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「そうだ アニメ,見よう」第41回は「魔法使いの嫁」。WIT STUDIOの和田プロデューサーへのインタビューを掲載
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印刷2017/11/09 11:00

連載

「そうだ アニメ,見よう」第41回は「魔法使いの嫁」。WIT STUDIOの和田プロデューサーへのインタビューを掲載

画像集 No.033のサムネイル画像 / 「そうだ アニメ,見よう」第41回は「魔法使いの嫁」。WIT STUDIOの和田プロデューサーへのインタビューを掲載

 WIT STUDIO制作の劇場版アニメ「進撃の巨人 Season2〜覚醒の咆哮〜」が,2018年1月13日に公開されることが決定した。同時に,TVアニメ「進撃の巨人」のSeason3が2018年7月よりオンエアされることが発表され,続編を待ち望んでいたファンにはうれしいサプライズとなったのではないだろうか。

 さて,「そうだ アニメ,見よう」第41回のタイトルは「魔法使いの嫁」。原作は,ヤマザキコレ氏が「月刊コミックガーデン」で連載中のファンタジーコミックだ。2016年にアニメ化プロジェクトが始動し,オリジナルアニメ「魔法使いの嫁 星待つひと」がOADとして原作コミックに同梱後,3部作として劇場でイベント上映されている。
 そして,10月からTVアニメシリーズの放映がスタートしている。アニメーション制作は,OAD版と同様に前述のWIT STUDIO,脚本に高羽 彩氏,監督・シリーズ構成は「劇場版 弱虫ペダル」や「君に届け」の長沼範裕氏が務めている。


「魔法使いの嫁」


画像集 No.002のサムネイル画像 / 「そうだ アニメ,見よう」第41回は「魔法使いの嫁」。WIT STUDIOの和田プロデューサーへのインタビューを掲載
 他人には見えないものを見ることができる少女・羽鳥チセ(CV:種﨑敦美)は,その力のせいで他人からも家族からも疎まれ,孤独に生きてきた。帰る場所も生きる理由も,何も持ち合わせていない彼女は,オークショニアの誘いに応じてイギリスに渡り,自分自身を商品として闇の競売会へ出品してしまう。

 そこでチセは,ヒト為らざる魔法使い,エリアス・エインズワース(CV:竹内良太)に500万ポンド(約7億円)の値で落札された。チセを自分の屋敷に連れ帰ったエリアスは,彼女が特殊な魔法的性質を持つ「夜の愛し仔(スレイ・ベガ)」であることを打ち明け,自分の弟子にすると宣言する。
 驚き戸惑うチセに,エリアスはさらに「君を僕のお嫁さんにするつもりでもあるんだ」と告げるのだった。

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特殊な体質“スレイ・ベガ”である少女・チセ
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動物の骨のような頭部のエリアスは“茨の魔法使い”と呼ばれている

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 本作の舞台となるのは,イングランドの片田舎。緑豊かな大自然の中で,生きることに絶望した少女が,悠久の時を生きる魔法使いとの生活の中を通じて,生きる意味をつかんでいく。本作は,幻想的な映像と繊細なシナリオでつづられる作品だ。
 見た目がちょっと恐ろしげなエリアスは,何を考えているかつかみにくいものの,非常に紳士的な人物。第2話で,過去の出来事を話すことをためらうチセを,エリアスは「どういう過程や過去があれ,今君がここにいる現実は変わらない」と力づける。
 生まれ持った資質により傷つけられてきた少女が,エリアスや妖精のシルキー(CV:遠藤 綾)といった,人間以外のものとの触れ合いの中で,徐々に自らの足で歩むための力を取り戻していく。その様子がじんわりと胸に染み込んできて,思わずグッとくる。本作は,主人公チセの成長を描いた"癒し系"アニメなのだ。

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プロデューサーの和田丈嗣氏が語る「魔法使いの嫁」の魅力


 本作は,2クール(全24話)で放送されることが発表されている。半年間という長丁場で,このファンタジックな話がどう展開していくのか。本作のプロデューサーであり,制作を担当するWIT STUDIOの代表取締役社長でもある和田丈嗣氏に話を聞いてみた。

画像集 No.013のサムネイル画像 / 「そうだ アニメ,見よう」第41回は「魔法使いの嫁」。WIT STUDIOの和田プロデューサーへのインタビューを掲載
WIT STUDIO 代表取締役社長 和田丈嗣氏

