インタビュー
「ロードス島戦記オンライン」で掲げた「5つの公約」の現状と,2017年下半期のロードマップについて新プロデューサー岡崎氏に聞いてみた
さて,このアップデートから遡ること約3週間前,公式生配信番組「ロードス島ここだけの話」で,ロードス島戦記オンラインのプロデューサーが加藤 仁氏から岡崎賢治氏(以下,岡崎氏)に変わるという発表があった。同時に公式サイトでは,「岡P5つの公約」と題した今後のロードス島戦記オンラインの運営方針が公開されている。これは,現在のロードス島戦記オンラインで起こっている問題に対して,どのような改善を図っていくかをまとめたものだ。
今回,その岡崎氏に5つの公約の実現状況と,2017年下半期のロードマップなどを聞いてみた。岡崎氏が描こうとしているロードス島戦記オンラインの未来について聞けたインタビューの内容をお伝えしよう。
新プロデューサー岡崎氏が掲げた5つの公約。その進行具合は?
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。岡崎さんは先月,プロデューサーに就任したばかりとのことで,多くのプレイヤーは岡崎さんがどのような方なのかを知らないと思います。これまでどんなタイトルでお仕事をされてきたのでしょうか。
2010年にゲームオンに入社したので,7年前からゲームオンのタイトルに携わってますね。担当してきたタイトルは6タイトルくらいあります。
4Gamer:
7年で6タイトルというのは多いですね。
岡崎氏:
ええ(笑)。最初に携わったのは「新・天上碑」で,直近のタイトルだと「TERA」になります。
4Gamer:
それぞれのタイトルでどのような部分を担当されていたんですか?
岡崎氏:
ユーザーサポートやデバッグ,Web制作,さらにはガチャを担当したり,イベントの企画を立てたりと,いろいろなことをしてきました。
4Gamer:
運営のありとあらゆることをやってきたという感じでしょうか。
岡崎氏:
唯一やっていなかったのがプロデューサー業務だったんですよ。近しいことをしていた時期もありましたが,完全に1人のプロデューサーとして関わるのは今回が初めてです。
4Gamer:
就任の発表から1か月ほど経ちますが,交代を発表されたときに,合わせて5つの公約を発表されました。
岡崎氏:
はい。僕がプロデューサーになって,過去のプロデューサーと何が違うのか,何ができるのかということを打ち出させていただいたんです。
4Gamer:
その公約がどれくらい進行しているのかを教えてほしいのですが,1つめの公約である「ゲーム内テキストの不完全部分の改修」については,誤字や妙な翻訳文がまだ結構残っているように思います。
岡崎氏:
サービス開始時のようなものはなくなったのですが,おっしゃるとおりまだ一部おかしいところはあります。ですので,ご指摘をいただいたら,翌週のメンテナンスですぐに修正するというようにスピード感を持って対応を行っています。
4Gamer:
なるほど。では,2つめ公約「不具合の改善速度向上」ですが,これは頻繁に(クライアントが)落ちるといったあたりを指しているのでしょうか。
岡崎氏:
落ちるというのもありますが,明確に仕様がおかしいというものだったり,分かりやすい不具合だったりもあります。この公約は,組織的な構成を変えて,改善の速度を上げると同時に,連絡帳から届くお客様のご要望やご指摘などに,素早く対応できるようにするというものなんです。
4Gamer:
“落ちる”という点に限れば,最近も頻繁に臨時メンテナンスが実施されていますし,根はかなり深そうな感じがするのですが。
岡崎氏:
レイドで落ちるなど,もともとあった不具合は確認していますが,完全な改修はまだ済んでいません。常に開発元に「このような感じで落ちます」といった情報を送って修正をお願いしているのが現状です。
4Gamer:
早期の解決に期待したいです。3つめの公約「情報伝達量と品質,情報速度の適正化」とは,具体的にどういったものなのでしょうか。
岡崎氏:
生放送やフィアンナの公式ツイッターアカウント(※)などを活用して,これまで以上に情報を公開していくというものです。
4Gamer:
確かに,ゲーム中のアドバイスから世間話まで,いろいろな情報を見るようになりましたね。
岡崎氏:
ええ。メンテナンス時にも「現在はこういう状況です」という情報をリアルタイムで告知するようにしました。
4Gamer:
4つめの「より親切なガイド機能への改修」ですが,どのような改修が行われたのでしょうか。
岡崎氏:
7月12日のアップデートで,ちょっとしたゲームのガイド機能を導入しました。特定のレベルに達成するとガイドクエストが受諾され,システムの使い方を学んだり,ダンジョンへの導線が発生するようになります。
