インタビュー
「東京新世録 オペレーションアビス」は「ジェネレーション エクス」をどのようにリメイクしたのか,エクスペリエンスの千頭&安宅両氏に聞いた
本作はこれまで,エクスペリエンスが手がけた「迷宮クロスブラッド インフィニティ」などにも登場する架空の都市・東京都日輪区を舞台に,特務隊「エクス」の戦いが描かれ,御舟アリスや日々野規子といった共通のキャラクターも登場する……という紹介がなされてきた。
しかし,熱心なエクスペリエンスのファンは,さまざまな情報を総合して,この「オペレーションアビス」が,同社のPCゲーム「ジェネレーション エクス」シリーズのリメイク版であると予想していたかもしれない。その予想は当たっていたのだが,「オペレーションアビス」では新規プレイヤーはもちろん,旧作のプレイヤーでも楽しめるよう,随所に大幅なリメイクが施されている。
今回,4Gamerでは,往年のシリーズをいかにリメイクしたのか,プロデューサーを務めるエクスペリエンスの千頭 元氏と,ディレクターの安宅元也氏に聞いてみた。
「東京新世録 オペレーションアビス」公式サイト
「ジェネレーション エクス」を知らない人に向け
時代に合わせたリメイクを
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。大前提として最初に確認しておきたいのですが,「オペレーションアビス」は,「ジェネレーション エクス」の1作目「コードハザード」と2作目「コードブレイカー」のリメイク版という認識で話を進めていいんでしょうか?
そのとおりです。「ジェネレーション エクス」の1作目は2008年に発売されていますが,コンシューマ版のリリースは今回が初めてなので,最初は新しいプレイヤー層にもアピールするためにリメイク版ということを大きくは謳ってこなかったんですよ。もちろん,発売までにリメイクであることは発表する予定でしたが,それがこのタイミングになったというわけです。
安宅元也氏(以下,安宅氏):
そういう意味では,今回,これまでのシリーズを知らない人に向けて企画開発したという側面が強いので,エクスペリエンス特有のマニアックな部分を求めるコアなファンの方にとって「ちょっと違う」という部分があるかもしれませんね。
4Gamer:
時系列としては,「迷宮クロスブラッド」よりも前のストーリーになるんですよね。
安宅氏:
ええ,「ジェネレーション エクス」の3部作がそれぞれ同じ年の春,夏,冬の話で,「迷宮クロスブラッド」はその翌年の話になります。
4Gamer:
つまり,コンシューマ版で「迷宮クロスブラッド」を知った人からすると,「オペレーションアビス」ではおなじみのキャラの過去のエピソードが描かれていると。
千頭氏:
そうですね。「迷宮クロスブラッド」から入った方は,ちょっと置いてけぼりになっていた部分があったかもしれませんが,そこがハッキリするはずです。
「迷宮クロスブラッド」は「ジェネレーション エクス」の外伝的な位置付けですから,説明不足なところがあるんですよ。逆に「オペレーションアビス」をプレイしてから「迷宮クロスブラッド」をプレイすると,そういうところがよく分かると思います。
4Gamer:
リメイクされた部分では,グラフィックス面の大きな変化がまず目に留まりますね。
千頭氏:
「ジェネレーション エクス」は古いタイトルですから,もはや時代にそぐわない点もあります。しかし,ゲームの中身を大きく変えるわけにはいきません。そこでゲームとして最も支障なく変更できる部分として,グラフィックス面に大きく手を加えたわけです。
4Gamer:
今回はキャラクターデザインに「デモンゲイズ」のクロサワテツ氏を起用していますが,「ジェネレーション エクス」を踏襲しているデザインのキャラがいる一方,ガラッと変わってしまったキャラもいますね。たとえば,アリスはまるで別人のようです。
千頭氏:
そこは時代の流れに沿った変更です。やはり,当時と今ではプレイヤー層が異なりますから,PS Vitaのユーザー層や「デモンゲイズ」を遊んでくださった方に受け入れられやすいアレンジを施しました。
