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ハロー!Steam広場 第56回:100門の大砲を一斉に発射したらどうなるの? 答えは攻城兵器シム「Besiege」で
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー Steam 広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者の独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,無意識のうちに最終兵器を生み出してしまう上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第56回は,先の本連載でも取り上げた,攻城兵器に焦点を当てた物理ベースのシミュレーションゲーム「Besiege」をメインに紹介する。“ふぉーげーまーのかんがえたさいきょうのへいき”やいかに。このほか,生存者のリーダーとして極寒の地を生き抜くサバイバルゲーム「Impact Winter」もお見逃しなく。
オリジナルの兵器を作って敵軍を蹴散らす攻城シミュレーションゲーム「Besiege」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は,ハロー!Steam広場 第54回のGREENLIGHTタイトルとしても取り上げた「Besiege」のアーリーアクセス版を紹介しよう。
GREENLIGHTを通過してから1週間ほどでリリースされた本作は,イギリスのインディーズ系デベロッパ Spiderling Studiosが手掛ける,攻城兵器に焦点を当てた物理ベースのシミュレーションゲームだ。
現在配信されている「v0.02」では,敵軍が占領する15のステージが用意されており,プレイヤーは“ぼくのかんがえたさいきょうのへいき”を設計して敵軍を蹴散らしていく。
ゲームの大きな特徴は,自由度の高いビルドシステムと,物理演算が引き起こす予測不能なシミュレートにある。本作には,兵器を構成するパーツの数や重量などに制限がなく,ビルドエリアから兵器がはみ出すほどの大きさでなければ,何を作ろうがプレイヤーの自由だ。
したがって,カタパルトやトレビュシェットといった実在する兵器はもちろん,大砲を50門積んだ戦車や,大量の火炎放射器を積んだ飛行機といった,とんでも兵器を生み出すこともできる。まともに動くかどうかは別だが。
パーツの中には,プレイヤーの操作で動かせるものがある。兵器の移動をサポートする車輪やステアリングパーツは,方向キーで回転し,大砲や火炎放射器といった武器は,それぞれに割り当てられたショートカットキーで作動する仕組みだ。要するに,本作ではプレイヤーの作った兵器をラジコンの様に動かせるのだ。
なお,キーマップの変更は画面上部のメニュー画面にある「KEY MAPPER」(レンチのアイコン)で可能だ。初期設定の状態だと,パーツ同士のショートカットキーが離れているので,自分好みの配置にカスタマイズしておくと,プレイしやすくなる。
※初出時,キーマップの変更は出来ないと記載しておりましたが,その後,変更方法が分かりましたので訂正致しました。
では,どうやって兵器を作るのか。兵器のコアとなっているのは,サイコロの形をしたパーツであり,プレイヤーは,これに木材や鉄板,車輪などをくっつけて兵器を作ることになる。要はコアを中心に自分の頭のなかにある兵器のイメージを形にしていけば,おのずとオリジナルの兵器が完成するというわけだ。
兵器を作るうえで注意すべきは,パーツの剛性がしっかりとシミュレートされているという点だ。考えてみれば当たり前のことなのだが,大量に積んだ大砲を一気に発射すれば,反動で兵器が崩壊するし,バランスが不安定な状態で動きだせば,大事なパーツが折れて動かなくなることもある。
初めのうちは剛性など気にせずに楽しめるのだが,ゲームをやり込んでいくうちに,どうやって反動を逃すか,どうやって重心のバランスを取るか,といったことを考えるようになり,本作の奥深さに少しずつはまっていくのが分かる。
完成した兵器は名前を付けて保存でき,必要に応じていつでも引っ張りだせる。今後のアップデートでは,SteamのWorkshopを通じた兵器のシェア機能が実装される予定なので,今のうちにオリジナル兵器をたくさん作りためておくのも良いだろう。
また,Steamのコミュニティページには,ほかのプレイヤーが制作した兵器のスクリーンショットがたくさん投稿されているので,そこからインスピレーションを得るのも悪くない。
本作の価格は現時点で698円となっているが,ゲームが完成に近づくにつれ,価格が上がっていくようなので,少しでも興味のある人は今のうちに購入しておこう。UIが非常に分かりやすく,工作が好きな人にはピッタリのタイトルなので,ぜひ遊んでみてほしい。
「Besiege」Steamページ(698円)
生存者達のリーダーとして極寒の地を生き抜くサバイバルゲーム「Impact Winter」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は,イギリスのインディーズ系デベロッパMojo Bonesが開発中の「Impact Winter」を紹介しよう。
本作は,なんらかの原因によって“The Void”と呼ばれる極寒の地に取り残された生存者達を描くサバイバルゲームだ。プレイヤーは彼らのリーダーとなり,救援が来るまでの30日間,彼らと共に過酷な避難生活を送ることになる。
本作の大きな特徴は,仲間の生存者がいるということ。したがって,プレイヤーは彼らの食料や物資なども確保しなければならず,1人でのサバイバル生活とは違って,いろいろなことに気を配る必要がありそうだ。
生存者達は特殊なスキルを持っており,プレイヤーの装備をアップグレードしたり,集めてきた食材で料理を作ってくれたりなど,それぞれが違った形でプレイヤーをバックアップしてくれるようだ。ということは当然,彼らが死ぬようなことがあれば,これらの支援を受けられなくなるということでもある。
ストーリーラインは用意されておらず,その時々の展開に応じてイベントが発生する仕組みになっているとのこと。30日という期間のなかでどのようなドラマが生まれるかはプレイヤー次第ということだ。
リリース時期は2016年内とだいぶ先になっているので,興味のある人は“いいね”を押しつつ,お気に入りに登録しておこう。
「Impact Winter」GREENLIGHTページ
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