4Gamer:
 アニメの題材として「魔法使いの嫁」を選んだ理由をお聞かせください。

和田丈嗣氏(以下,和田氏):
 たまたま本屋さんで面白そうな表紙だなとコミックを手にとったのが「魔法使いの嫁」でした。読んでみたら,その世界観に一気に引き込まれました。そして,この「魔法使いの嫁」を出版しているマッグガーデンは,実は弊社WIT STUDIOと同じI.Gポートの子会社なんです。元々,マッグガーデンの作品をアニメ化したいと常々狙っていたので,これは運命だなと思いました。

4Gamer:
 カバーのイラストがきっかけだったんですね。

和田氏:
 そうですね。それで読んでみたら,僕の好きなファンタジーだったんです。うちの会社ってファンタジーやSF,異世界ものなどをメインに扱っているので,題材にも合ってるなと思って,すぐに I.Gポートの石川(光久)に相談したところ,僕がやりたいって言うと思っていなかったみたいで,他社でのアニメ化を検討していたんです。

4Gamer:
 危ないところでした(笑)。

和田氏:
 この作品はすごく可能性を秘めていて,王道として映像にできる作品だと思ったんです。ぜひやりたいと話をしたところ,すぐにマッグガーデンの編集部に話をつないでもらって,この企画がスタートしました。
 そして,最初にとにかく自分達の想いを詰め込んだグランドPVを作らせて頂きました。ほんとうに僕がやりたいと言って押し切った形ですね。


4Gamer:
 そこまで和田さんを引き付けたものは何でしょうか。

和田氏:
 原作者のヤマザキ先生が描いているファンタジーとしての世界観,そのルールがしっかり作り込まれている部分ですね。
 職業柄,コミックなどの作品を見るときには,「アニメとして映えるかどうか」で見てしまうんです。アニメにする際の“余白”があり,僕らの想像力を原作の世界観の上に乗せて,広げて見せることができるかどうかです。

4Gamer:
 世界観のルールですか。細かく世界観の設定が作り込まれているということでしょうか。

和田氏:
 そうですね。ルールがしっかり描かれていることによって,この世界で生きている人達がどんな生活をしているか考えることができる。この想像力を広げることができる余白が残っているかどうかですね。具体的に言うと,世界のルールが曖昧でキャラクターありきの作品は,ちょっと厳しいです。ルールが無いと発想する土台が無いため広げようがありません。

 例えば,「進撃の巨人」はほんとに素晴らしくて,あの作品のサイドストーリーとかいくらでも作れるじゃないですか。世界のルールと価値観が,作者から生み出されたた唯一無二のものであって,それがしっかり物語の核になっているものこそがアニメになり得るものだと思っているんです。「魔法使いの嫁」はそうした核を持っている数少ない作品の一つだったと思っています。

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4Gamer:
 ヤマザキ先生が,作品の世界観とルールをしっかり作り上げていたということですね。

和田氏:
 (ヤマザキ先生)ご本人に聞いてみても,昔から空想するのが好きな方で「あの世界は私のそばにある」とおっしゃってました。“ファンタジーの世界がそばにある”というのが本作のコンセプトなので,まさしくそういう方でしたね。


アニメーションで“ヤマザキワールド”を表現した第3話


4Gamer:
画像集 No.015のサムネイル画像 / 「そうだ アニメ,見よう」第41回は「魔法使いの嫁」。WIT STUDIOの和田プロデューサーへのインタビューを掲載
 本作はTVシリーズの前に,「魔法使いの嫁 星待つひと」3部作が先行して制作されました。「星待つひと」とTVシリーズではどのような違いがあるのでしょうか。

和田氏:
 「星待つひと」は,TVシリーズの前日譚となるストーリーで,ヤマザキ先生にオリジナルで起こしていただいた作品です。この物語は,チセの主観でお話が進行します。TVシリーズとは映像のスタイルも変わっていて,TVシリーズはチセとエリアスの物語なんです。
 「星待つひと」を事前に見ていると,TVシリーズを見ていただいたときに,思わず「ニコッ」としてしまうようなシーンが随所に散りばめられています。

4Gamer:

 原作やTVシリーズを補完しているということですか。

和田氏:
 はい,その通りです。TVシリーズは,原作をそのまま作りたかったという思いがあったので,先行する「星待つひと」では,オリジナルでヤマザキ先生の世界観をしっかり理解してもらうという意図があったんです。
 また,「星待つひと」の舞台となるのは日本です。原作で描かれているヨーロッパと地続きになっている日本がどういう風に描かれていて,そこに怪異や妖怪といった不思議なもの達が,どういう風に存在しているかを描くのが最大のポイントでした。
 あの世界の日本で,チセはどういう風に生きていたんだろう。あそこまで自分に対して希望を持たずに,売られることを選択した少女がどういう人生を歩んでいたのか。「星待つひと」では,ここを表現したかったですね。

