カプコンは2013年4月2日,同社の新たな企画
「キッズプロジェクト」の発表会を,東京都内で開催した。
既報のとおり,同発表会では,2013年冬に発売されるニンテンドー3DS用ソフト
「ガイストクラッシャー」の概要が公開されたほか,アニメ/マンガ/玩具などのクロスメディア展開についてのアナウンスがなされた。ここでは,発表会の模様をもう少し詳しくお伝えしよう。
カプコン5年振りの本格的なキッズプロジェクト
テレビアニメ/マンガ/玩具などのクロスメディア展開も予定
カプコン取締役専務執行役員 一井克彦氏
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発表会で最初に登壇した,カプコン取締役専務執行役員
一井克彦氏によれば,今回同社は約5年振りに本格的なキッズ向けプロジェクトに取り組むこととなり,本作には同社がこれまでに培ったアクションゲームのノウハウを投入するという。企画開発にあたっては,キッズだけでなく,その親御さんも一緒に楽しめるような内容を目指すとし,カプコンが創業30周年を迎える2013年に,このプロジェクトをスタートできることの喜びを述べていた。
 カプコン CS開発統括 副統括 小林裕幸氏 |
次に登壇したカプコンCS開発統括 副統括
小林裕幸氏は,「ガイストクラッシャー」のプロジェクトがさまざまなパートナー企業の賛同を得て,非常に大きな取り組みになったと語る。そして本作において,テレビアニメ/マンガ/玩具などのクロスメディア展開を予定していることを明らかにした。
武具「ガイストギア」を装備した少年達の熱いバトル
100種類以上登場するガイストギアのコレクションが最大の魅力
 「ガイストクラッシャー」プロデューサー 野中大三氏 |
「ガイストクラッシャー」そのものの概要は,同タイトルのプロデューサーを務めるカプコンの
野中大三氏からなされた。
本作は,巨大な金属生命体
「ガイスト」と,
「ガイストギア」と呼ばれる武具を装備した少年達の熱いバトルを描いた内容になるという。少年達は,ガイストを討伐すると入手できる
「ガイメタル」を,
「ガイフォン」というアイテムにセットしてガイストギアを作り,身にまとって戦う。
ガイストギアは,バランス型の格闘タイプ
「メイルフォーム」と,攻撃特化の武器タイプ
「ウェポンフォーム」の2形態に変形するのだが,両者の使い分けがゲーム攻略の鍵になるとのことだ。
なお,ガイストギアはゲーム中に
100種類以上登場し,そのコレクションがゲームプレイの最大の魅力となる。また,ガイストギアに紐付くガイストも同じ数だけ登場するため,多彩なガイスト達を相手にさまざまなボスバトルが堪能できるというわけである。
野中氏の説明を踏まえ,小林氏は,カプコンの培ってきたアクション性とコミュニケーション性を盛り込んだだけでなく,
「武装」「変形」「収集」というキッズの好きな3大要素を凝縮したとまとめる。通信プレイに協力と対戦の両方が用意されているのも,子供達のゲームの遊び方を考慮したものだろう。
続いて野中氏は,レッカ,ハヤト,クラマ,シレン,イズナといった主要キャラクターを中心に,本作の登場キャラクターを紹介した。
主人公のレッカは,炎属性で狼型のガイストギア「フレイム・フェンリル」を身にまとう熱血漢。実家は弁当屋を営んでいるという設定で,決めゼリフは
「ご飯大盛り! 元気特盛り!」である(ご飯が大好きな大食漢なのだ)。
ハヤトは風属性で鳥型の「ウインド・ガルーダ」を身にまとう,頭脳プレイが得意な知性派。しかし,
「キミ,ゴールデンだね」という決めゼリフからも分かるとおり,少しズレたところもあるという。
クラマは,地属性でヤマタノオロチを思わせる形の「ガイア・オロチ」を身にまとう,対ガイスト忍者組織「真鍋一門」の末裔という忍者。ただし,言葉づかいなどは普通の少年である。
シレンは,氷属性/一角獣型の「ブリザード・ユニコーン」を身にまとう,極寒の地「アイスガルド」で単独任務に就いているガイストクラッシャー。野中氏いわく,シレンは性格から属性に至るまで,すべてがクールに仕上がったキャラとのことである。
イズナは,雷属性/竜型の「ライトニング・ドラグーン」を身にまとって戦う。レッカ達の敵として登場する謎のガイストクラッシャーであるという。
そのほか,レッカ達が所属する組織「ガイストクラッシャーギャリソン」(GCG)のメンバーとして,総責任者 ボルカン所長,ガイストの研究を手がけるルミネラ博士,レッカ達を率いるバナ隊長,オペレーターの3人娘など,いずれも魅力的なキャラクターが登場するようだ。
野中氏によれば,ゲーム本編とは別に用意される
「ガイメタル」や
「ガイフォンカバー」といった玩具をニンテンドー3DS本体にセットすることで,新しいゲームデータがインストールされ,レアなガイストギアが入手できるようになったりするという。野中氏の説明をまとめ,小林氏はあらためて
「カプコンの新たなチャレンジに期待してください」と述べていた。
野中氏により,「ガイメタル」と「ガイフォンカバー」を,ニンテンドー3DS本体にセットする様子も披露された
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アニメ/玩具,マンガなどによるクロスメディア展開の詳細
