プレイレポート
対神4人チームのマゾ設定で「シヴィライゼーション VI」の拡張パックに挑む。ポーランド・タートルズとローマの風呂で目指せ世界制覇
あまりに高い中毒性により,時間泥棒と化している人気シミュレーションシリーズ最新作「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI」(以下,Civ6)に,初の拡張パックとなる「文明の興亡」(海外ではRise and Fall 以下,RaF)が登場して約1か月。「あと1ターン遊びたい……」という欲望に勝てず,睡眠時間を削ってプレイしている人も多いことだろう。
筆者もそんなプレイヤーの1人だが,RaFを適用してからというものの,敵が強い。筆者はシミュレーションに難度を求めるタイプなので,あえて厳しい条件でプレイするのが好きなのだが,これまで8割ぐらいは勝てていたお気に入りの設定が,RaF適用直後は4割程度に落ちたほどだ。今は勝ち方を覚えてジワジワと勝率を上げているが,いやぁ,とにかくキツい。
しかし,そのぐらいやり応えがあるほうが燃えるというもの。RaFで高難度設定に挑むとどうなるのかをお届けしたい。
今回プレイするのは……プレイヤー2人で,最高難度の神AI4人チームに挑む,2vs.4の変則マッチだ!
神4人に挑むワケ
まずは今回の設定について説明しておこう。筆者がCiv6で長いこと遊び続けている設定は,「友人と2人でマルチプレイを遊ぶため,歯ごたえのある環境にしたい」というところから始まっている。
Civ6のマルチプレイは,対戦も協力もできるが,各文明を敵同士にして,その中でプレイヤー同士が対戦する場合,序盤の戦争で勝敗がほぼ決まってしまう。プレイヤーの人数を増やせば「戦争するとほかのプレイヤーに潰されるから様子見」という状態になってある程度改善されるが,1戦に長時間が必要なCiv6で何人も集めるのは大変だ。
ただ,協力もなかなか難しい。デフォルト設定であるマップサイズ「小」に登場する文明数は6つ。そこでプレイヤー2人が協力するとなると,敵はAI2人のチームを2組作るとちょうど良さそうに見える。しかし,この構成ではAI同士で争っているところに介入するだけで簡単に勝利できてしまうのだ。かといって,マップサイズを大きくして文明数を増やすとなると,1プレイの時間が長くなりすぎる……。
ええい,だったらAI全員,同じチームにぶちこんでしまえ! 周りは全員敵だ! 難しくするために神4人にしてやる! と,半ば投げやりにやってみたところ,大変だけどちゃんと勝てる設定が出来上がったではないか。しかも面白いことに,戦争を仕掛けまくるほうが有利なCiv6でありながら,科学や宗教,文化も意識しないと勝てないバランスになってくれる。プレイヤー同士の協力も必要となり,マルチプレイで遊ぶのにオススメできるのである。
宗教創始の失敗=敗北
というわけで,マゾ設定でゲームスタート。ランダムで選ばれた文明は,筆者がポーランド,同盟国となる友人がローマだ。ポーランドは初期配置で高級資源が3つ取れる良い立地。ローマも都市の成長に必要な真水が確保でき,高級資源もあって悪くない。香辛料にバナナにミルクに……と,なんか食い意地張ってるけど。
マップの配置的には,偶然プレイヤー側が固まっている。2人で協力できるので有利に見えるかもしれないが,今回の設定の場合,一長一短だ。こちらが固まっているということは,敵側も同様ということ。つまり,敵の固まりの奥に配置された文明には,当分手が出せないのだ。その文明が,全力で内政に走ったりすると大変なことになるので,こちらとしては急いで攻略することが求められる。
また,マップの探索により,ポーランドとローマの間には巨大な山脈があって,実はあまり近くないことも判明。お互いに援軍を出しにくい,困った地形だ。