4Gamer:
 TVシリーズで表現したかったポイントはどういった部分でしょうか。

和田氏:
 第3話が分かりやすいですね。作中でドラゴンが亡くなるシーンがあるんですが,あのシーンは「魔法使いの嫁」の価値観が,とても豊かに表現されていると思っています。マンガのコマで表現されているものを,動き,色彩,背景,音を使って,コマの奥や外側に広がっている全てを表現していく。
 そして,これはとても大変なことなのですが楽曲もシーンに合わせてオーダーメイドで作らせて頂きました。原作のテイストをそのままに,アニメーションならではの多様な手法を使って表現していきました。

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4Gamer:
 ドラゴンのネヴィン(CV:大友龍三郎)が,空を飛ぶというイメージをチセに見せるシーンですね。

和田氏:
 そうです。このシーンこそがアニメ化したときにやりたかったことです。マンガという手法でヤマザキ先生が描かれていたものを,より豊かに伝えられる可能性がある。そして,これは原作ファンがマンガを読んで頭の中に描かれていた想像力との勝負だと思っています。

4Gamer:
 ヤマザキ先生からは,アニメ化にあたっての要望などはあったのでしょうか。原作者によっては,すべてお任せというスタンスの方もいらっしゃるようですが。

和田氏:
 ヤマザキ先生とは月に1度ぐらいの頻度でお会いしてますね。基本的には,こちらに任せていただいていますが,「魔法使いの嫁」は「任せる」で許される作品ではないですよね。
 本作の世界観のルールはヤマザキ先生にあるので,コミックだけでなく“ヤマザキコレそのものをどう表現するか”ということが,今回重要なんじゃないかなと思っています。
 彼女の頭の中をどう出してきてもらうか。それでいうと脚本などの細かい部分はもちろん,大きなコンセプトや映像的なイメージとかで,お力添をいただいてる感じですね。

4Gamer:
 アニメ化というと,尺の都合でのカットや改変がやはり気になりますが,本作はシーンのカットも少なく,第5話まで本当に原作準拠の内容で驚きました。

和田氏:
 うちはそのまま作るんですよ(笑)。

画像集 No.012のサムネイル画像 / 「そうだ アニメ,見よう」第41回は「魔法使いの嫁」。WIT STUDIOの和田プロデューサーへのインタビューを掲載

4Gamer:
 WIT STUDIOは,「進撃の巨人」や「甲鉄城のカバネリ」といった,アクション作品に強いという印象があるのですが,今回の作品ではそのあたりは控えめにしているのでしょうか。

和田氏:
 「進撃の巨人」や「甲鉄城のカバネリ」もそうなんですが,心情ドラマの昂ぶりを表現する一つの手段としてアクションを使っているんです。主人公の物語として,ちゃんとドラマを盛り上げるために使うわけですね。このドラマに注目していくということが,弊社の特徴だと思っています。そのため,「魔法使いの嫁」でも,チセとエリアスに関係するドラマ部分にフォーカスを当てて作っています。
 あと,「魔法使いの嫁」の後半になるに従ってアクションシーンの見せ場がいっぱい入る予定です。楽しみにしてください。

4Gamer:
 原作のボリュームアップという意味で,キャラクターの心情のほかに,エリアス邸の近所やアイスランドの草原といった,コミックでは見られなかった背景が印象的でした。これは意図的に挿入しているのでしょうか。

和田氏:
 この作品では,背景美術をバンブーさんにお願いしています。「攻殻機動隊 S.A.C.」シリーズなどで有名で,弊社だと「屍者の帝国」等いろいろ一緒に作らせて頂いているスタジオです。バンブーさんが描いてくださる一枚の絵は,その世界を説明無しに表現することができます。その絵を生かす形で,監督が全体をコントロールしてくれています。
 今回,セリフや言葉,音楽などの演出のバランスでいうと,背景美術に頼っている部分は大きいですね。その部分をお任せできる分,チセの心情などの部分に力を入れることができたので,非常に助かりました。

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4Gamer:
 原作のコマとコマの間を,イングランドの風景がつないでいましたね。

和田氏:
 僕自身実際に絵を見て初めて,「魔法使いの嫁」の世界を知った感じです。ドラゴンも思ったよりも大きかった(笑)。

4Gamer:
 動くと一層大きく見えました。そのほかに,アニメ化にあたってこだわっている部分はあるのでしょうか。

和田氏:
 今回,フライングドッグさんに無理を聞いていただいています。物語のキーとなるシーンに,挿入歌をオーダーメイドで作っていただきました。これは,本当に大変な作業でして……。

4Gamer:
 えっ,毎回ですか?