4Gamer:
公式サイトには,それとは別にガイドがありますよね。
岡崎氏:
はい。このレベル帯ならどこで狩りをしたらいいのかとか,どういう装備が適正なのか,どうすれば入手できるのかなど,具体的な内容を記した「新規・復帰冒険ガイド」があります。
4Gamer:
ガイドで気になったのが,このゲームは強い装備が手に入りづらいですし,レベルアップ方法や育成方法については,不適切な感じがしていました。
岡崎氏:
おっしゃるとおりでして,まだ一例としての紹介になっています。ですから今後も更新を進めて,新規のプレイヤーさんに,より分かりやすくなるようにしたいと考えています。
4Gamer:
以前,新規プレイヤーも遊びやすくなる施策を実施すると聞いたことがあったのですが,それがこのガイド機能になるのでしょうか。
岡崎氏:
いえ,それは5つめの公約となる「初期レベル帯の快適なプレイ環境のご提供」になります。
これは7月12日から始まったキャンペーンで,レベル4に達すると★5レア武器,レベル5に達するとプレミアムチャンネルを利用できる専用アイテム,レベル6になると★5レア防具がもらえ,そしてレベル20達成でも★5レア防具がもらえます。このキャンペーンは新規の方はもちろん,既存のプレイヤーさんが新しく作ったキャラクターにも対応したもので,8月30日まで実施します。
4Gamer:
序盤に★5装備がもらえれば,かなりプレイが楽になりますが,8月30日以降はまたレベルを上げるのが大変になりますよね。
岡崎氏:
キャンペーン自体は一旦そこで終了になりますが,公約という部分もあるので,別の形で新規プレイヤーさんに向けての施策を企画しています。
「炎の魔神」アップデートのメインシナリオは好評。傭兵システムで小説の登場人物たちと一緒に冒険も
4Gamer:
これらの公約の履行が進行していくなかで,「炎の魔神」アップデートが実施されましたが,プレイヤーからの反応はいかがでしょう。
岡崎氏:
好評です。メインクエストを楽しんでいただけているという手応えがありますね。
4Gamer:
個人的には,ブレード(の街)へ行くまでのマップの敵が強かったので心配しましたが,メインシナリオに登場するモンスターはそこまで強くなかったので,ゲームとしては結構サクサクと,物語としては懐かしい気持ちで進めているのですが。
岡崎氏:
シナリオを進めるだけなら,フィールドの敵はスルーして問題ないですよ。でも,終盤は少しキツいかもしれません。レベルは30後半から40ぐらいあればクリアできると思います。
4Gamer:
もう少しレベルを上げやすくなると嬉しいところなのですが。
岡崎氏:
それはありますね(笑)。一方,アップデートに伴うサーバーダウンの頻発や,韓国の仕様が一部入ってしまったことによるトラブルの発生は申しわけなく思っています。
4Gamer:
対応のために,アカウントを一時停止するといった措置もありました。
岡崎氏:
はい。アップデートから臨時メンテナンスまでの間に適用されていた2点の仕様は,日本に採用されている仕様ではなく,誤って適用されたものでした。全体のバランスを考慮してデータを巻き戻すために,一時的に対象の方のアカウントを停止させる必要があったのです。弊社での確認が足りず,誤った仕様を実装することとなり,お客様には大変ご不便をおかけいたしました。
また,現在(※インタビューは7月28日収録)も継続しているサーバーダウンが深刻です。沈静化しつつありますが,完全に治まったというご案内がまだ出せなくて本当に申しわけありません。
4Gamer:
目処は立っているのでしょうか。
岡崎氏:
はい。ずっと小康状態が続いていて,あと少しで潰しきれるはずなんですが。
※本日(8月10日),ゲームプレイの「切断現象」について改善されたとの発表があった
4Gamer:
分かりました。では,新たに導入された傭兵システムはいかがでしょうか。
岡崎氏:
こちらも好評をいただいてます。個性豊かな傭兵が全部で31種類もいるので,使い分けたりして,いろいろな楽しみ方をしているプレイヤーさんが多いみたいですよ。
4Gamer:
ただ,すべての傭兵をそろえるのが大変そうです。
ちょっとしたイベントや,ログインキャンペーンで「傭兵契約書」をもらえるので,それを使って傭兵を集めてもらえると嬉しいですね。先日,実装された傭兵ガチャで,ランクが様々な傭兵がそろえられるようになりました。小説等で名前が出ているキャラクターは一通り入っているので,ファンなら集めるだけでも楽しいと思います。
4Gamer:
初めてリストを見たときに……バグナード(※)を仲間に引き連れて歩くことを想像して,「どんな状況なんだこれは!?」と思ってしまいました(笑)。ところで,傭兵は,課金,無課金のどちらでも全部そろえられるんですか?
