プレイレポート
モノトーンで描かれるグラフィックスは一見の価値アリ。ハードボイルドな横スクロールステルスアクション「Calvino Noir」のプレイレポートを掲載
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1930年代のヨーロッパ裏社会を舞台にしたCalvino Noirでは,始末屋ウィルトのもとにシスカという女性から仕事の依頼が舞い込んだことをきっかけに,彼らがトラブルに巻き込まれる物語が描かれる。
ゲームを開始してまず驚かされたのは,“フィルム・ノワール”を連想させるモノトーンのビジュアルだ。プレイヤーキャラクターが持っている懐中電灯で照らすと,明るい場所と暗い場所で見事なコントラストが描かれたり,光の当たり方によって影の形が変化したりするのだが,ビジュアルのクオリティが非常に高くセンスも良い。利用できる端末は限られるが,iOSのグラフィックスAPI“Metal”に対応している点もポイントといえるだろう。
操作方法は,画面内をタップすると,プレイヤーキャラクターがそこまで移動する仕組みになっており,直感的なプレイが可能だ。移動方法は歩く/走るの2種類を任意で切り替えることができ,前者は物音を立てずにゆっくり移動,後者は物音を立ててしまうが,素早く移動できるという違いがある。
ステージ内を巡回している守衛は音に敏感なので,警備が厳重なところでは歩き,安全な場所なら走るといった具合に使い分けるといい。なお,守衛に見つかってしまっても,撃たれてゲームオーバーになる前にその場から走り去ったり,物陰に身を潜めたりすれば,ピンチを切り抜けられることがある。
本作で特徴的なのは,プレイヤーキャラクターを切り替えて任務に挑める点だ。Act1には合計3名のプレイヤーキャラクターがおり,それぞれが異なる能力を習得している。主人公的存在のウィルトは,登場キャラの中で唯一守衛を攻撃できる能力を持ち,アルノは機械の操作や修理に長けており,シスカは施錠されたドアを解錠したり,鍵穴を覗いて室内の様子を確認できたりする。また,スポット参戦するもぐらは,守衛を欺いてステージ内を自由に移動可能だ。
以上のように,プレイヤーキャラそれぞれに適正があるため,任務内容に応じたキャラの使い分けが攻略のポイントになる。一例を挙げると,施錠されたドアをシスカが開け,続いてウィルトで守衛を倒し,安全を確保したところでアルノが機械を操作するといったプレイが求められるのだ。
また,懐中電灯で周囲を照らすと,キラキラと光るポイントが見つかることがある。ここにはプレイヤーキャラクターを強化するのに必要な「コイン」が落ちているのだ。ただし,懐中電灯を付けっぱなしにしていると守衛に見つかるリスクが高まるので,無力化してから探すといいだろう。
Calvino Noirは,敵地にこっそりと潜入して,気付かれぬよう任務達成に挑むステルスアクションを,タップ操作で手軽に楽しめる作品だ。難度は少々高めで,ゲームオーバー時のロード時間が少し長いのが気になるが,全体的な完成度は高い。渋いキャラクター達が交わす会話,タイトル画面で流れるジャズなど,ハードボイルドな魅力に満ちているので,そういった作品が好きな人にもオススメだ。
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