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PS4版「ARK: Survival Evolved」プレイレポート。恐竜が闊歩する世界で,プレイヤーそれぞれのスタイルでサバイバル生活が楽しめる
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印刷2017/10/26 00:00

プレイレポート

PS4版「ARK: Survival Evolved」プレイレポート。恐竜が闊歩する世界で,プレイヤーそれぞれのスタイルでサバイバル生活が楽しめる

 スパイク・チュンソフトは本日(2017年10月26日),PlayStation 4版「ARK: Survival Evolved」を国内向けに発売する。

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 アメリカのゲーム開発会社Studio Wildcardが制作し,PCでは約2年に及ぶアーリーアクセスが行われた本作は,恐竜が住む広大なオープンワールドのフィールドでサバイバル生活を送るという“オープンワールド恐竜サバイバルアクション”だ。すでに海外では販売中のPS4版が,ついに日本向けに発売となる。
 本稿では,メインモードとなる「Survival Evolved」のシングルプレイをとおして,本作の基本的な遊び方や魅力を伝えていきたい。

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「ARK: Survival Evolved」公式サイト



すべての行動が生きるための糧となる,

壮絶なサバイバル生活


 ゲーム開始時や再開時には,ゲーム全体の難度のほか,プレイヤーの攻撃力や被ダメージ,空腹になるまでの時間,さらにはレベルアップする速度といった細かな設定が可能だ。今回はデフォルトに近い設定でプレイしたが,それでもかなり難しく,じっくり挑む必要があると感じた。実際にプレイして,自分の腕前やプレイスタイルに合ったバランスに調整してみるといいだろう。
 いくつか選択できるマップからは「THE ISLAND」を選択した。マップは,ゲーム内の条件をクリアしたり,ダウンロードコンテンツを入手したりすることで,新たな世界が開放される。

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「ストーリーARK」と「カスタムARK」があり,「THE ISLAND」は前者にある。画面左はマップの各種設定のエリア
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キャラクタークリエイトでは,性別のほかに肌の色,肩幅,上腕の太さ,足の長さなど,かなり細かいところまで体形を変更できる

 プレイヤーキャラクターである「サバイバー」は,これという前置きもなく,ほぼ裸の状態で島に投げ出される形でサバイバル生活が始まる。タイトル画面にある「サバイバルガイド」で基礎的な知識は学べるものの,チュートリアルなどはない。“まず何をすればいいのか”を自分で考えて行動することこそが“サバイバル”なのだ。

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タイトル画面から見られる「サバイバルガイド」。基礎知識程度はここで学べる
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裸の状態で目覚めるプレイヤー。海岸線は危険生物が少なく安全だが,集められる素材は少ない

 キービジュアルに描かれたような,銃を持って恐竜に乗る勇ましい姿のサバイバーになるまでの道のりは決して易しくない。この世界にやってきたばかりでできることは,そこらにある草をむしり,石を拾い,素手で木を殴って木材を得るといった程度だ。
 また,時間が進むことで空腹になっていくため,むしった草に混じっている木の実などを食べ,飢えを凌ぐだけの生活が続くことになるはず。空腹のほかにも,のどの渇きや気温による体温の変化などにも注意しつつ,食料や衣服,狩りや身を守るために用いる武器などを作成していこう。

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そこらに生えている草からは「繊維」やいろいろな木の実が採れる。これらの素材をどんどん集めて,生き延びるための食料や道具を手に入れよう
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ピッケルを使って岩を削り「火打石」を入手すれば,火を起こすことができる。暖をとったり,食料の調理に使用したりと,火があることでサバイバル生活の生存率も高くなる

 さまざまな困難が待ち受けているサバイバル生活だが,サバイバーはさまざまな行動をとることで経験値を獲得していき,一定の値を超えるとレベルアップする。それによって得られるステータスポイントを,「体力」「スタミナ」「近接攻撃力」といったステータスに割り振ることで,自身を強化することが可能だ。