※ロードス島戦記に登場するマーモの魔術士。主人公からすると最大級の敵キャラ
岡崎氏:
運がからみますが,傭兵契約書だけでコンプリートは可能です。
4Gamer:
なるほど。今後,傭兵の種類を増やしていく予定はありますか。
岡崎氏:
具体的にいつ頃になるかはお伝えできないです,いずれは小説第3巻や第4巻のキャラクターも追加したいですね。我々としても,いろいろな形で楽しめるよう,傭兵コンテンツを充実したものにしたいと考えています。
レベルキャップ開放で最大レベルは150に。精霊王ジン,エフリートと戦うレイドボス戦も実装予定
4Gamer:
それでは,2017年下半期のロードマップについて教えてください。
岡崎氏:
最初が,ギルドダンジョンとギルドホールです。これは生配信で今年の夏に実装すると発表していたのですが,少し遅れて秋口の実装予定になります。
4Gamer:
どのようなコンテンツでしょうか。
岡崎氏:
ギルドダンジョンは,その名のとおりギルドメンバーのみが行けるダンジョンです。ギルドホールは,ギルドメンバーが集まれる場所になります。
4Gamer:
ギルドダンジョンの難度や対象レベルはどれぐらいになりそうでしょうか。パーティメンバーのレベルに差がありすぎると経験値が入らないので,そのあたりが気になります。
岡崎氏:
そこはうまく調整していきますので,ご期待いただければ。
4Gamer:
分かりました。もう一方のギルドホールは,いわゆるギルドハウスのようなものでしょうか。
岡崎氏:
そうですね。詳細はまたお伝えしますが,我々からはギルドのメンバーが建てたホールが成長していくようなコンテンツにならないかと検討しているところなんですよ。
4Gamer:
成長するというのは面白そうです。期待したいです。
ロードマップを見ると,秋に傭兵コンテンツの追加が予定されているみたいですが,これはどのようなものですか?
岡崎氏:
現在はフィールドマップ上でしか傭兵と一緒に戦えませんが,このアップデートで,傭兵と一緒に入れるダンジョンが実装される予定です。
4Gamer:
とすると,そのダンジョンはソロ専用に?
岡崎氏:
未定ではありますが,パーティで入れるものになるかもしれません。
4Gamer:
詳細が気になりますね。ところで現在の傭兵コンテンツについては,傭兵のスキルにオンオフ機能が追加されると嬉しいと思うのですが……。というのも,傭兵のAIは脳筋気味で,スキルを惜しみなく使ってしまうので,MPがよく切れるんですよね。
岡崎氏:
傭兵のスキルについてはお客様からもいろいろな意見をいただいています。やはり,AIがちょっとお粗末じゃないかとか,ある程度行動を制御できる命令コマンドが欲しいといった意見が多いですね。これついては開発元とコミュニケーションを始めていて,改良を随時やっていこうということになってます。
4Gamer:
期待しています。秋口の終わりにはレベルキャップの開放を予定されているようですが,Lv150とは一気に上げすぎな気もします。現在のレベルキャップはLv100ですが,そもそも,そこまで育ったキャラクターを見たことがないですし。
岡崎氏:
そうですね。現在はプレイヤーさんの最高レベルがLv80強といったところですね。
4Gamer:
やはりそれぐらいですか。ならば,Lv150へのレベルキャップ開放と同時に,経験値を稼ぐダンジョンなど,何らかの施策がないと,Lvキャップを開放する意味がないというか,プレイヤーにとって実感がわかないように思うんですよ。
岡崎氏:
Lv60からLv100まで開放したときには,経験値が入手しやすくなるような調整を施しました。それと同様に,何らかの形でレベルを上げやすくする環境は作りたいと思っています。
4Gamer:
ちなみにLv150開放と同時に,マップやスキルの調整の実施も行われるようですが,これはどのような調整が入るのでしょうか。スキルのレベルの上限が上がるくらいですか?