安宅氏:
こちらとしては,PC版よりもキャラの押し出しを強くしたいという意向がありました。たとえ同じキャラでも,見た目にインパクトがあったほうが,今の時代は“いいキャラ”として認識されやすいんじゃないかと。
4Gamer:
ただ,ずっとエクスペリエンスのゲームを遊んでいるファンからすると,イメージの固まっているキャラのデザインが変わって,違和感を覚えるかもしれませんね。
千頭氏:
もちろん,そういう方もいらっしゃるでしょう。しかし今回,私達は,新規タイトルをリリースするくらいの意気込みで開発に臨みました。そこでグラフィックスはガラッと変えてしまおうと。
また「ジェネレーション エクス」「迷宮クロスブラッド」と作を重ねるごとに,設定やゲームの中身をより良いものにしてきたうえでの今回のリメイクですから,以前はやりたくてもできなかったことを盛り込んだり,皆さんからのフィードバックを反映させたりもしています。
安宅氏:
まあ「デモンゲイズ」のキャラの反響が良かったので,今時はリアルに近い絵よりも,少し低めの頭身のほうが受け入れられやすいのかな? という算段があったのも事実です(笑)。
4Gamer:
東条拓磨なんかも,かなりデザインが変わってしまって。
千頭氏:
彼は見た目こそ少しソフトになりましたが,シリアスさや内面の尖っている部分は「ジェネレーション エクス」の頃と変わっていません。
4Gamer:
“ハチ”こと村 正八も漢気(おとこぎ)がだいぶアップしていますね……。
千頭氏:
ハチは,クロサワテツさんが「ジェネレーション エクス」を実際にプレイしたうえで,「こう変えたほうがいい」と。今回のキャラクターデザインの変更には,そういった絵描きさんの意向も取り入れています。ハチについては,11月19日に公式サイトに情報が掲載される予定なので,ぜひチェックしてください。
4Gamer:
ちなみに,コーエン先生はどうでしょう? 個人的にお気に入りなんですが。
安宅氏:
デザインは変わりましたが,より面白くなっていますよ。エセ外人風のボイスも含めて,出てくるたびに笑えます。寒い笑いがジョニー桜庭,面白い笑いはコーエンですね。
千頭氏:
本人は真面目にやっているんですけどね。
安宅氏:
でもやっぱり,今回見てほしいのは拓磨ですね。基本的に言っていることは変わっていないのですが,見た目が変わって声が入ると,こんなにも変わるものかと。劇的なビフォーアフターを感じていただけるんじゃないかと。
4Gamer:
キャラの見た目は,全般に年齢が下がった印象ですね。
安宅氏:
頭身が下がったからでしょうね。全体に可愛い感じになっています。
モンスターもキャラもそうですが,シリーズを遊んだことがある方に「同じゲームをもう一度やるのか」と思わせない,あるいは新しいプレイヤー層に広く受け入れてもらうためにはどうすればいいのかを考えた結果なんですよ。
基本となるゲームシステムは変更なし
キャラメイクは新旧2種類を用意
4Gamer:
それではゲームシステムについて教えてください。まずはキャラメイクですが,今回も誰か一人が主人公というわけではなく,パーティメンバーを一人ひとり自由にキャラメイクできるというシステムですか?
そうです。そういった基本的な部分は「ジェネレーション エクス」と同じです。
4Gamer:
一方で今回は,「デモンゲイズ」と同様に,キャラクターの容姿をあらかじめ用意されたイラストから選択する「ポートレートシステム」が採用されますよね。
安宅氏:
はい。それが「ベーシックモード」と呼ばれる基本的な遊び方です。そしてもう一つ用意している「クラシックモード」では,「迷宮クロスブラッド」と同じく,プレイヤーがアバターをカスタマイズできます。新しいグラフィックスに合わせて,新しい気分でゲームを楽しみたい方はベーシックモードを,これまでのシリーズの雰囲気を踏襲したいという方はクラシックモードを選んでいただけます。
4Gamer:
おお,ちゃんとアバターも用意されるんですね。クラシックモードを選んだ場合は,ステータス画面に現在の装備も反映されるんですか?
