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PS VR開発者が中高生向けIT・プログラミング講座「ライフイズテック サマーキャンプ 2016」に登壇。VRの可能性をクリエイターのたまご達に説いた
今回の講演はその中のいくつかのコースの受講者172名を対象に,「最新VRシステム『PlayStation VR』の世界」をテーマに,PlayStation 4の最新周辺機器であるPS VRの可能性や,もの作りに対する想いなどを,SIEJAソフトウェアビジネス部の秋山賢成氏が解説した。
秋山氏は,まずPS4というゲーム機がどのようにして作られているのかを,「ハードウェア」「システムソフトウェア」「ゲームソフト・アプリ」という,3つの大まかな要素に分けて紹介。続いて,本題となるPS VRのトークでは,「VR=Virtual Reality」が一体何なのかを,その歴史から解説した。
現在のPS VRが完成するまでに,数十年におけるVRの歴史的な進化が背景にあり,かつてゲームセンターで稼動していたVRゲームや,むき出しのLCDを目の前に設置した原始的なVRヘッドセットなどを例に挙げる秋山氏。これらが作られてきた目的は「皆さんが考えるいろいろな世界に行ける」ことであり,最新のPS VRではゲームだけではなくアニメや映画,ドラマなどの世界に入れるようになっていると伝えた。
ゲームだけでなく,旅行や航空機操縦のシミュレータ,医療現場における練習など,新たな分野への可能性も提示 |
「あっちの世界」へと行けるVRは,「こっちの世界」に戻りたくなくなるぐらいの楽しさがあると強調 |
なおSIEJAでは現在,Unityを使って開発したコンテンツのコンテストを実施していて,秋山氏は会場の「Unityゲームプログラミングコース」を受講している学生に向けてチャレンジしてほしいと促していた。
講演の後半では「Play Room VR」を使って,受講者が実際にPS VRのデモンストレーションを体験する機会も設けられた。そのプレイヤーに選ばれたのは,着席したデスクの下に当たりカードが貼られていた15名で,その中からさらに幸運な3名がVRヘッドセットを装着してのゲームプレイを体験(Play Room VRは,ヘッドセットを装着した1名と,ゲームパッドでプレイする4人が同時に遊べる)。実際のゲームを使ったデモは体験者の15名に限らず,受講者全員がプレイの様子やMCの実況に一喜一憂し,大いに楽しんでいた様子だった。
講演の最後に秋山氏は,これからのゲームやIT,エンターテインメント業界の未来を担う受講者に向けて2つのアドバイスを贈っている。
その一つは「なぜ? と思ったら,自分なりに納得する答えを必ず見つける」ということ。何かしらの疑問を持つことは,もの作りにおいて重要なことで,それを止めてしまうと新しいものが生まれてこないとし,さらに疑問を持ったときは,正解・不正解を気にせず,自分が納得できる回答を見つけることも併せて助言した。
そしてもう一つは,「英語は大事」ということ。これから世界とつながっていくうえで,英語が話せることは非常に重要で,ジェスチャー付きの英会話で言いたいことが伝わるレベルでいいので,とにかく英語に慣れていこうとアドバイスした。
講演を終えた秋山氏は,「VRはIT・IoTに興味を持ったお子さん達が,これからのもの作りをしていくうえで非常に相性がよく,PS VR発売前のこの機会にぜひご協力できればと考え,今回の講演に立たせていただきました。新しいものを作るためには,彼らのような若い人の力は欠かせませんから。おかげさまでかなり盛り上がりまして,興味を持って見ていただいたことが手応えとして伝わってきました」と,その感想を述べている。もしかしたら今回の受講者の中から,秋山氏をはじめとする現役クリエイターのもとで働く,若手クリエイターが生まれてくるかもしれない。
「PlayStation VR」公式サイト
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