プレイレポート
Nintendo Switch版「The Elder Scrolls V: Skyrim」で,素晴らしき世界の魅力を再確認した
「The Elder Scrolls V: Skyrim」公式サイト
タイトルは2011年のものと同じだが,Nintendo Switch版には「Dawnguard」「Hearthfire」,そして「Dragonborn」という,これまで配信された3つの追加コンテンツも合わせて収録されており,まさに完全版と呼べそうな内容になっている。また,詳しくは後述するが,Nintendo Switch版独自の機能も追加されており,名前は聞いたことがあるが,プレイする機会がなかったという人にはオススメの作品だ。
個人的な立ち位置のようなものを最初に書いておくと,Skyrimは控え目に言っても名作だと思っている。プレイした経験のある多くの人も,その点については同意してくれるだろう。今回は新たにリリースされたNintendo Switch版をプレイして,あらためてその魅力をお伝えしたい。
ドラゴンと戦う王道のストーリーが展開する
メインクエスト
物語は,囚人である主人公が,まさに処刑されようとするシーンで始まる。あわや,というとき,絶滅したはずのドラゴンが刑場に出現して人々を襲い始め,主人公はこの混乱に乗じて逃げ出す。そして,「The Elder Scrolls」シリーズでおなじみの「タムリエル大陸」の北方,「スカイリム地方」を舞台にした壮大な冒険に挑むことになる。
刑場を脱出したあとは,もうどのように遊んでもいい。周囲を探索したり,モンスターと戦ったり,野生動物をハンティングしたり,あるいは,村や集落を探してみたりするのも面白いが,それは今後のお楽しみとして,まずはメインクエストを進めてみよう。
思いっきりざっくり書くと,メインクエストは,ドラゴンの力を吸収できる「ドラゴンボーン」の力を開花させた主人公が,ドラゴン復活の謎に巻き込まれるという物語になっている。そのため,巨大なドラゴンと何度も戦うことになり,ファンタジーの王道展開を思う存分に楽しめる。
最初のうちは,クエストを通じてスカイリム地方を探索して,ゲームシステムに慣れていきたい。もし冒険の途中で興味がわくものを発見したら,そちらに寄り道してもいいだろう。好きなように生きていける自由度こそ,本作最大の魅力であり特徴なのだ。
シンプルさと奥深さを両立させた成長システム
主人公の成長だが,Skyrimはスキル制を採用したRPGとなっている。プレイヤーには,武器やクラフティングなどさまざまなスキルが用意されていて,プレイヤーが対応した行動をとるとスキルが成長して,その動作に長けていくというアンバイだ。例えば,片手武器を使えば使うほど,片手武器を巧みに扱えるようになり,与えるダメージが増える。
Skyrimではとくに魔法のスキルが充実しており,回復,破壊,召喚,幻惑などのカテゴリに分けられた多数のスキルが用意されている。
スキルはそれぞれ100まで成長し,スキルがいくつか上がることで主人公のレベルもアップする。主人公のレベルがアップすると,マジカ(MP),体力,スタミナのうち,いずれかを10増やすことが可能になり,さらに「能力ポイント」が1つ得られる。
各スキルには「パーク」(特殊能力)が用意されており,能力ポイントを使ってそれらを習得できる。片手武器ならば与えるダメージが20%増えたり,二刀流の攻撃速度が20%速くなるなど,パークには強力な効果を与えてくれるものが多い。
……と,文章で読むと複雑に思えるかもしれないが,実際にプレイすれば直感的に理解できるはずだ。要は「好きなことをやっているとその能力が伸び,やがてレベルがアップして全体的に強くなる」という,とてもシンプルな仕組みだ。
余談になるが,前作「The Elder Scrolls IV: Oblivion」までは腕力や知力といったステータスがあり,スキルもメジャースキル,マイナースキルなどに分類されていた。レベルアップの仕組みも,メジャーかマイナースキルが合計10上がった状態で眠るとレベルが上がり,上昇したスキルに応じて上げられるステータスの数値が変わるという,複雑かつマニアックなシステムだった。
Skyrimで,RPGによくあるパラメータを思い切って廃止し,レベルアップシステムを大幅に簡略化したことは大英断だったと個人的に思う。シンプルで分かりやすくなり,またパークによって個性が出せるため,とても楽しく,遊びやすい。Oblivionを遊んだけど,成長システムになじめなかったという人も,ぜひ本作を試してほしい。きっと気に入るはずだ。
またSkyrimには,レベルアップ以外にも主人公を強化できる要素がいくつかある。活用したいのは,世界各地に点在している「石碑」で,この石碑に祈りを捧げると特殊効果が得られるというものだ。
例えば「戦士の石碑」であれば,片手武器や弓術といった戦士系スキルの上昇速度が20%速くなる。石碑ごとに得られる効果は異なるので,自分のプレイスタイルに合った石碑を探してみるといいだろう。
人助けから暗殺まで。サイドクエストの内容は幅広い