安宅氏:
ええ,そこは「迷宮クロスブラッド」を想像していただければいいかと。また戦闘画面のカットインでは,ベーシックモードでポートレートが表示される部分に,クラシックモードではアバターが表示されます。
4Gamer:
なるほど。ほかにキャラクターで重要な部分といえば,今回はシリーズ最初の2作のリメイクということで,あとの作品で追加されたスキルコードはどうなるのでしょう?
安宅氏:
今回,各職業とも「迷宮クロスブラッド」のスキルコードやスペルコードをそのまま実装しています。
4Gamer:
新規に追加したスキルコードやスペルコードはありますか?
安宅氏:
もちろん,ありますよ。
4Gamer:
それともう一つ,本作では「サブブラッドシステム」や「クロスブラッドシステム」がないんですよね。つまり「ブラッドコード」(職業)を一つしか持てない「シングルブラッド」になるわけですが,そうなると「迷宮クロスブラッド」を遊んだ人にとってはシンプルで物足りなくなりませんか?
確かにシステムとしてはシンプルになってしまうのですが,たとえば「デモンゲイズ」のように次々と新しいスキルが手に入ってすぐ飽和してしまうような方向とは違った楽しみ方ができるようまとめています。
また,そもそも「ジェネレーション エクス」は初めて遊ぶ人にとって,結構難しいゲームでしたから,ゲームバランスにかなり手を加えています。具体的にはデフォルトの難度を落とし,それでは物足りないという人が,いろんな方向から自分で難度を上げられるシステムにしています。
4Gamer:
分かりました。それではブラッドコードについて教えてください。これまでのシリーズと同じく全10種類ですか?
安宅氏:
はい。最初は8種類で,「コードハザード」にあたる部分で1職,「コードブレイカー」にあたる部分でもう1職追加されます。
4Gamer:
「シズラーコード」はどうでしょう?
安宅氏:
とある事情で,シズラー自体は入っていないのですが,シズラー固有のスキルはほかのブラッドコードに割り振っています。どこに何を割り振ったかは,プレイして確認していただければと。
4Gamer:
なるほど。ちなみに今回,「学術士」のブラッドコードのイラストが変更されていますよね。
千頭氏:
実は当時の学術士のイラストだけ,背景が入っていたんですよ。そこでほかのブラッドコードに合わせて,新しく描き直しました。
あとは今回,学術士を推していこうかと。
4Gamer:
ああ,そうなんですね。それには何か理由が?
千頭氏:
このゲームは学術士がパーティにいないと進みませんからね。普通,この手のゲームを初めて遊ぶ方は,戦闘で派手に活躍する職業を選びがちで,トラップ解除やアイテム鑑定を担当する学術士を軽視しがちなんですよ。しかし,それでは詰んでしまうので,オープニングなどで学術士を主人公っぽい位置に置き,かつイラストも格好いい男性や可愛い女の子にして,選ばれやすくしています。
安宅氏:
実際にプレイしてみても,学術士は格好いいですよ。「オレがこの隊を仕切っているんだ!」という気分になります。これまで,戦闘中に学術士が忙しいなんてことはなかったんですが,今回は結構出番があります.
4Gamer:
それは楽しみですね。
ちなみに今回は,お勧めパーティを提示する機能はありますか?
安宅氏:
デフォルトで,自動的にお勧めのパーティが編成されますが,それが嫌なら変更も可能です。
4Gamer:
プレイヤーキャラクターは最大何人作成できるんでしょうか。
安宅氏:
最大24人です。とくに制限があるわけではないので,探索に応じて必要なキャラクターを入れ替えながらゲームを進行することになるでしょう。
4Gamer:
パーティがダンジョン内で全滅した場合にはどうなるのでしょう?