宣伝隊長 吉沢 亮さん,スペシャルゲスト 佐々木健介さんファミリーも登場
発表会の後半では,「ガイストクラッシャー」のクロスメディア展開を手がけるパートナー企業の代表者がそれぞれ本作にかける意気込みを語った。
 ぴえろ代表取締役社長 本間道幸氏 |
まず,「ガイストクラッシャー」のテレビアニメおよびゲーム内のアニメシーンを手がけるのは,数々のテレビ/劇場アニメやOVAなどを手がけてきた
ぴえろである。ぴえろの代表取締役社長
本間道幸氏は,ゲームコンテンツから派生するテレビアニメの制作ということで,とくにオリジナル要素も含めたストーリー作りに注力していると話していた。個性的でありつつも分かりやすく魅力的なキャラクター達の友情や葛藤,涙,努力,感動などを厚く描くことで,ストーリーの大きな流れを面白く構成していきたいのだという。
またアニメにおけるバトルシーンやアクションシーンの表現は,スタジオぴえろの得意とするところであるとし,テレビアニメとして優れたものを提供したいと本間氏は語る。さらに氏は,テレビアニメを通じてファンの裾野を広げ,世界中のゲームファン/アニメファンにアピールできるプロジェクトにしたいとしていた。
エイベックス・エンタテインメント 執行役員 映像事業本部長 齊藤 淳氏
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エイベックス・エンタテインメント 執行役員 映像事業本部長
齊藤 淳氏は,「ガイストクラッシャー」のテーマソング制作について,
「勝ちパターンの布陣を用意しました」とコメントし,作詞に
藤林聖子氏,作曲に
田中公平氏,ボーカルに
きただにひろしさんを起用したことを発表。会場では,きただにさんから寄せられた
「子供達が大人になっても心に残るようなアニメのテーマソングとして,最高の作品になることを約束します」という熱いメッセージが読み上げられた。
 バンダイ 常務取締役 川口 勝氏 |
バンダイの常務取締役
川口 勝氏は,カプコンから「ガイストクラッシャー」の玩具企画を提案されたとき,新しい遊びの提供に共感したという。川口氏は,野中氏が紹介したガイメタルおよびガイフォンカバーをあらためて紹介すると共に,プロジェクトを盛り上げるべく多数の商品を用意していることを明らかにし,後日の発表に期待してほしいと述べていた。
集英社の最強ジャンプおよびVジャンプ編集長 伊能昭夫氏
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集英社の最強ジャンプおよびVジャンプ編集長
伊能昭夫氏は,両誌の2013年4月発売号からマンガ版「ガイストクラッシャー」の連載がスタートすることを紹介した(
関連記事)。伊能氏は,少子化などの影響により,キッズ向けの新しい取り組みを打ち出しにくいと昨今の状況を説明。しかし人間形成において,幼い頃から良質なコンテンツに触れることは重要であるとし,「ガイストクラッシャー」をそうしたコンテンツを提供するプロジェクトにしていきたいと意気込みを語る。
なお「ガイストクラッシャー」のクロスメディア展開は,今回発表された4社に留まらず,アパレル,菓子,食品,外食,雑貨,ステーショナリーと,幅広く展開していくとのことだ。
発表会の終盤には,「ガイストクラッシャー」の宣伝隊長に起用された俳優/タレントの
吉沢 亮さんと,スペシャルゲストとして
佐々木健介さんファミリーが登場。
GCGの衣装を身にまとった吉沢さんは,剣道やアクションシーンの演技が得意とのことで,それをアクションゲームである「ガイストクラッシャー」のプロモーションにも生かしたいと話す。ゲームを遊ぶのが大好だという吉沢さんは,すでに同タイトルの開発バージョンも触っているのだという。吉沢さんは「小学6年生の弟と一緒に盛り上がりたい」と期待を述べていた。
 「ガイストクラッシャー」宣伝隊長 吉沢 亮さん |
会場にはレッカとバナ隊長の着ぐるみも登場。今後「ガイストクラッシャー」のプロモーションで,さまざまなところに姿を見せることだろう
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プロレスラー/タレントの佐々木健介さんは,息子の健之介くん,誠之介くんと共に登場。
スペシャルゲストとして登場した佐々木健介さんファミリー。「ガイストクラッシャー」が家族で楽しめるゲームであることをアピールした
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佐々木家族はみんなゲームを遊ぶ機会が多いとのことで,会場の控え室では親子一緒に「ガイストクラッシャー」の開発バージョンをプレイしていたという。最初は佐々木さんが有利にゲームを進めていたものの,プレイ回数が増えるたびに健之介くんと誠之介君がどんどん強くなっていったそうだ。なお登場キャラクターの中では,誠之介くんはシレンが,健之介くんはハヤトがお気に入りとのこと。一方,佐々木さんは,自宅でなかなかメインを張れないことを理由に,主人公を務めるレッカに憧れると話す。
そうした佐々木ファミリーの言葉を受けた小林氏は,あらためて
「ぜひファミリーで遊んでいただきたいです」と来場者にアピールしていた。