和田氏:
 はい,毎回です。ですから,凄く大変です,今(笑)。でもアニメ制作に携わっている人であれば,みんなやってみたい手法だと思うんです。挿入歌は通常,事前に作って,それをシーンに沿って入れ込んでいくのですが,本作では「このシーンにあった挿入歌を作ってください」と,作品に合わせて発注させていただいています。

4Gamer:
 劇場版の作り方に近いですね。

和田氏:
 その通りです。いわゆるフィルムスコアリングの手法に近いですね。曲の長さも尺に合うようにして,シーンに沿うものを作っています。大変ですけど,第3話を見て,「この場面には,この曲じゃないと成立しない」と強く思いました。
 今後,どんな曲が挿入歌として入ってくるんだろうと,楽しみにしていただけたらと思っています。

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アニメ版「魔法使いの嫁」のテーマは“家”


4Gamer:
 アニメ版「魔法使いの嫁」のテーマをお聞かせください。

和田氏:
 長沼監督と話していたんですが,アニメ版のテーマは“家”になりますね。居場所とも言えます。最初チセは,エリアスの家に連れていかれます。「星待つひと」では,ずっと団地の描写が入ってました。登場人物の安心できる場所として“家”が出てくるわけです。
 それは“家族”とはちょっと違っていて,血が繋がっていなくてもいい「なにかそういう場所を求めている」人達を描きましょうということになったんです。

4Gamer:
 家族ではなく“家”なんですね。

和田氏:
 人を探すのではなく,居場所を探すということですね。大枠としてこのテーマがあって,そこに個人として,チセやエリアスの成長などが描かれるわけです。長いシリーズを作るにあたって,一本明確なスジを通さないといけないと思っています。

4Gamer:
 和田さんのお気に入りのキャラクターやエピソードは?

和田氏:
 「魔法使いの嫁」は,アメリカとフランスで先行上映してるんです。それを監督とヤマザキ先生と一緒に見たんですが,みんな何故かエリアスの「パピー」という言葉で爆笑していたのをとても覚えています。

4Gamer:
 ええと,エリアスがチセへの呼びかけに使う「僕のパピー」ですよね?

画像集 No.020のサムネイル画像 / 「そうだ アニメ,見よう」第41回は「魔法使いの嫁」。WIT STUDIOの和田プロデューサーへのインタビューを掲載

和田氏:
 はい。そこで笑うんだと驚きました。不思議ですよね。
 あと,魔法表現を,ちゃんと映像として格好良く見せたい,そこをがんばろうと思っているので,第1話で(エリアスとチセが)飛ぶときに茨が出るシーンとか,第2話でチセの能力で水晶の花が咲き乱れるシーン,伝書鳩のように手紙が舞うシーンなどが気に入ってます。
 それと,チセが話しているところにくっついてくる,妖精や不思議な生き物達ですね。

4Gamer:
 画面の端で絶えず何かが動いていて,楽しげです。

和田氏:
 「ハリー・ポッター」もそうですが,ファンタジーがファンタジーたりえるには,その世界の不可思議なものが表現されていることが重要だと思っているんです。今回,スタッフがその部分をすごく丁寧に作っていてくれていて,そういうシーン一つ一つがとても気に入っています。

4Gamer:
 先ほど魔法表現の話が出ましたが,「魔法使いの嫁」の魔法は,今流行の魔方陣が出て……というのとはちょっと違いますよね。手品みたいにすごく自然です。

和田氏:
 これはもうヤマザキ先生の世界観ですね。いろんなものが,「魔が差す」という言葉の通りにスッと現われて隣にいる,そばにある。これはヤマザキ先生なりのものだと思っています。
 エリアスは茨の魔法使いなので,魔法の発動のときに茨が現われるんですが,ヤマザキ先生らしい静かな発動シーンですよね。

画像集 No.021のサムネイル画像 / 「そうだ アニメ,見よう」第41回は「魔法使いの嫁」。WIT STUDIOの和田プロデューサーへのインタビューを掲載

4Gamer:
 このインタビュー掲載の時点で,第5話まで放送されています。第6話以降の見どころをお願いします。

和田氏:
 ネタバレしないとなると,なかなか難しいですね。ああ,第5話で猫の話が終わりました。そして今度は犬編になります。犬好きの方はご堪能ください!

