プレイレポート
三国志の武将達が野球で対戦? ベクターの新作ブラウザゲーム「三国ベースボール」の魅力をテストプレイから探る
本作は,台湾の開発会社CatanTechが開発したタイトルで,その題名からおおよそ予想がつくとおり,三国時代の武将達が“野球”のルールで戦うカードゲームとなっている。剣をバットに持ち替えて,天下統一を目指すというわけだ。
三国志と野球という二つの題材が組み合わさって,いったいどういうゲームになったのか? 今回はオープンβテストに先駆けてテストプレイをしてきたので,その内容から本作の魅力に迫っていきたい。
有能な三国武将を集めてオリジナルの球団を作れ
三国武将達は,可愛く魅力的に描かれていて,ファンタジーな世界観ではあるが,武将達それぞれが持つ背景から野球選手としての能力が決定されている。三国志ファンはもちろんのこと,未知の選手をどう活用するのかを考えて戦術を練る部分では,純粋な野球ファンでも面白さを実感できるはずだ。
では,具体的なゲーム内容を紹介していこう。
ゲームの大きな流れは,デッキを構築して試合に挑戦し,そこで新しい選手(カード)を入手したり,選手を強化したりしながらデッキをどんどん強化していくというものになる。DH制のルールが採用されているため,デッキは先発/中継/救援からなる投手陣と,守備位置と打順に頭を悩ませつつ野手陣の両方を考えなければならない。
なお,野手に関しては,内野手や外野手といったように分けられているわけではないため,スキルの発動に関係しないようなら,どこでも好きな場所を守らせて問題ない。
選手には技巧/力量/敏捷/精神といった能力と,特殊な状況化で発動するスキルが設定されている。リアルな野球同様,強力な選手一人で試合に勝てるわけではなく,どういうデッキ構成にするかで勝率が変わってくる。最強のデッキを構築することは,すなわち最強のチームを作ることにつながるのだ。
なお,開発のCatanTechは,もともとボードゲームなどを作っていた会社なのだとか。そのため,選手のスキルには,単純に攻撃力などを伸ばすだけのものでなく,発動に細かく条件付け(一番バッターのときだけ発動するとか,捕手として守っているときに発動するなど)が行われている。能力の高い選手ばかりを集めるのも一つの作戦だが,スキルの関連性を考えてデッキを構築していけば,能力が低い選手中心のデッキでも強力なチームを作れるのである。
ちなみに,初期段階だとゲーム開始時点で選択できるキャプテン武将以外は,名もなき選手だったりする。少しずつ有名な武将を揃えていけば,それに伴ってチームも強くなっていき,一からチームを作っていく感じがなんとも楽しい。試行錯誤しながら作ったデッキは,NPC戦やほかのプレイヤーとの試合で実力を確かめることができる。
オートで進行する試合は双方スキルが乱れ飛ぶ派手な演出に
実際の試合はというと,投手が投げてバッターが打つという,一般的な野球の形式で進んでいく。試合中はすべてオートで進行し,状況に応じて選手それぞれが独自にスキルを発動し,リアルな野球には見られないようなド派手な試合展開となることもある。選手の交代などの指示もオートになるので,プレイヤーの立場は,監督というよりも人事権のあるオーナーといったところだろうか。
試合の結果により,経験値やゲーム内ポイントが入手でき,それによって選手達を強化していける。試合のスピードを速くしたり,結果がすぐに分かるスキップ機能も搭載されているので,育成だけに集中することも可能だ。逆に,さらなるチームの強化を行いたい場合は,試合内容をじっくり確認して,打順の組み換えを行うことも大事になるだろう。
なお,試合の際にはメンバー表を確認できるので,相手に合わせて自分のメンバーを入れ替えることも可能だ。三国志の武将達は,魏/呉/蜀/他という勢力ごとにカテゴライズされているのだが,これはカードゲームでいう“属性”と同じような意味合いを持っている。魏/呉/蜀はそれぞれ三すくみの関係にあり,例えば,「呉の投手からは10%の確率でホームランを打つ」といった,勢力が発動条件になったスキルも存在する。
デッキに組み込む選手以外にも数多く有能な手札を揃え,相手に合わせて入れ替えて試合に向かうのが高い勝率を維持するコツだ。ただし,PvP戦などでは,事前に相手チームのメンバーが確認できない,同時エントリー式のトーナメント戦もあるので,こういった試合ではどんな相手にも戦えるようなオーダーを組む必要が出てくるだろう。
育てたチームを使ってバラエティ豊かな各コンテンツに参加しよう
プレイヤーにとって,選手である三国武将の収集と育成が一番のお楽しみ要素となる。選手の入手方法は,いわゆるガチャからのランダム入手がメインではあるが,「ストーリーモード」や「地域制圧モード」といった各種コンテンツでも手に入手可能だ。