安宅氏:
ゲーム内通貨を使ってラボに回収依頼を出すか,セーブポイントからやり直すかですね。たとえば「Wizardry」シリーズのように,別のパーティを派遣して救出するといった形ではありません。正直,それは今の時代には分かりにくい仕様ですからね。
現代のダンジョンRPGとして遊びやすく
かつ上級者も楽しめる要素を投入
4Gamer:
それでは,そのほかリメイクに当たって変更した点などを教えてください。
安宅氏:
面倒な部分や分かりにくい部分は簡素化したりして使いやすくしています。たとえば「ユニオンスキル」は,3つあるスキル系統を切り替えるのに1ターン消費していましたが,今回はユニオンゲージがあればどの系統もいつでも使えます。そういう意味では,戦局に応じてスキルを使い分けている感じがより強くなっています。
4Gamer:
そう言えば,アイテム管理の方法も変更されるようですね。
安宅氏:
はい。アイテムは個人所持をなくし,パーティの共有になりました。
4Gamer:
つまり個人で所持するのは,そのとき身に着けている装備だけということですか?
ええ。従来の,個人のアイテム所持数の上限が決まっているからこそ,それぞれに何を持たせるかを考えるというのは楽しみ方の一つでしたが,そのためにほかの部分が制約を受けるという側面もあるんです。
これは常に悩んでいる部分だったんですが,今回は多くの方に受け入れられやすいよう,便利なほうにシフトしています。
安宅氏:
武器の作成なども,「迷宮クロスブラッド インフィニティ」のシステムをより改良し,遊びやすくしています。
4Gamer:
武器と言えば,装備のレベル制限はどうなるんでしょうか。以前はせっかく強い武器を手に入れても,すぐに使えないということがありましたが。
安宅氏:
それは今回もあります。ただ「レベルパスコード」を用意していますので,昔のシリーズのように,ずっと使えないまま眠らせておくことはあまりないと思いますよ。
4Gamer:
ほかに改善された部分はありますか?
安宅氏:
改善というか,削除したものとしては「ザイルコード」があります。ザイルを持っていないと天井の穴を登れないというのは,さすがに分かりにくいので(笑)。それ以外の「αキー」など「キーコード」は残しています。
4Gamer:
新システムとしては,「ライズ&ドロップシステム」が実装されますね。
安宅氏:
これは「リスクを取って,いいアイテムを手に入れよう」というコンセプトに基づき,戦い続けるほどエンカウントゲージが上がって強力な敵が登場し,ドロップアイテムが良くなるシステムです。逆にボスと戦って帰還するときなどは,ゲージを下げてリスクを回避することもできます。
4Gamer:
戦闘回数が増えるとゲージが上がりますが,ゲージを下げるにはどうするんですか?
安宅氏:
戦闘から逃げれば下がりますよ。
4Gamer:
とは言え,毎回逃げ切るのは難しいのでは?
安宅氏:
アイテムやスペル,ユニオンスキルでの撤退があります。とくに今回は,ユニオンゲージ消費量の見直しを図り,ほぼ逃げたいときに逃げられるようにしています。なので,「ゲージを上げ過ぎた」と思ったら,逃げてゲージを調整できます。
また,このシステムの導入に合わせてエンカウント率を上げるスペルコードを実装してますので,ゲージをMAXまで上げて常に強敵と戦ったり,ところどころで戦闘から逃げてゲージが上がらないようにしたりと,難度の調整ができるようになっています。
4Gamer:
似たようなシステムは,「迷宮クロスブラッド」にもありましたよね。
「ダブルエンカウント」や「手配異形」ですね。それは,今回も残しています。ですから,いいアイテムを手に入れようとゲージを上げて頑張っているところに手配異形が出現して全滅なんてこともあります。しかも今回,手配異形も追加しましたので,ぜひ楽しんでほしいです。
ともあれ,ライズ&ドロップシステムはどれだけ時間を使ってもいいアイテムが出ないというケースの救済策でもありますから,上手に使っていただきたいです。
4Gamer:
一度探索した場所であれば,目的地を指定するだけで最短ルートを自動で移動するオートパイロットシステムや,ダンジョン内にメモを残し,ほかのプレイヤーと情報を共有する「エクスメモ」について,「デモンゲイズ」から改善された点はありますか?