 また,同時に獲得できるエングラムポイントでは,道具やアイテムを作り出す知識「エングラム」のレベルが上昇する。レベルによってより便利な道具が製作できるようになっていく。壁やドア,屋根といった建築物の基礎となるパーツが作成できるようになると,住居の建築も可能となる。
 道具も何もない原始的な生活から,狩りをする道具を得て,火を起こす術を知り,建築技術を身につけて住居を手に入れるという過程からは,本作のタイトルにもある“Evolved(進化)”を体感できるだろう。

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画面中央にあるメーターがプレイヤーのステータス。採集した物をより多く持ち歩ける「重量」の値を上げると,序盤の素材集めが楽になるだろう
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エングラムはレベルごとに該当の項目がアンロックされ,道具,衣服,家を建築するためのパーツという風に,作成できるものが増えていく
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衣服を身に着けると,気温による体力低下が抑えられ,敵からのダメージも減る
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エングラム修得により,家とたき火が完成。このように技術を活用して,探索の拠点を設けよう


恐竜をはじめとする生物との接し方で,

サバイバル生活は大きく変わる


 本作でのもう1つの主役と呼べる存在が,マップ上を闊歩する恐竜達だ。彼らとの接し方によって,プレイヤーのサバイバル生活は大きく変わってくる。
 恐竜をはじめとする生物達は,特定の個体が所定の範囲で生活している。当然ながら弱肉強食の関係があり,そこかしこで肉食動物が草食動物を襲っている姿が見られる。

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 三葉虫とドードーが同じ海辺に生息し,大型哺乳類が草原や森林を闊歩する……恐竜達のほかにも多くの生物が,それぞれ実際に生息していた時期に関係なく登場する本作は,映画「ジュラシック・パーク」のシリーズを思い出させる,古生物のテーマパークのような雰囲気があり,それらの生物を見て回るだけでも楽しい。

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 今回プレイした際は,スタート地点から遠方に行くほど生息する生物の種類が増え,そして強い生物が現れるというゲーム的なバランスを感じた。これは「イージー」や「ノーマル」といった難度が表記されているスポーン地点によっても変わると思うが,イージーの地点から始めれば,「何もできない状態でいきなりT-REXに丸呑みにされた」みたいなことにはならないはずだ。

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 序盤は生態ピラミッドの底辺に置かれるサバイバーだが,サバイバル生活で身体的にも技術的にも進化していくことで,ピラミッドの上位となっていく。最初は何もできずに逃げるだけの“狩られる側”だったのが,“狩る側”の立場へと上り詰めていく手応えを実感できるだろう。
 そんな彼らとの共存は,サバイバルにも深く関係している。槍や石の斧などの武器を作っておとなしい生物を狩れば「生肉」が手に入るようになり,食糧事情は一変する。

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水中はシーラカンスなど食料になる魚が豊富だが,攻撃的な生物も存在する
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狩った生物は,肉や皮を残す。捌く武器によってどちらか一方が多く採れる

 その中でも重要なものとして,本作の特徴的なシステム「テイム」がある。
 これは生物を手なずけることで味方にして,共に生活できるというもの。テイムした恐竜や生物は種類によって異なる特徴を持ち,繁殖,資源の採取や運搬,乗り物,共に戦う仲間と,さまざまな役割を担う。とくに乗り物としての活躍は,例えば魚竜や翼竜などをテイムすることで,海や空など人間には行くことが困難な場所にも足を伸ばせるようになるといったように,サバイバーにとって大きなものとなる。

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 テイムの手段には大きく分けて2種類がある。まずは単純に餌を与えて手なずける「受動テイム」。テイム可能な生物に横や背後から接近するとメッセージが出るので,該当する食料を集めて与えるだけでいい。その個体が空腹になるまで待って,再び食料を与えることを繰り返すと,やがて「テイム受け入れ値」のゲージが一杯になってテイムが成功する。