さて,まずは何をすべきか。普通に神AIを相手するだけなら,「弓兵」によるラッシュで手近な都市を奪い,その育った弓兵を「弩兵」にアップグレードしてさらに戦争……と持って行くのが安定して強い。というか,神AIは最初から都市数やユニット数が多く,科学力や文化力,生産力などすべての産出に強烈なブーストが掛かっているので,内政だけで追いつくのが難しい。そのため,戦争を仕掛けて都市を奪い,相手の国力を落とすとともに自らも増強してからが,ようやくスタートラインと言える。例え制覇勝利を目指さないにしても,戦争をしないとお話にならないのだ。
では,急いで戦力を増強して戦争を仕掛けるべきなのか。残念ながら,今回の設定でそれをやると早期に敗北する。最初に目指すのは,宗教をとにかく急いで創始することだ。
それはなぜか。今回の設定は神AIが4人いるわけだが,文明によって注力具合に差はありつつも,それぞれが宗教の創始を狙ってくる。宗教創始に必要な大預言者(宗教系の偉人)は,ゲーム中に4人しか登場しない。つまり,放っておくとすべての宗教が敵に取られるのだ。そうなったら,チーム戦なので相手はたった2文明の宗教を塗り替えるだけで勝利となるうえに,こちらは宗教ユニットを生産できないので,布教を防ぐ術すらない。完全に詰みである。
また,宗教創始時に選択できる効果で,自分の宗教を信仰する友好な都市において,ユニットの戦闘力が強化される「信仰の守護者」を敵に取られるのもまずい。神AIの戦闘力補正と重なると,「時代が1つ違うんですが?」レベルの強化が施され,敵都市の攻略がツラくなるからだ。これを自分で確保するためにも,早期の宗教創始を狙いたい。
今回は,ポーランドの能力に宗教関連のものがあるので,筆者が創始担当に。聖地を立てるだけでなく,プロジェクトを実行して最速での大預言者獲得を目指す。
荒ぶるAIにボコられる
世界に宗教が生まれる頃,この星に存在する文明も明らかになってきた。ポーランドとローマが大陸の中央あたりに配置されており,真ん中の山脈の南側,ややポーランド寄りにヌビア,南西にインドネシア,その西にイギリス,そしてローマの北東にクメールという感じだ。つまり,普通に戦争すると,ポーランドが2,3文明を同時に相手しなければならない。
そうなる前に,1文明ぐらい潰しておきたいところだが……問題は,ポーランドから一番近い相手がヌビアということだ。ヌビアは弓兵が強力で,生産も早く,育つのも早いという,インチキくさい能力を持っている。それに神AIのブーストが加わると,半端なく強いどころか,序盤はおそらく全文明中で最強だ。こちらはただでさえ宗教にリソースを割いているので,戦争を仕掛けると,確実に滅ぼされてしまう。今できることは,開拓者で堅実に都市数を増やしつつ,都市国家の制圧を狙うことぐらいだろう。
幸い,ポーランドはどの文明にも嫌われていないので,戦争の準備をする時間ぐらいはあるはずだ。
……そのはずだったのだが,ここで事件は起きる。
「クメールがローマに宣戦布告しました!」
そっちかよ!! 当然,同盟国であるポーランドも戦争突入である。というか,プレイヤーチームとAIチームしか存在しないので,いきなり世界大戦だ。まだ戦力なんてロクに揃ってないんですけど。戦争はまだ先だと思っていたから,自分の都市すら守れないんですけど! この時点でポーランドにあるものなんて,信仰心だけである。おお,亀よ……。
速攻でクメールから戦士の集団がローマに到来。どうにか撃退はするが,盛大に内政が遅れることに |
周囲を探索していたポーランドの弓兵も,奇襲されて袋だたきに。我が国はまだ何にもしてないじゃないか,やめてくれ |
即滅亡を覚悟するポーランド。しかし,ヌビアはポーランド攻略よりも,その足がかりとなるプレスラフを優先してくれたので,全面衝突の回避に成功する。さらにヌビアは,熱帯雨林に阻まれ自慢の弓兵隊が機能せず,プレスラフ攻略にも失敗。ヌビアの兵力が減った今なら,攻勢に出るチャンスなのでは?