ガチャに関しては,ゲーム内で手に入れるポイントで回せるものも豊富で,中に入っているカードが限定される「パック」ごとに購入できるのは嬉しいところである。ある程度,自分がほしい選手を狙ってガチャを回せるのだ。
選手の育成は,いらない選手カードを合成することで経験値を得るというオーソドックスな方法が中心だ。経験値をより多く入手できる専用カードも用意されているので,こちらを使うとより効率的に強化していける。また,同じ選手のカード同士を合成することで「転生」を行うこともできる。転生するとカードのグレードが上がり,それによって新しいスキルが開放される。そのほかにも「宝物」という,各選手に授与できるブーストアイテムも存在する。
続いて,三国ベースボールに用意されたコンテンツを紹介していこう。ただ野球をするだけでなく,三国志らしい要素から白熱のPvPまで,バラエティ豊富に数多くのコンテンツが用意されている。
●ストーリーモード
オリジナルストーリーを楽しめるモードで,ソーシャルゲームのように行動力を消費してエリアを進んでいく。試合があるわけではなく,クリックするだけで経験値と育成に使うゲーム内マネーやアイテムなどが手に入る。ここでいう経験値は,選手ではなくプレイヤー自身に入る経験値で,一定以上経験値を溜めてレベルアップすると,ストックできる選手枠などを増やすことができる。
●地域制圧モード
三国志モノのゲームらしく,各エリアに出陣していって領地を広げていくモードだ。野球で勝負し,勝ったら少しずつ進軍していくわけだが,要所で強力なライバル,例えば幽州なら公孫瓚や趙雲が登場する。これに勝利できれば,そのライバルを自分の選手にできるチャンスが生まれるのだ。戦力アップのため,確実に入手して進めたいところだ。
●リーグ戦(対NPC戦)
NPCを相手にした長丁場のリーグ戦を行う。試合に勝利するとポイントを入手ができ,溜まったポイントを使うことで,張角や董卓といった名将と交換可能だ。それとは別に,リーグ戦の成績によって豪華な報酬を手に入れることも可能となっている。
●トーナメント戦(対人戦)
ランキングも集計される対人戦のメインモードだ。上位16チームに入るとサーバー頂上決戦に挑むこともできるようになる。累計の戦績に応じて報酬を得ることもできるので,チームが育ってきたら自分の実力を知るうえでも参加してみるといいだろう。
●練習試合(対人戦)
提示される4人の対戦相手から一人を選んで,対戦を続けていくコンテンツで連勝記録に対して報償が出る。3回勝利したあとに1回「全力対戦」ボタンが使えるようになる。全力モードだと,自分の戦力が2倍に換算されて試合をできるので,通常では勝てそうにない相手に使って連勝記録を伸ばすのがよいだろう。いろんなタイプのチームと対戦できるので,攻略の研究にも使いたい。
●決闘(対人戦)
1日に5回まで挑戦できるイベント戦では,ピッチャー対バッターのガチンコ対決が行われる。投手と打者一人ずつを選ぶと,対決はオートで行われ,試合用とは別の専用スキルが使われる。ピッチャーが300キロ超えの速球を投げ,それを打ち返してホームランにするなど,普段の試合とはまた違った死闘が展開される。
●宿屋(NPC戦)
宿屋には,有力な武将が自分のチームを率いて泊まっている。これと対戦して好感度を上げていけば,武将カードを入手できるチャンスが訪れるという。
三国志の有名武将達が野球で対決……その設定からも分かるように,リアルな野球をベースにするのではなく,魔球や超人的打法が出てくる野球漫画を彷彿とさせるスタイルから独自の野球観を確立した三国ベースボール。いちプロ野球ファンとしては,最初は一抹の不安があったものの,実際にテストプレイをしてみると,スキルが連発される派手な試合に手に汗握るシーンがあったのも事実だ。また,一からチームを作っていく感覚も秀逸で,有名どころの武将が揃って戦力が充実するにつれて強い相手とも戦えるようになって面白さが増してくる。
野球か三国志,どちらかに興味があるほうがより楽しめるとは思うが,単純に武将を育成して戦わせるシミュレーションゲームとして楽しむのも悪くないだろう。本作に興味を持った人は,オープンβテストに参加し,ダイナミックな進行が魅力の試合を楽しんでみてほしい。
まったくの余談だが,台湾版の公式サイトを見ると,日本の戦国武将が参入するアップデートが最近行われたようである。曰く「信長の野球」……。今後のアップデートも楽しみだ。
「三国ベースボール」公式サイト
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