好みの食料を与えると,テイム受け入れ値が少しずつ上がり,一杯になるとテイム完了となる
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 一方,プレイヤーに対して敵意を持っていたり,受動テイムの効果がなかったりしたときは,「気絶テイム」を用いる。これは素手や「木の棍棒」などを使った打撃や,「麻酔矢」を撃って対象を気絶させ,その間に手なずけるというもの。気絶している恐竜に対してアイテムのインベントリ画面を開き,そこに手持ちの食料を入れてテイム受け入れ値を上げていけばいい。
 気絶テイムは,対象が気絶中でなければ成功しないため,麻酔薬を食べさせる,殺さない程度に打撃を与えるといった,気絶状態を保つための処置も並行して必要となる。

殺さないように攻撃することで気絶する。肉食恐竜なら生肉を与えるといい
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 テイムの仕方はさほど難しいものではないが,場合によってはかなり根気のいる作業となる。受動テイムであれば生物が空腹になるまでの時間を待たなければならないし,気絶テイムの場合は気絶させておくための道具の用意といった下準備も必要だ。
 さらにテイムの途中や成功したばかりのタイミングで,ほかの生物に食べられてしまうという,悲劇的なハプニングも発生することもある。テイムに手間のかかる生物を手なずけるのは,ほかの生物に襲われないよう,少しでも安全なスペースを確保することも重要となるだろう。

テイムした恐竜はプレイヤーを追従するか,その場に放浪させるかを選べる。移動速度なども異なるので気配りは必要だ
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専用の「サドル」を装備させれば,騎乗することもできる。三人称視点で眺めるARKの世界も新鮮だ
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パラサウロロフスは序盤の相棒として最適。彼らもまた,プレイヤーと共に強くなっていく

サンドボックススタイルで楽しめる,居住空間作り


 家作りは,サンドボックスゲーム感覚で楽しめる。エングラムのレベルが上がっていくことで「作業台」や「精錬炉」といったアイテム作成用の設備や,「菜園」などの生産設備,さらに「看板」や「旗」,「墓石」といった飾りまで,かなり幅広いパーツが揃っていき,自分好みの居住空間を作ることが可能だ。

 本作では,サバイバーが倒れると,装備品や手持ちのアイテムをすべてなくしてしまい,新たなサバイバーでリスポーン後,一定時間内に回収しないとアイテムロストとなる。そのリスクを軽減するためにも,予備の道具などを保存しておける「収納ボックス」と,リスポーン地点となる「ベッド」を早めに用意しておこう。
 理想の住居を作るには,高いレベルのエングラムやかなり多くの素材が必要となる。効率よく素材集めや道具の作成を進めるためにも,まずは探索の拠点となる簡易な家を建ててよう。

見晴らしのいい丘の上に木造の小屋を建ててみた。これだけでも小さな森を1つ消費するぐらいの木材が必要だ
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情報がないことがサバイバルの基本

それをどう集めるかはプレイヤー次第


 日本向け発売前ということで,今回はシングルプレイモードに触れたが,プレイヤー自身が進化していく手応えや,恐竜を手なずけながら島を探索するいう,さまざまな遊び方がある本作の一つの魅力をたっぷり感じることができた。コントローラの操作やインタフェース面で戸惑うところや,なかなか操作に慣れない面もあるが,この辺りはアップデートでの改善に期待しつつ,プレイを進めながら感覚を掴んでいこう。

 本作におけるサバイバル生活は,あらゆる要素がプレイヤー自身の行動にゆだねられ,それに対するゲーム中のヒントも少ないため,なかなかやり応えを感じた。オンラインでのプレイが主体になる作品だと思うが,「自分が何をして,どう生活するか」を一人で考えながら楽しむのも,ほかのプレイヤーとコミュニティを築いて情報をやりとりしながら遊ぶのもプレイヤー次第だ。

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