プレイレポート
「真・三國無双 英傑伝」の体験版をひと足先に触ってみた。シミュレーションRPGになっても,一騎当千の爽快さは健在
「真・三國無双」15周年を記念して発売される本作は,これまでのようなタクティカルアクションゲームではなく,なんとシミュレーションRPG(以下,SRPG)。蜀の趙雲を主人公に据え,シリーズの世界観を踏襲しつつ,オリジナルキャラクターなども登場し,原作となる「三国志演義」のアナザーストーリーが描かれている。
その発売を前に,2016年7月7日より,本作の体験版が配信されることが決定した。SRPGとなった無双シリーズの雰囲気に触れるいい機会となるわけだが,4Gamerはそれを配信に先駆けて体験できたので,プレイレポートをお届けしよう。
趙雲とその幼馴染み雷斌(らいひん)を中心に描く
「三国志演義」のアナザーストーリー
シリーズ初のSRPGとなった本作は,ストーリーもこれまでの作品とは少し毛色が異なっている。背景となる物語はもちろん「三国志演義」となるが,そこにファンタジー色が加えられているのだ。
本作の舞台となるのは,黄巾の乱の残り火が各地にくすぶっている後漢末期の中国。冀州常山郡(きしゅうじょうざんぐん)に暮らす趙雲と,その幼馴染である雷斌(らいひん)が,黄巾賊の残党が見つけたという“謎の祠”に向かい,氷柱に眠る少女・黎霞(れいか)が目覚めるところに遭遇する。
なぜ封印されていたのか,そもそも黎霞は何者なのか,気になることは多いが,趙雲と雷斌は黎霞に急かされるまま,まず南の都,洛陽へと向かうことになる。
体験版には,魏の曹操,呉の孫堅,蜀の劉備という,三国志の主役ともいうべきキャラクターも登場しているが,ゲームの中心人物となるのはあくまで趙雲と雷斌。そこに黎霞という特別な力を持った少女が加わって,一体どのようなストーリーが展開されるのか? これまでのシリーズ作品でも,「三国志演義」で描かれた物語の“if”を楽しめたが,雷斌と黎霞という新キャラクターの登場によって,それよりもさらに一歩進んだ,オリジナリティあふれる展開に期待できそうだ。
SRPGでありながら,無双シリーズの爽快な演出はそのまま
ゲームはステージクリア形式のSRPGで,趙雲や雷斌がユニットとして戦場に登場し,敵となる勢力と戦いを繰り広げる。
ステージは四角のマスで区切られていて,そこを敵味方がターンごとに行動。勝利条件を満たすとクリアとなって次の戦場へ進み,戦いに出たユニットが成長していくという,SRPGとしては比較的オーソドックスなシステムとなっている。
最初のステージはゲームのチュートリアルも兼ねており,そこで解説された内容はいつでもメニュー画面から確認できるので,この手のゲームを初めて遊ぶ人も安心してプレイできるだろう。
それぞれのユニットは「タイプ」や装備といった要素によって,能力に違いがある。
例を挙げると,趙雲は「テクニックタイプ」で,技の命中率や攻撃時のクリティカル発生率が高く,前方に長い攻撃範囲を持つ槍を装備している。雷斌は「スピードタイプ」で,他のタイプでは行動が制限されてしまう敵ユニットの周囲のマスを自由に移動できるほか,2マス以上先にいる敵を遠距離から攻撃できる散箭度(さんせんど)という武器を持っているといった具合だ。
なおユニットのタイプにはこれ以外に「アタック」「ディフェンス」「メンタル」があり,敵味方すべてのユニットはこの5種のいずれかに設定されている。
さて,ここまで読んで「ストーリーはともかく,ゲームシステムは普通のSRPGで,“無双”らしくないのでは?」と思った人もいるだろうが,心配はいらない。シリーズの特徴である“一騎当千の爽快感”は健在だ。
本作がほかのSRPGと大きく違う点は,前述した趙雲や雷斌ような主要ユニットは単独の武将なのに対して,敵ユニットの多くが「軍団」という複数の兵で構成されることだ。両者による戦闘では,多くの敵を一気に蹴散らす演出なども挿入される。
一騎当千の気持ちよさを表現する要素はほかにもある。プレイヤーが操作する主要ユニットは複数の「技」を持っていて,戦闘時にそれらを使って戦うのだが,一回技を使ったらユニットの行動終了……とはならない。それぞれの技には,使用するために必要な「行動力」の数値が設定されており,各ユニットが持つ行動力がなくなるまで技を繰り出せるのだ。
攻撃時に技を選ぶと,画面上の行動力を表すスロットが埋まっていく。一杯になるまで選択可能で,そのつど攻撃対象を選べる仕組みだ |
技をくり出す対象を決定すると,範囲内の敵の体力がどれだけ減るかが表示される親切設計だ。体力が0になればそのユニットは戦闘不能となる |
残っている行動力が高いほど強力な技を連続で使用でき,うまく戦えば1ユニットが1ターンで複数の敵ユニットをバッサバッサと倒せるので,気分はまさに一騎当千。さらに,技には無双ゲージを溜めて使用する「無双乱舞」もしっかり用意されている。無双シリーズの気持ちよさをうまくSRPGに導入しているという印象だった。
SRPGとなったことで,従来のシリーズ作品とは違う魅力も生まれている。それが,いわゆる「ザコ敵」相手でも気が抜けない緊張感だ。アクションゲームの無双シリーズでは,普通にプレイしていれば,ザコ敵の攻撃を食らうことはあまりなかったが,本作では敵ユニットが確実に攻撃を加えてくるし,プレイヤーの腕で回避といったことももちろんできない。油断していると,思わぬところで主軸となる武将を失うことにもなる。
ちなみに倒された武将はそこで撤退するが,次のステージでは復活するのでご安心を。
じっくり腰を据えて楽しめる,新しい方向性の「真・三國無双」に期待
体験版では黄巾党の残党と戦う3ステージと,義勇軍として反董卓連合に参加して戦う2ステージの計5ステージをプレイ可能だ。最終ステージでは,後に趙雲が仕えることになる劉備と,その義兄弟である関羽・張飛も登場し,黎霞の力を借りることで,彼らもプレイヤーキャラクターとして操作できる。
SRPGとしてのゲームシステムはもちろんのこと,ユーザーインタフェースもよく作り込まれているという印象で,このあたりはさすがω-forceといったところだろうか。
体験版ということで,当然ながら一部のシステムやステージが開放されていないが,その手応えを味わうには十分なボリューム。製品版へのデータ引き継ぎも可能なので,購入を決めている人も二度手間になるのを心配しなくていい。15周年を迎えた「真・三國無双」の新たな試みを,ぜひこの体験版で味わってみてほしい。
「真・三國無双 英傑伝」公式サイト
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