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名作たちに匹敵する完成度。スマートフォン向けアクションRPG「フェアルーン」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第232回
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印刷2013/04/20 10:00

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名作たちに匹敵する完成度。スマートフォン向けアクションRPG「フェアルーン」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第232回

画像集#011のサムネイル/名作たちに匹敵する完成度。スマートフォン向けアクションRPG「フェアルーン」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第232回

スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。

 「ハイドライド」「イース」「ゼルダの伝説」「聖剣伝説」……。4Gamer読者なら“名作”とうたわれたこれらのアクションRPGをプレイした人も多いのではないだろうか。本日の「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」で紹介する「フェアルーン」iOS / Android)は,そんな名作たちを思い起こさせる,非常に完成度の高いアクションRPGだ。

このクオリティながらiOS版,Android版ともに無料なので,気軽にプレイしてもらいたい
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「フェアルーン」ダウンロードページ(App Store)

「フェアルーン」ダウンロードページ(Google Play)


 物語の舞台は,幻想の国「フェアルーン」。平穏なこの国にある日,異変が訪れる。それは,闇の魔王を封印する「妖精像」が忽然と姿を消したというもの。魔王の封印が解け,魔物たちがはびこる世界となったフェアルーンの平和を取り戻すべく,一人の少女が勇者となって立ち上がる。プレイヤーはその勇者となって,知恵と勇気を駆使し,魔王の打倒を目指すのだ。

 実に王道な物語展開から幕を開ける本作だが,昨今のRPGにありがちな“次にどこへ行けばいいか”という道標のようなものは一切登場しない。最初にちょっとした解説は挟まれるものの,入手したアイテムの使い道を教えてくれる相棒も,解説的なノリで目的や物語を説明してくれるガイド役もいないのだ。
 そのため,次に何をするべきかは,すべてプレイヤーが判断するしかない。細かい操作方法や設定をしっかりと解説してくれる最近のゲームとは正反対だけに,この辺りは好き嫌いが出るかもしれない。だが,本作はの魅力は,正解にたどり着くまでの過程をあれこれと悩んだり,楽しんだりすることにあるのだ。

ドット絵が美しいゲームグラフィックス。BGMやSEも,1980年代のレトロゲームを意識しているようだ
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 大層なことを言ってしまったが,本作の基本操作は「移動」「セーブ」「アイテムを使う」の3つだけというシンプルなもの。
 敵との戦闘は「イース」風の「体当たり」で行われる。基本的に一度の体当たりだけで敵を倒せて,このとき主人公もダメージを受けるのだが,このダメージは,自分と敵のLVによって判定されるのだ。

 たとえば,自分と敵が同じLVの場合,敵を倒すたびに主人公は1のダメージを受ける。敵のLVが自分より1高い場合,倒したときのダメージは増加。また,敵のLVが自分より2以上高いと,体当たりしてもダメージを負うだけで倒せないというものになっている。逆に自分より敵のLVが低ければ,無傷で敵を倒せるのだ。
 このため,ときには「敵に接触しないようマップをすり抜ける」といった戦術も必要になってくる。この緊張感がなかなか心地いいのだ。
 ちなみにゲームオーバーになると,毎回固定の復活地点まで戻って再スタートとなる。

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基本は自分と同LV,もしくは+1LVの敵との戦闘が理想。敵を倒すたびに経験値が入手でき,一定値になればLVアップ
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敵より1つでもLVが高ければ,完全に無傷の状態で勝利できる。ただし,自分より低いLVの敵を倒しても経験値は入手できない

 マップはすべて画面切り替えスクロールとなっており,上下左右に進める場所がある場合,画面の端まで移動すると隣のマップが表示され,これを繰り返して進んでいくことになる。出現する敵はマップを越えて移動してくることはないので,危ないと感じたらすぐに別のマップへ逃げるといい。なお,敵は一度倒しても,別マップへ移動してから戻ると復活する。経験値を稼ぎたいときは活用するといい。

 ある程度探索を進めると,ほかに行く場所がないという状況になってくるはず。そうなってもあきらめず,隠し通路を発見したり,怪しい場所でアイテムを使用してみたりするなど,さまざまな視点で探索をしてみるといいだろう。
 意味ありげなオブジェクトや地形には何かが隠されているはずなので,手持ちのアイテムと知恵を総動員し,謎解きに挑もう。このフィールドに隠された謎を解くという行為こそが,本作の面白さだ。

画像集#007のサムネイル/名作たちに匹敵する完成度。スマートフォン向けアクションRPG「フェアルーン」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第232回
「ふしぎなくさ」が生えているところで「マナのかけら」を使用すると,HPが全回復。HPの回復にはこの方法しかないので,ふしぎなくさを拠点にするのが定石だ
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なんでもなさそうな場所でも,よく目を懲らすと何かに気付くことがある。とにかく手当たり次第,いろいろなところを試そう

 アイテムはいずれも何らかの使い道があるので,まだ使っていないものがあったら,それを意識しておくといい。ゲーム中は文字によるヒントが一切出ないので,一度詰まるとなかなか抜け出せないが,「ここはもう何もないはず」などと思い込まず,忍耐強く探索を続けよう。

アイテムの数は豊富。ちなみに「はじまりのしょ」を使えば,今オススメ(自分と同じLV)の敵情報を教えてくれる
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 ライトながらファンタジー色の強い世界観とシンプルなゲームシステム,鮮やかなドットグラフィックス,そしてこちらの閃きが試される多くの謎解きと,スマートフォンのゲームながらしっかりとした作りだ。
 謎解きの難度はそれなりに高いが,解いたときの達成感はまさに極上。ボリューム自体はそれほど大きいわけではないのだが,前述したように謎解きでウロウロする時間が多いため,どっしり腰を据えて挑戦することをオススメしたい。また,隠しアイテムやレアモンスターといったやり込み要素や,クリアタイムアタックという2週目以降のオマケ要素も存在するので。腕に自信がある人はどうぞ。

 完全に私見なうえ,まだ今年も1/3しか経っていない状況で恐縮だが,自分の中では本作が今年のベストゲームに鎮座している。スマートフォンでじっくりゲームがしたい方,アクションRPGが好きな方,そして冒頭の名作たちを繰り返し遊び倒したという方には,胸を張ってオススメできる傑作だ。

著者紹介:トリスター/目代将規
 ゲームやアニメの書籍企画,編集,シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや,一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”好き。

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