プレイレポート
人気シリーズ最新作「ファークライ4」のプレイレポートを掲載。ヒマラヤの小国を舞台に,過酷なミッションに挑もう
ヒマラヤ山脈の架空の小国を舞台に,暴れまくれ!
今やユービーアイソフトの看板シリーズになった「ファークライ」シリーズ。2008年にリリースされた「Far Cry 2」ではアフリカの某国が,そして2013年の「ファークライ3」ではインド洋と太平洋の境に浮かぶ孤島が作品の背景になっていたが,シリーズ最新作の「ファークライ4」(PC/PS4/PS3/Xbox One/Xbox 360)は,新たにヒマラヤ山脈にある架空の小国“キラット”が舞台になる。
主人公はエイジェイという青年で,母親が遺した「故郷に遺灰をまいてほしい」という望みを果たすためにキラットを訪れるのだが,現地に到着して早々,キラットの王として君臨するパガン・ミンに捕まり,キラットの狂ったような現実を目の当たりにすることになる。
「ファークライ4」公式サイト
そんなミンの独裁に対して反旗を翻しているのは,「ゴールデン・パス」と呼ばれる反政府組織で,ミンに捕まっていたエイジェイを,多大な犠牲を払いながらも救出してくれる。かくして,エイジェイはゴールデン・パスと協力しながら,ミン政権の転覆を目指すことになる。
以上が本作のオープニングにおけるストーリーの流れとなる。展開が早く,プレイした人ならいきなりゲームに引き込まれてしまうはずだ。とくに印象的なのが悪役ミンのキャラクター造形で,日本語版では声優の藤原啓治さんの熱演がすさまじく,言葉の端々から狂気が感じられる。これといった説明がなくとも,一発で「あ,こいつヤベェな」とプレイヤーに思わせてくれるのだ。
ゴールデン・パスのリーダー,アミータ。伝統に縛られることを嫌い,新しい空気をキラットに流し込もうとしている |
ゴールデン・パスのもう1人のリーダー,サバル。従来の伝統を重んじているため,アミータとしばしば喧嘩になる |
広大なオープンワールドを舞台に冒険を繰り広げろ
ゲームシステムはシリーズ従来作と同様,広大なオープンワールドを自由に移動して,さまざまな依頼をこなしていくというものになっている。ストーリーの都合で最初は行けない場所もあるが,細かく作り込まれたキラットは景観も美しく,あちらこちら移動するだけでも楽しめるだろう。
ただし,依頼をこなしているだけでは得られる報酬は少なく,エイジェイの強化は難しい。そこで重要になるのが,キラットの住民から受けられるクエストやアクティビティだ。
クエストやアクティビティには,特定のルートを所定のタイムで走行するレースタイプのものもあれば,住人にとって目の上のたんこぶである王立軍の兵士を排除する,といったものまであり,内容は多岐にわたる。
中でも重要なのが「キラットのファッション週間」だろう。
序盤のエイジェイは,装備できる武器や携行できる弾薬が非常に少ない。そこで,特定の野獣を狩って皮を剥ぎ,バックパックや武器ホルダーを作るというクラフティング要素が用意されている。これにより,少しずつ装備や武器の携行量が増やせるのだが,最も良い性能のものを作るためには,この「キラットのファッション週間」という風変わりな名前のクエストをこなさなければならない。
例えば「財布」はレベル4まであり,レベルが高いほど所持金の上限が増える。そして,最高レベルの財布にするためには,「キラットのファッション週間」をこなして非常にレアな“マッドデビルの皮”を手に入れる必要があるというわけだ。
このクエストをくれるのは,ムームー・シフォンという人物で,以前はミンのファッションデザイナーだったという。ミンはおしゃれにも気をつかう人物らしいが,ふとした行き違いで,王宮を追われたという。
ちなみに前作でも,野生動物を狩ってアイテムを作るという要素があり,筆者は思わずそれに熱中した経験を持っているが,それはともかく,このクラフティングはエイジェイの戦闘力やサバイバル能力に直結するものなので,シフォンに会えるようになったら,すぐに会いに行くべきだ。
また,敵を倒したり目標を達成したりすることで,報酬のほかに経験値が得られる。この経験値が一定量溜まるとスキルへ割り振り可能なポイントに変換され,エイジェイの能力を少しずつ伸ばすことができるようになる。
スキルは,戦闘(攻撃)に関する“トラ”と,身体的な成長に関する“ゾウ”という2つのカテゴリーに分けられているが,上位スキルになるほど獲得に必要なポイントが多くなる。しかしその分,得られるメリットも大きいので,ミッションをどんどん受けて,少しずつでも強化していこう。