4Gamer:
 すごくざっくりですが,分かりやすいです(笑)。チセとエリアスの関係性はどうなっていくのでしょうか。

和田氏:
 アニメ版「魔法使いの嫁」は,2クールで結末を迎えます。それがどんな形になるかはまだ言えませんが,そこでチセとエリアスの関係にも,答えが出ると思うんです。そこに至るまでの過程が各エピソードに散りばめられていくので,見逃さないようにしてください。

4Gamer:
 最後に読者へのメッセージをお願いします。

和田氏:
 「魔法使いの嫁」はファンタジーで,世界観がしっかりとした作品です。「人喰いの大鷲トリコ」「風の旅ビト」という作品のような,世界そのものを表現しようとがんばっています。
 僕の好きなそういう作品に近い匂いを持ったアニメですし,物語として一本スジの通った作品なので楽しんでもらえるといいなと思っています。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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 絶望に打ちひしがれていた少女・チセが魔法使いエリアスと出会うことで,物語はどう展開していくのか。ドラゴンや妖精などファンタジーの世界の住人に出会うことで,彼女の持つ“辛いだけの現実世界”はどんどん変化していく。そんな生活の中で,チセは世界の本当の姿を知ることになるのだろう。
 「これは世界の美しさを識る為の物語」と謳われる本作が,どのような世界を見せてくれるのか,今後の展開から目が離せない作品となりそうだ。
 なお,デフォルメされたチセ達の日常が描かれる,スピンオフショートアニメ「まほよめ」公式Twitterにて公開されている。毎週火曜日に更新されているので,さらに「魔法使いの嫁」の世界に入り込みたい人は,さっそく視聴してみよう。

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アニメ「魔法使いの嫁」公式サイト


放映データ
2017年10月〜2017年3月まで
全24話
キャスト
羽鳥チセ:種﨑敦美
エリアス:竹内良太
ルツ:内山昂輝
シルキー:遠藤 綾
アンジェリカ:甲斐田裕子
サイモン:森川智之
セス:諏訪部順一
リンデル:浪川大輔
ミハイル・レンフレッド:日野 聡
アリス:田村睦心
ティターニア:大原さやか
オベロン:山口勝平
カルタフィルス:村瀬 歩
スタッフ
原作:ヤマザキコレ(マッグガーデン刊)
シリーズ構成/監督:長沼範裕
脚本:高羽 彩
キャラクターデザイン:加藤寛崇
色彩設計:小針裕子
美術監督:竹田悠介
撮影監督:鈴木麻予
CGIディレクター:須貝真也
特効監修:谷口久美子
特殊効果:荒畑歩美
2Dワークス:西谷知恵
編集:今井大介
オープニングテーマ:JUNNA「Here」
エンディングテーマ:糸奇はな「環-cycle-」
音楽:松本 淳一
音楽制作:フライングドッグ
音楽制作協力:BASiLiCA
音響監督:はたしょう二
音響効果:出雲範子
音響制作:サウンドチーム・ドンファン
アニメーション制作:WIT STUDIO
製作:魔法使いの嫁製作委員会

■Blu-ray情報

完全数量限定生産Blu-ray 全4巻

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【パッケージ情報】
完全数量限定生産Blu-ray 第1巻 ※6話収録
価格:18,000円+税
発売・販売元:松竹

パッケージ発売記念イベント実施決定
詳細は後日発表!


【特典内容】
・原作者ヤマザキコレ描き下ろしBOX
・キャラクターデザイン加藤寛崇描き下ろしジャケット
・原作者ヤマザキコレ描き下ろし漫画
 「断片集 魔法使いの嫁」第1片(36P)
・オーディオコメンタリー 第1話・第2話
(原作 ヤマザキコレ/脚本 高羽彩/プロデューサー 和田丈嗣)
・特典映像(「魔法使いの嫁 星待つひと」イベント映像集)
・複製絵コンテ「Storyboard Selection」(第3話)
・購入者限定特典応募用シリアルコード(1)
(2018年春イベント優先申込み & 抽選で
 500名限定,最終話エンドクレジット掲載)
※最終話エンドクレジット掲載のご応募は,Blu-ray第2巻に封入される特典応募用シリアルコード?が必要となります。当選者につきましては,Blu-ray第4巻に収録される最終話エンドクレジットへの掲載を予定しております。TV放送される最終話とは異なりますので,予めご了承下さい。
※商品仕様等は変更となる可能性がございます。


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【発売スケジュール】
第1巻 2017年11月29日(水)発売
第2巻 2018年3月21日(水)発売
第3巻 2018年5月30日(水)発売
第4巻 2018年7月25日(水)発売
(C)2017ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会
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