岡崎氏:
いえ,Lv38のときにいくつかのスキルが増えましたが,それ以降は増えてないので,今回は新スキルを追加したいと考えています。もちろん,既存スキルの上限レベルもアップする予定です。
4Gamer:
新スキルの取得条件がレベルいくつなのか気になりますが,続報に期待しています。
岡崎氏:
ここからは冬の予定となりますが,初冬に「精霊王レイド」の実装を予定しています。「炎の魔神」アップデートで登場した,風の精霊王ジンと炎の精霊王エフリートを倒すレイド戦になります。
4Gamer:
やっぱり,原作のように塔を登っていく感じになるのでしょうか。
岡崎氏:
せっかくなので,そういった演出があると楽しいですよね。これは,もともと合田(元ロードス島戦記オンラインプロデューサー 合田真二氏)と加藤が「ジンやエフリートと戦えたらいいよね」と話していたのが発端だと聞いています。
ジンやエフリートはシナリオで登場することもあり,素材もそろっているので,それらをうまく使い,Lv150開放にあわせたエンドコンテンツとして制作されているようです。
4Gamer:
その流れだと,第3巻や第4巻のシナリオが実装されるころには,「みんなでシューティングスターを倒しに行こうぜ!」みたいな雰囲気になりそうですね。
いやー,エンシェントドラゴンであるシューティングスターを,そう簡単に倒させるわけにはいかないんですよ。もしレイド戦として制作する場合でも,倒すというよりも,やられそうになるまで戦って逃げ帰るといった演出になるかもしれませんね。
4Gamer:
まあ,シューティングスターを倒すのは“彼ら”ですからね……。でも,火竜の狩猟場にやってきたシューティングスターを,レイド戦で追い返すみたいなシチュエーションは原作の流れにも沿っていますよね。そのためにも,第3巻と第4巻の実装が待ち遠しいですよ(笑)。
岡崎氏:
頑張ります(笑)。今回公開できるのはここまでですが,冬に向けてまだまだいろいろと仕込んでいるので,詳細についてはもうしばらくお待ちいただければと思います。
4Gamer:
分かりました。ロードマップは秋からの内容でしたが,夏向けのイベントやキャンペーンなどの実施予定はありますか。
岡崎氏:
公約のところでも話しましたが,新規キャラクターの育成キャンペーンを8月30日まで実施しています。Lv40の達成までプレゼントアイテムが設定されているので,それを目標にレベルを上げながら,アイテムを手に入れてもらえればと思います。
育成キャンペーンのほかにも,復帰者向けのキャンペーンを実施しており,パペットの素体やゲーム内マネーなどがもらえます。この機会に復帰して,第2巻のシナリオを楽しんでほしいです。詳しいプレゼントアイテムは,公式サイトを参照してください。
4Gamer:
クエストシナリオコンテストも実施されているようですが,これはどういったものなのでしょうか。
公式サイト:「クエストシナリオコンテスト」ページ
岡崎氏:
本作がロードス島戦記という小説を元にしたタイトルでもあるので,ゲーム内のクエストの原作となるシナリオを募集するというコンテストを企画したんですよ。シナリオの範囲やキャラクターは,「灰色の魔女」から「炎の魔神」までで,最優秀賞に選ばれた方には賞金5万円と,応募シナリオがゲーム内で実装される予定です。
4Gamer:
実装される場合,ゲーム内ではどのタイミングのシナリオになるのでしょうか。プレイ状況によって,例えば「炎の魔神」の頃には,死んでいるキャラクターもいますし,ウッドチャックの扱いも難しいと思うのですが。
岡崎氏:
仮に,物語中で死んでしまったキャラクターが登場するシナリオが採用された場合,そのキャラクターが死んでいないタイミングでプレイできるクエストとして実装することになるのですが……もしかすると,シナリオ内の回想に登場させるといった形になるかもしれません。ですが,そこはあまり難しく考えず,自由な発想で考え,応募してもらえればと思います。
4Gamer:
プレイヤーの力作に期待したいです。ところで,今年はコラボイベントや,夏の季節イベントはないのでしょうか。
岡崎氏:
コラボイベントは,残念ながら今年はありません。いくつかのコラボが浮かんでは消え浮かんでは消えで,ちょうど今はない時期になっています。
季節イベントは,「ティキのなつやすみ」という宝探し系のイベントが先日まで実施されていて,このインタビューが掲載されるころには次の夏イベントが実施されていると思います。ご期待ください。
公式サイト:「アリエンの『夏』のお掃除キャンペーン」告知ページ
4Gamer:
分かりました。では最後に,新プロデューサーとしてファンへ向けてメッセージをお願いします。
岡崎氏:
7月12日のアップデートでは,多大なご迷惑をおかけして申しわけありませんでした。今はちょっと落ち着きつつありますが,まだ完全に収束したわけではなく,公約に掲げたことが守られていないことも申しわけなく思っています。
今後も引き続き改善と改修を加えながら,ロードマップとしてご案内したものをより楽しめるように開発元と意見を調整していきます。スケジュール通りにしっかりと提供していきたいと思いますので,ご期待ください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「ロードス島戦記オンライン」公式サイト
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