり,その影響はよその街にも及ぶという。このように,リージョン内のいくつもの街を成長させていくことがSimCityの大きな目的だ。
 詳しいシステムがはっきりしないのだが,どうやら本作にシングルプレイは用意されず,オンラインでほかのプレイヤーと一緒に遊ぶことが基本になる模様。世の中に完全に独立した街は存在せず,お互いに協力し合っている。これを再現するのがSimCityのゲームデザインであり,例えば大きな国際空港など,いくつもの街が協力して建設したほうが早く済むオブジェクトなども用意されている。

 さらに重要なのは災害だ。街作りに行き詰まり,えーい,やり直しだ,というときに災害を発生させることができるが,それ以外にもランダムに隕石が落ちたり,竜巻が発生したりと,SimCityではいろいろなことが起きる。一つの街が災害にあったとき,プレイヤーが協力し合って復興を助けることが,ゲームデザイン上で大切な要素になっているという。一人で一からやり直すのではなく,ほかのプレイヤーの協力によって復興を進めていくことができるわけだ。

 とはいえ個人的には,世の中そうそう協力的なプレイヤーばかりなのだろうか,という点がちょっと気になる。ほかの街に悪影響がおよぶことを気にせず,娯楽の街の発展を図るプレイヤーもいるだろうし,予算のかかる除染施設やリサイクル施設を考えずに工業都市を広げ続ければ,公害の影響が近隣都市におよぶかもしれない。
 とかなんとか,そのあたりについては,プロデューサーインタビューが用意されているので,そこで詳しく聞いてみたい。開発途中であり,デザイン変更もあるだろうし,プロモーションの都合で伝えられないこともあるかもしれないが,とりあえずお楽しみに。

画像集#006のサムネイル/「SimCity」のプレイアブル展示も行われた「EA Asia Showcase 2012」をレポート。SimCityの面白さは,ほかのプレイヤーとの協力にあり

 以上でプレゼンテーションは終了だが,続けてちょっと,その後に行われた試遊について紹介したい。個人的には残念なことだったが,試遊版は2012年8月16日に掲載したGamescom版と同じで,詳しくはそちらの記事を参照してほしいが,ビルドは進んでいるようだ。今だから言うと,Gamescomでは動作がまだ不安定だったらしく,ソフトがクラッシュする人が少なくなかったのだが,今回はさすがにそのようなことはなかった。

 Gamescomでプレイしていたこともあって,チュートリアルをスキップして,勝手に街作りを楽しもうとしたのだが,かなりの施設にロックがかかっていて使用不能。それでも,道路を縦横に引いたり,警察署や病院を建てたりと,チュートリアルにはなかったことを行えた。いろいろやったところで,結局,時間が来ると隕石が落ちてデモ版終了という流れなのだが,時間の許す限り何度でもプレイできた。
 発電所を建てれば,電気の流れが可視化され,水道施設を建てれば水の流れが見えるという具合に,グラフィックスは分かりやすく,操作は非常に簡単だ。ああすればこうなるだろうという予想も立てやすく,その反応を見るのも面白い。とはいえ,工業地帯のスモッグを軽減する手段はよく分からなかったり,あれをしてくれこれをしてくれという住民の要望にも十分応えられなかった。ともあれ,我を忘れて遊んでしまう中毒性があるのは間違いないので,これがマルチプレイでどうなるのかが非常に興味深い。

 なお,以前お伝えしたように,日本での「シムシティ」の発売日は,2013年3月7日が予定されている。

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超期待作「SimCity」プロデューサーインタビュー。“マルチプレイ必須”だが一人静かに都市作りも可能。他人の都市へ“攻撃”はできるのか?

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