などと喜んでいた筆者だが,そんな甘い話はない。南の戦況が落ち着いてきたところで,北の離れた地からクメールが戦力を送り込み,ついでに宗主国を取られた都市国家のパレンケも全力で襲ってきたのである。ポーランドの首都であるクラクフを囲む敵ユニットは8体。対して,ポーランドはプレスラフ陥落に備えて南に防衛線を構築していたので,首都を守るユニットは0。防壁すらまだ完成していない。停戦だ,停戦しよう,話せば分かる。
幸い,開戦から10ターン経っていたので,和平交渉が可能に。紀元前の時点でポーランドとローマを同時に攻める戦力とか,どこから持ってきたんだよ |
停戦後,時代は早くも中世に突入。しかし,これは神AI+オンラインによって発展が早すぎるのが原因で,実は紀元前400年。なんだそりゃ |
風呂に入るローマと,騎兵隊に希望を託すポーランド
つかの間の平和を手に入れたポーランドとローマ。普通のプレイであれば,ここから軍備を増強して戦争を仕掛けていくべきなのだが,今回の設定で勝利を目指すには,避けて通れないことがある。それは劇場広場の区域を立てまくって,文化力を強化することだ。
RaF適用後の神AIはずいぶん賢くなったようで,勝利条件に向けてかなり真面目に動く。以前は宗教さえ押さえてしまえば,文化なんて捨てても戦争だけで勝てたのだが,現在の神AIの場合,敵の首都をすべて陥落させる前に文化勝利されてしまうのである。文化勝利は,条件的に「ヤバくなったから急いで妨害する」ということが難しい。そのため,こちらも地道に文化力を高めて,敵の独走を防がなければならない。
立地的に,ポーランドは激戦区になるので,後方のローマに文化の発展を託す。比較的安全な地で,風呂文化を広めてほしい。
一方,筆者のポーランドは,いくら3面戦争になるとはいえ,防衛だけしているわけにもいかない。どうにか敵の都市を制圧する算段をつけたいところだ。ポーランドは,プレスラフを取られて激怒したヌビアから宣戦布告を受けたせいで再び戦争に突入しており,遠距離攻撃ユニットである弩兵に苦戦中。こちらの主力は「剣士」なので,敵陣に飛び込むのは自殺行為だ。
今,我が軍に必要なのは,ヌビアの遠距離攻撃を突破できる機動力に優れた軽騎兵か重騎兵。そしてポーランドには,それにうってつけのユニークユニット,「ウイングフッサー」がいるではないか。ここはポーランドらしく,騎兵隊を揃えて突撃するしかない!
ヌビアの戦力の大半は叩いた。あとは首都まで突撃するだけ。我が軍の騎兵隊は無敵だ!
……そう思っていた矢先。画面の左のほうに,おかしなものが見えるんです。援軍としてやってきたインドネシアのユニットなんですけど,「騎兵」って書いてあるんですね。待て待て,待ってくれ。こちらの最新鋭の主力であるウイングフッサーは中世のユニット。対する騎兵は産業時代。時代が2つぶん違う。そこに神AIの補正が加わると,戦闘力に差がありすぎて勝負にならない。
しかも,インドネシアは技術と兵力に全力投球しているのかと思いきや,実は文化も高く,文化勝利に必要な観光客がどの文明よりも早く増えだしているではないか。
こうなっては,ヌビアに構っている暇なんてない。インドネシアを放置なんてできないし,何よりこのままヌビアに進むと,丸裸のポーランドの都市に精強なインドネシア軍が到達してしまう。反転だ,急げ!
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