メインクエスト以外にも,Skyrimには豊富なサイドクエストが用意されている。内容はバラエティに富んでおり,ちょっとした人助けから暗殺の依頼という物騒な内容まで,さまざまな物語が楽しめる。
スケールの大きなものとしては,内乱を扱ったサイドクエストがある。スカイリム地方では,統治する「帝国」と,それに反旗を翻す「ストームクローク陣営」が争っており,プレイヤーキャラクターがそのどちらかに加勢して戦うという内容だ。このほか,志を持った盗賊として仕事を行う盗賊ギルドや,依頼された暗殺を引き受ける暗殺ギルドなど,ギルドがらみのクエストも数多く用意されており,ハンパない充実度だ。
さらに,邪神のような異世界の住人,「デイドラ」から受けられるクエストもある。デイドラは1人ではなく,クエストは一定レベル以上でないと受注できないが(必要レベルはクエストごとに異なる),「神から受けられるクエスト」という異世界感バツグンの物語は,ぜひとも体験しておきたい。
壊れないロックピック「不壊のピック」や,何度でも使える魂石「アズラの星」など,シリーズではおなじみのアーティファクトが報酬としてもらえるクエストもあるので,実用度は高い。
これらのサイドクエストを通じて,「The Elder Scrolls」シリーズの世界観がたっぷり堪能できるので,ぜひ楽しんでほしい。
生産要素がメッチャ楽しいのです
さて,ここで筆者が好んでいる要素である,生産と生活を紹介したい。本作に多数のスキルがあることは上に述べたとおりだが,「鍛冶」や「錬金術」など,アイテムを作成できるものも少なくなく,これが実に楽しいのだ。
鍛冶は文字通り,武器や防具を作成できるもの。洞窟などで見つかる採掘ポイントで鉱石を掘り,それを精製してインゴットを作成する。また動物を狩って皮を収集し,それをなめして革ひもを作る。こうして作った素材を組み合わせて装備を作るわけだ。最初は鉄や革などしか使えないが,スキルを成長させれば黒檀や碧水晶などを使った,強力な装備が作成できるようになる。
装備には,「付呪」というスキルで追加効果,いわゆるエンチャントを与えることができる。付呪で効果を追加した装備は高く売れるため,お金を稼ぎながらスキルを上げられるという流れが,とてつもなく楽しいのだ。
錬金術も見逃せない要素だ。Skyrimの世界を探索すると,さまざまな素材が手に入るが,錬金術スキルを使うと,これらを組み合わせてポーションを作成できるのだ。一部のポーションは高く売れるので,こちらもお金稼ぎに向いている。
なんでそんな金稼ぎの話ばかりなのかと思われるかもしれないが,これは家を購入するため。Skyrimでは大きな都市で家を買えるのだが,結構なお金が必要になるので,まずは生産系のスキルでお金を稼ぐのが筆者のプレイスタイルなのだ。
街の周囲を探索して錬金術の素材を集め,たまに遭遇する盗賊を返り討ちにして装備をいただき,アイテムが持ちきれなくなったら家に戻って保管したり売り払ったりする。素材が集まっていたら生産してスキルを上げ,それらを売って身軽になったらまた探索へ。このサイクルが楽しくて,新キャラで最初からプレイし直しても,結局このスタイルに落ち着いてしまう。
さらに言うなら,前作の「Oblivion」どころか,その前の「The Elder Scrolls III: Morrowind」からこのプレイスタイルで楽しんでいる。
Nintendo Switchならではの機能も搭載
さて,7年ぶりの移植作となるSwitch版の特徴としてまず挙げられるのが,携帯モードでいつでもどこでもプレイ可能ということだろう。まあ,Switchなので当然と言えば当然なのだが,これまではPCまたは据え置き型のコンシューマ機でしか遊べなかった本作が,公園でも電車の中でもどこでもプレイできるという点を嬉しいと思う人も多いはずだ。
筆者の場合,ほとんど家から外に出ないのだが,布団の中でゲームができるのが嬉しい。まだまだ寒いし。
またSwitch版は,amiiboにも対応している。パワーのカテゴリにある「amiibo」という能力を使用すると,地面に光の輪が発生し,この状態でamiiboを読み込ませると宝箱が出現して,ちょっとしたプレゼントが手に入る仕掛けだ。1つのamiiboは現実時間の1日に1回使用できる。
なお「ゼルダの伝説」シリーズのamiiboを使用すると,特別な報酬がもらえるようだが,筆者の手元には「スプラトゥーン」のamiiboしかなかったので,試せなかった。持っている人は,ぜひ試してほしい。
Skyrimは,2011年発売の作品でありながら,今なお色あせない魅力を放っている。Switchは持っているが,本作をまだプレイしたことがないという人は,ぜひこの素晴らしい冒険や生活を楽しんでほしい。筆者は,本編はプレイしたが,追加コンテンツは持っていないという口なので,今回はいろいろと新鮮でもあった。いやー,何度遊んでも,やっぱり楽しいなあ,Skyrim。
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