安宅氏:
オートパイロットは,以前はイベントが発生する場所などで止まってしまいましたが,それを回避できるように改善しました。したがって,これまでのように目的地を頻繁に設定し直さなくてもよくなります。
4Gamer:
個人的には,自分が置いたメモの場所と内容をマップ上から確認できると嬉しいのですが。
安宅氏:
私達も,いつか実現したいと考えているのですが,今回はそこまで手が回りませんでした。
千頭氏:
実現するためには,おそらくマップ周りを作り直すことになりますね。
当時の尖った雰囲気をアレンジし
多くの人に受け入れられる表現を目指した
4Gamer:
それではシナリオで追加された部分などを教えてください。
千頭氏:
主に演出部分を強化しています。出だしからして,結構変わっていますよ。
安宅氏:
以前より,少し劇的になっていますね。「謎の男」が頑張っています(笑)。ただ,メインシナリオは基本的に変わりません。
4Gamer:
それではサブクエストの追加はどうでしょう?
安宅氏:
先ほど触れた手配異形が増えていますし,チュートリアルも追加しています。まあ,そうでなくとも2本ぶんのボリュームを1本にまとめていますから,もともとのクエスト量が多いんですよね。ですから,導線を調整したり,何もなくてさびしい部分に演出を加えたりといった改善が多いです。
気になっているのが,真麻のまさぐりなんですが……。
安宅氏:
実は今回,迷宮内のNPCのシステムをリダクションしたので,まさぐりもないんですよ。真麻に関してはその代わりに,新しいシナリオが追加されています。
4Gamer:
ああ,そうなんですか。残念です……。
安宅氏:
まあ,あれは謎のシステムでしたからね……。
千頭氏:
昔からのファンの方なら喜ぶんでしょうけれど……。
4Gamer:
ちなみにメインシナリオでも,当時のままの表現だと今の時代では使えない,というものがありましたよね。
安宅氏:
ええ,相当直しています。かなり尖った表現を使っていましたから,それを別の角度から面白くなるようにしています。
4Gamer:
モンスターのデザインはどうでしょう? かなりきわどいものもありましたが。
安宅氏:
それも,かなりリファインしましたね。
千頭氏:
ネタっぽかったり気持ち悪かったりする部分を,怖くて格好いい方向に直していますし,新たに追加したモンスターも多いですよ。
4Gamer:
シリーズおなじみのモンスターは登場しますか?
千頭氏:
もちろん登場しますが,序盤の敵や主だったボスは,新しいモンスターや新しいデザインに入れ替えています。
安宅氏:
これまでのシリーズを知っている方は,ぜひ,どう変わったのか楽しんでほしいですね。
千頭氏:
ただ格好よくなっただけでなく,表現がまったく変わっているんですよ。たとえば「ゴールデンロック」は亀でしたが,今回は全然違う見た目です。
4Gamer:
じゃあ「ノノ」なんかも結構変わったんですか?
安宅氏:
ああ,全然違いますね。ノノはオープニングにも出てきますよ。
千頭氏:
今回は蜘蛛ではなく人型なんですよ。これはプレイしたときの感情移入を考えての変更です。
安宅氏:
悪ノリが過ぎた部分をスタンダード寄りにしたという感じですね。
「オペレーションアビス」の反響次第で
「コードリアライズ」のリメイクも?
