舞台「斬劇『戦国BASARA』小田原征伐」のゲネプロをレポート。豊臣による小田原攻めの中，繰り広げられる若き武将達のやり取りを，オリジナルストーリーで表現

　2017年8月11日から8月27日にかけて，カプコンのアクションゲーム「戦国BASARA」シリーズを原作とする舞台「斬劇『戦国BASARA』小田原征伐」の公演が，東京・AiiA Theater Tokyoおよび大阪・立命館いばらきフューチャープラザ グランドホールで行われている。
　初日の公演前に行われた公開ゲネプロ（通し稽古）の模様をレポートしたい。

■出演者（敬称略）

眞嶋秀斗（伊達政宗）
松村龍之介（真田幸村）
中尾拳也（徳川家康）
沖野晃司（石田三成）

井上正大（片倉小十郎）
椎名鯛造（猿飛佐助）
白又敦（長曾我部元親）

伊藤裕一（黒田官兵衛）

橘龍丸（山中鹿之助）
寺山武志（北条氏政）
末野卓磨（風魔小太郎）
大山将司（大谷吉継）

小谷嘉一（毛利元就 ※Wキャスト）
健人（毛利元就 ※Wキャスト）

「斬劇『戦国BASARA』小田原征伐」公式サイト

（C）斬劇「戦国BASARA」小田原征伐 （C）宮川舞子

　ゲネプロの前に，キャストおよびスタッフがステージに登壇。伊達政宗役の眞嶋秀斗さん，真田幸村役の松村龍之介さん，徳川家康役の中尾拳也さん，石田三成役の沖野晃司さん主演の4名を筆頭に，キャスト陣が本公演にかける意気込みや，人気が高く長期にわたって展開している舞台の「戦国BASARA」シリーズに起用された喜びなどを語った。


　また構成，演出，脚本を手がけるヨリコジュン氏は，原作となる「戦国BASARA」の開発スタッフとディスカッションを重ねたことや，キャスト陣と共に芝居に今まで以上に力を入れて取り組んだことを紹介。「全員が納得し，信頼し合えたからこその仕上がりになっています」とコメントした。

　企画・原作監修を務めたカプコンの小林裕幸氏は，今回の話は関ヶ原を舞台とした前作の少し前を描いていることに言及。豊臣にまだ勢いがある時代の完全新作，完全オリジナルストーリーになっており，前作を見た人はもちろん，初めてという人にも分かりやすい内容だとした。またキャスト陣についても，引き続き登場するキャストや新キャスト，毛利元就のWキャストなど，それぞれ楽しんでほしいと話した。


　小田原征伐といえば，豊臣秀吉が北条氏政らを滅ぼした戦いだが，今回の舞台では，それを伊達政宗，真田幸村，徳川家康，石田三成の4武将を主人公として描いている。前作同様，一見クールだが実は熱い政宗と，熱血すぎてときに滑稽にすら映る幸村，そして“絆の力”を標榜する家康と，あくまで主君を重んじる三成は，それぞれがライバルとして対比的に描かれる一方，今回は互いに信頼し合っている姿も強調されており，そのへんが見どころになる。


　そんな彼らと小田原攻めの中心人物である北条氏政などの武将達が，大谷吉継，毛利元就の策に翻弄されて……というのが舞台のストーリーなのだが，なかなか先の読めない展開になっており，最初から最後まで目が離せない。
　もちろんや大音量のBGMとSE，スクリーンに投影される映像，そして“斬劇”ならではのド派手な殺陣も，ときにシリアスに，ときにコミカルに展開するストーリーを彩り，まさに「戦国BASARA」ならではの舞台に仕上がっている。本公演を鑑賞する予定の「戦国BASARA」シリーズのファンは，ぜひ期待してほしい。

「斬劇『戦国BASARA』小田原征伐」公式サイト