プレイレポート
ファン待望のシリーズ最新作! 戦車(クルマ)でTOKIO砂漠を駆け抜け,巨大モンスターに粉砕される「METAL MAX Xeno」プレイレポート
コンシューマ向けのシリーズ作品としては,2013年にリリースされたニンテンドー3DS用ソフト「メタルマックス4 月光のディーヴァ」以来5年ぶりの新作とあって,ファンはせっせとドラム缶を押しつつ(?)発売日を待ちわびているに違いない。
“戦車と人間の真・世紀末RPG”と銘打たれた本作は,どのような変化を遂げているのだろうか。一足先にゲームをプレイする機会を得られたので,そのプレイレポートをお届けしよう。
「METAL MAX Xeno」公式サイト
最後の砦・アイアンベースを拠点に
人類を絶滅の危機から救い出せ
本作の舞台となるのは,かつて繁栄を極めた“ニッポン”の首都「TOKIO」の跡地,通称「デストキオ」だ。人工知能NOA(ノア)が率いる殺戮機械の軍団と,人類根絶を狙う新種のモンスター「SoNs(サンズ)」によって文明は次々と破壊され,人類は絶滅寸前にまで追い込まれている。
主人公は機械の軍勢に母親を殺害され,モンスターへの復讐を誓った男・タリス(名前は変更可能)。タリスは人類の生き残りと共に,モンスターとの戦いに挑むことになる。
ゲームを通じての目標は,生き残っている人類を探し出し,人類存続の脅威となるモンスターを撃破すること。ストーリーの進行によって人類の「絶滅指数」が上下し,強力なボスモンスターとして登場するSoNsや,「WANTED」と呼ばれる賞金首モンスターを倒すことで数値を減少させられる。まずは砂漠と化したデストキオを探索し,人類存続のジャマになるモンスターを撃滅していこう。
人類反攻の拠点となるのが,タリスの仲間達が集う「アイアンベース」だ。アイアンベースでは,ダメージを受けたキャラクターの回復や,破損したクルマの修理&補給に加え,兵器の製造&改造,各種アイテムの購入などが行える。
◯パーティメンバー
◯アイアンベースの仲間
ダヌンツィオ:アイアンベース内に設置されたアイテムショップやバーの切り盛りをする元軍人。見た目に反して優しい心の持ち主で,なぜかオネエ口調 |
ジンゴロウ:クルマの整備や改造,パーツ製造を一手に引き受ける最年長者。真性のクルマ好きで,まるで本物の女性に接するようにクルマをカスタマイズする |
デストキオの荒野に繰り出すと,そこは大量のモンスターが徘徊する世界だ。フィールドの探索は,基本的に「クルマ」(この世界では戦車もクルマの一種)を使って行うことになる。もちろん生身で歩き回ることも可能だが苦戦は必至で,大型のモンスターには太刀打ちできない。クルマが壊れて走行できなくなった場合は,いったんアイアンベースに帰還しよう。フィールド探索中はいつでもワープで拠点に戻れるので,帰りの心配は無用だ。
探索中に「ベスターポート」と呼ばれるシグナルに接触すると,以降はその場所へワープ移動が可能になる。新しいフィールドに到着したら,まずはベスターポートの確保を目標に探索を進めるべし。
また,フィールドには「リメインズ」と呼ばれるダンジョンが存在し,内部を探索することができる。入り口が狭いリメインズにはクルマが入り込めないので,その場合は徒歩で探索しなければならない。リメインズを探索する場合は,生身での戦闘が得意な味方を連れていこう。
リメインズの探索などで「書物」を発見すると「テクノロジー・スコア」が増加し,これが一定値に達すると「テクノロジー・レベル」が上昇する。このテクノロジー・レベルに応じて,アイテムショップに商品が追加されたり,新たな兵器の改造&製造が可能になったりするので,リメインズ探索は積極的に行いたい。
シールドと積載重量のバランスがキモ
敵に応じた最適なクルマにカスタマイズ
続いては「メタルマックス」シリーズのキモとも言えるバトルと,クルマのカスタマイズシステムを紹介していこう。本作のバトルシステムはコマンド入力式で,敵味方が行動を決定したあとはステータスに応じて行動順が決定される。
徒歩とクルマ搭乗時の戦闘方法は基本的に同じだが,クルマはETシールドと呼ばれるフォース・フィールドに守られている。
バトルにおけるETシールドの残量は「SP(シールドポイント)」で表示され,これが削り切られるまでは安全に戦えるが,SPが0になると敵の攻撃がクルマに直撃するようになり,装備している兵器が破損する可能性が出てくる。クルマを構成するパーツのうち,シャシーが壊れるとキャラクターが戦場に放り出されてしまうので,SPの残量には気を配ろう。
タリス達が乗るクルマは,車体の基礎部分である「シャシー」と,動力となる「エンジン」,そして敵を攻撃する「兵器」の3要素によって構成されている。
戦闘において実質的に“戦車のHP”となるSPは,シャシーの持つ「固有SP」と,エンジン出力から生まれる「ETシールド」の合計値から,積載している兵器の重量を引いたもので決定される。つまり,高出力のエンジンを搭載し,兵器の重量を抑えれば,高いSPが得られるというわけだ。基本的に高性能な兵器ほど重量がかさむので,攻撃と防御のバランスを考えつつカスタマイズしていこう。