4Gamer:
今回のリメイクにあたって,以前はどうなっていたのか忘れていることも結構あったかと思うのですが,実際はどうでしたか? あるいは,今回あらためて気付いたことなどがあれば教えてください。
安宅氏:
実は過去にやったほとんどのことを忘れていました。さっきのザイルコードも,自分で実際にプレイし直してみて,「何でこんなもん作っちゃったんだろう?」と思いましたからね(笑)。そんな風に昔の自分に怒りを覚えながら,「よし,これは直そう」と考えることが多かったです。
千頭氏:
私はシナリオ自体を忘れていました(笑)。
安宅氏:
ともあれ,ずいぶん難しいことを考えてゲームを作っていたんだなあと感じましたね。
千頭氏:
ターゲット層が違いますからね。当時はコアなPCゲーマー向けに,コンシューマゲームではできないことを目指していましたから。
安宅氏:
とにかく尖っていて,マニア向けのゲームにしようとしていました。ゲームでは,よく多面的な情報を集めて一つにまとめ,謎を解くということをやりますが,今,「コードハザード」と「コードブレイカー」を遊ぶと,自分で作ったはずの謎解きにつまづいたりしますからね(笑)。
4Gamer:
そう言えば,当時「コードブレイカー」の序盤は「コードハザード」からの引継ぎがないと相当難しいという評価がありましたが,今回はどうなっていますか?
今回は1本のゲームとしてシームレスに進行しますが,やはり難度が上がったと感じると思います。具体的には「コードハザード」のラスボスにあたる存在を倒すまではレベルキャップが掛かっていて,そのレベルのまま「コードブレイカー」にあたるパートに入っていくのですが,やっぱり難しいです。
ただ,当時のことをあまり覚えていないこともあって,プレイしていて楽しいですよ。調整のために自分でリメイク版をプレイしてみましたけれど,楽しくてしょうがない。「コードブレイカー」でアチコチ行かされるのも,「あれをもう一度やるのかったるいな」と思っていたんですが,実際に遊んでみると,これはこれで面白いんです。
4Gamer:
マップは以前と同じなんですか?
安宅氏:
若干変えています。「これは不具合じゃないか」と思うような部分や,導線としてまずいところには手を加えました。また序盤のダンジョンは構造やデザインから変えています。
4Gamer:
それではもう少し教えてください。シリーズをプレイした人なら「オペレーションアビス」では1学期と2学期が描かれることを知っていますが,3学期を描く「コードリアライズ」のリメイク版はどうなるのでしょうか?
私の中では,もうやることになっていますけれどね(笑)。
4Gamer:
そうなると「オペレーションアビス」からの引継ぎなども気になります。
千頭氏:
「コードリアライズ」は,「コードブレイカー」が終わって,いったん物語を仕切り直す形を取っていましたから,リメイク版を実現するとなると,当然,引継ぎについても考えなければなりませんね。
でも,その点に限らず,まずは「オペレーションアビス」が世に出て,どういった反響があるのか見てからでないと何をどうするか決定するのは難しいです。
4Gamer:
続報に期待しています。
それでは最後に,「オペレーションアビス」を楽しみにしている人に向けてメッセージをお願いします。
千頭氏:
以前からのファンの皆さんには,あれから時間も経っていますし,ほぼすべてに手を入れていますので,ぜひ変化を楽しんでほしいです。また新規の方は,「デモンゲイズ」ほどライトではないですけれど,そこまで難度は高くないので,ぜひ挑戦してみてください。「デモンゲイズ」を楽しんだ方なら,一段上のダンジョンRPGを体験できます。
安宅氏:
せっかくPS Vitaでリリースするので,PS Vita本体を持っている方にはぜひ遊んでほしいです。PS Vita向けのやり応えのあるRPGはまだ少ないですから,RPGが好きな方であれば,ぜひ遊んでいただきたいですね。
4Gamer:
ありがとうございました。
「東京新世録 オペレーションアビス」公式サイト
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