さて,ミッションをこなすためには,依頼を受けたあと,ミッションエリアまで移動しなければならない。キラットのモブキャラである住人から受けられるクエストの場合,依頼を受けた場所から開始エリアまでの距離がそれほど離れていないことが多いので,徒歩でも問題なく移動できる。
しかし,メインミッションとなると話は別で,直線距離でいえば1キロ未満かもしれないが,高い山の向こう側だったりして,徒歩では厳しいケースが多い。
こうした場合に活躍するのが各種ビークルだ。利用可能なビークルはピックアップトラックやバギーのほか,グライダーやジャイロコプターなど,種類は非常に豊富で,前作に増して力が入っている。
バギーやトラックなど,さまざまな乗り物を楽しもう
さまざまなビークルがある中,乗って楽しいのがジャイロコプターだ。これは小型のヘリコプターで,1人がやっと乗り込めるという小ささだが,機動性は高く,乗りながらサイドアームを使用することが可能だ。
キラットに多数ある敵の基地を落とすとき,筆者の好みは,消音効果の高いスナイパーライフルで気づかれる前にすべての敵を排除するというもの。しかし,場所によってはスナイパーライフルを効率よく使用できない基地があり,そういった場所ではジャイロコプターが有効になる。
筆者のやり方はこんな感じで,まずサイドアームにグレネードランチャーを装備し,目的地上空へジャイロコプターで飛び,あとは動くものすべてにグレネードランチャーを撃ち込むだけ。ね,簡単でしょ? というセリフが頭によぎるくらい楽ちんだ。ただし,敵に察知されやすいところがデメリットで,察知されると増援を呼ばれてしまい,常に動きながら攻撃し続けなければならなくなる。したがって,ちょっとばかり慣れが必要だ。
……と,こんな感じで利用できるものはすべて利用してミンの率いる軍勢の脅威を少しずつ取り除いていくのだ。
オンラインマルチプレイも搭載。ミンの軍勢はかなり不思議
本作にはオンラインによる,最大5人対5人の対戦モードが搭載されている。「キラットの戦い」と呼ばれるマルチプレイのモチーフになっているのは,ミンの軍勢とゴールデン・パスの戦いだ。
それぞれの部隊には特徴があり,ゴールデン・パス側はアサルトライフルやロケットランチャーなどのモダンな武器/兵器を使用して戦うことになるのだが,対するミン軍側の兵士は大きく異なる。ミンはキラットの伝承にある「ラクシャサ」と呼ばれる(たぶん)悪魔の力を与えられた部隊を編成しており,プレイヤーはその兵士としてプレイすることになるのだ。メインウェポンとして使用できるのは弓で,ゴールデン・パスと比べるとかなり古風。さらに,謎の術を使ってクマやトラなどの獰猛な動物を召喚して襲わせたり,姿を消したりできるという,なんとも不思議な部隊になっているのだ。
この2つの勢力で遊べるモードは,「クイックプレイ」「基地」「プロパガンダ」「悪魔のマスク」,そして「カスタムマッチ」の5種類だが,このうち「クイックプレイ」は,モードを選ばず,参加可能なマッチにすぐに飛び込めるというもの。また「カスタムマッチ」は読んで字の如く,マップやモードをカスタマイズして遊ぶことができる。
「基地」は,攻撃側のラクシャサと防衛側のゴールデン・パスに分かれて戦う。攻撃側のラクシャサがゴールデン・パスの基地に侵入して所定のサークルに近づくと,旗が少しずつ上がっていく。100パーセントまで上げれば,基地を占領したことになり,ラクシャサ側の勝ちとなる。防衛側のゴールデン・パスは当然,それを阻止することが目的になる。
「プロパガンダ」はパガン・ミンのプロパガンダ施設を破壊,防衛することが目的で,攻撃側がゴールデン・パス,防衛側がラクシャサとなる。プロパガンダ施設はマップ上に3か所あるので,攻撃側はそれらに爆弾を設置し爆破するわけだ。
さて,上記のようにミンの軍勢とゴールデン・パスの違いが「魔法vs.現代兵器」という感じでかなり大きく,本当にゲームとして成立するのかと疑問に思ったが,実際にプレイするとかなり面白い。ラクシャサ側で戦うときは,いかにしてゴールデン・パス側の兵士に察知されないように隠密行動し,目的を達成するかを考えるのが楽しいのだ。
逆に,ゴールデン・パスでプレイするときは,ラクシャサの戦士を見逃さず,接近されないように行動しなければならないため,細心の注意を払う必要がある。どちらの勢力も,長所と短所がハッキリしており,戦略も異なるため,プレイしていて非常に新鮮だ。
過酷きわまるキラットを舞台に,長くじっくり遊べる良作
スキルアップ要素やクラフティング,サブクエスト,アクティビティなども豊富に用意されているので,メインストーリーにこだわらず,美しいヒマラヤの光景を眺めながら,キラットを散策するのもいいだろう。
ゲームには,ミンを筆頭にさまざまな個性的キャラクターが登場し,物語を盛り上げてくれる。中には,ストーリーには直接絡むことはないのだが,「ファークライ3」に続いて顔を見せる人物もおり,前作のプレイヤーにとっては嬉しいところだ。主要キャラクターっぽく登場する人物がいつの間にか倒されていたりと,思わせぶりなところもあるが,それもまた面白い部分だ。
「ゾウ」や,自由にマップを作れるマップエディターなど,本稿では書ききれなかった要素も数多くあり,プレイヤーを飽きさせない。ただ,「ファークライ3」のインパクトがあまりにも強かったため,前作を遊んだ人にはちょっと物足りないところもあると感じる前作のプレイヤーもいるかもしれない。獣を狩り,タワーを制圧し,基地や要塞を奪取……と,細かい部分がパワーアップされていたり,遊びやすくなっていたりするが,基本の流れは前作を踏襲している。
ともあれ,大きなジャンプアップはないにせよ,前作より洗練された狂気の世界が楽しめる本作。遊ぼうと思えばいつまでも遊び込めるほどボリュームは十分だし,メディアの評価も高い。これまで「ファークライ」シリーズをプレイしたことがないという人には,ぜひ遊んでほしいと思う。
「ファークライ4」公式サイト
キーワード
(C)2014 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Far Cry, Ubi.com, Uplay, the Uplay logo, Ubisoft, and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the US and/or other countries. Based on Crytek’s original Far Cry directed by Cevat Yerli. Powered by Crytek’s technology “CryEngine.”
(C)2014 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Far Cry, Ubi.com, Uplay, the Uplay logo, Ubisoft, and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the US and/or other countries. Based on Crytek’s original Far Cry directed by Cevat Yerli. Powered by Crytek’s technology “CryEngine.”
(C)2014 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Far Cry, Ubi.com, Uplay, the Uplay logo, Ubisoft, and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the US and/or other countries. Based on Crytek’s original Far Cry directed by Cevat Yerli. Powered by Crytek’s technology “CryEngine.”
(C)2014 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Far Cry, Ubi.com, Uplay, the Uplay logo, Ubisoft, and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the US and/or other countries. Based on Crytek’s original Far Cry directed by Cevat Yerli. Powered by Crytek’s technology “CryEngine.”
(C)2014 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Far Cry, Ubi.com, Uplay, the Uplay logo, Ubisoft, and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the US and/or other countries. Based on Crytek’s original Far Cry directed by Cevat Yerli. Powered by Crytek’s technology “CryEngine.”