クルマに搭載できる兵器は,大まかに分けて3種類。装弾数と攻撃力のバランスがいい「大砲」,威力は抑えめだが軽量で弾数無限の「機銃」,ピーキーな性能ながらハマれば絶大な威力を発揮する「S-E」だ。
シャシーに用意されている兵器取り付けスロットは「穴」と呼ばれ,穴のタイプによって装着できる兵器の種類が異なる。例えば最初に手に入るクルマ「紅の復讐者」(名前は変更可能)は,大砲・機銃・S-Eの穴を1つずつ持っているので,それに対応した兵器をセットできる。
また,戦闘では兵器の「属性」も重要な要素となる。属性は「ビーム」「火炎」「冷気」「電撃」「音波」の5種類で,敵によって有効な属性が異なる。多くのモンスターには属性の得意不得意が設定されているので,それに合わせて攻撃する兵器を変更しよう。
属性と同じく,兵器の「攻撃特性」も重要なステータスだ。一般的なRPGでは馴染みの薄い概念なので少々理解が難しいが,簡単に言えば兵器で撃ち出す弾薬の種類を指す。
攻撃特性によって迎撃の受けやすさが変化し,撃ち出す弾が大きく,弾速が遅いほど迎撃されやすい。こちらの攻撃を迎撃によって撃ち落とされると,当然ながらダメージを与えられないので,攻略する敵の迎撃能力に合わせて装備を変更する必要がある。なかなか攻撃が当たらないときは,迎撃されにくい装備を選んでみるのも一つの手だ。
さらに,ゲーム中盤には「特性チップ」と呼ばれる特殊な装備が登場し,クルマにさらなる強化を施すことが可能となる。
特性チップには,特定の兵器をすべて同時に発射する「ラッシュ」系や,会心の一撃(クリティカル)の発生率を大幅に上昇させる「会心続発」など,まさにクルマの性能を一変させるほどの性能を持ったものが揃っている。中盤以降のボス戦においては,特性チップの活用が明暗を分けると言っても過言ではないだろう。
本作のボスモンスターは基本的に超絶強い。そのため,ゲームクリアまでに敵に敗北してしまう回数は一度や二度では済まないだろう。
しかし本作では,全滅してもゲームオーバーにはならず,アイアンベースに自動転送される仕組みになっている。また,敗北時には「どの程度ダメージを与えられたか」の目安となる「撃破指数」が表示され,ちょっとしたアドバイスももらえる。もう少しで倒せそうならカスタマイズを変えて挑み,撃破指数が低いなら,いったん出直してレベル上げをしよう。
職業によってステータスの成長率が変化
役割に合った職業で育成を進めよう
ここまでクルマのカスタマイズを中心に解説してきたが,たとえ最強のクルマを揃えたとしても,搭乗するキャラクターがそれを乗りこなせなければ意味がない。
そこで重要になるのが,キャラクターの「職業」だ。キャラクターは職業によって覚える特技が変化するだけでなく,レベルアップ時のステータス成長率が変化する。一人前のクルマ乗りを育てるには,それに合った職業を選ぶ必要があるのだ。
レベルアップ時に成長するステータスの中で,とくに重要なのは「戦闘レベル」と「運転レベル」だ。戦闘レベルは徒歩でのバトル,運転レベルはクルマでのバトルで効果を発揮するもので,高ければ高いほど与えるダメージが増加し,受けるダメージが低下する。職業によって適材適所があるので,パーティ編成の参考にしよう。
ゲームが進むとキャラクターは「転職」が可能になる。以前に就いていた職業のスキルから,いくつかを選んでセットすることもできるので,自分の戦い方に合わせたスキルの組み合わせを考えてみよう。もちろん,転職後はステータスの上昇率も変化する。例えば,最初はソルジャーだったキャラクターでも,ハンターに転職すれば運転レベルを高められるというわけだ。
また,キャラクターの能力を高める方法はレベル上げだけではない。本作には「スゴ腕への道」というチャレンジ項目が用意されており,これを達成することで「スゴ腕ポイント」を得ることができる。このポイントを使用することで,戦闘レベルや運転レベルを始めとするステータスを直接向上させられるのだ。ポイントはキャラクターごとに付与されるので,それぞれの長所を伸ばしたり,短所を補ったりできる。
一面廃墟と化したデストキオを探索して,クルマやキャラクターを強化し,強敵にぶつかったらカスタマイズを重ねて再挑戦……という本作のプレイサイクルは,RPGファンにとって実に心地良いものだ。その中で突拍子もない形のクルマが出来上がるのも(そして,それが案外強かったりするのも)本作ならではの体験だろう。
全体的な難度はやや高めだが,フィールド上のどこからでも自由に帰還できる気楽さや,密度の高いベスターポートによるワープ網などのおかげで,非常にテンポ良く遊べて,リトライも苦にならない。世界観やモンスター達はなかなか厳しいが,ゲームシステムはプレイヤーに優しいのだ。
なお,本作はゲームクリア後にすべてのデータを引き継いで“2周目”に入ることができ,ストーリー部分をカットした「ハンターモード」をプレイできるようになる。もちろん,2周目には初回プレイでは出会えない,さらなる強敵が山盛りだ。ある意味では,2周目からが本番という言い方もできるだろう。狂気渦巻くデストキオで,成長とカスタマイズを極限まで突き詰めたい人は,クリア後の世界にも挑戦してみよう。
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(C)2017 KADOKAWA GAMES / KADOKAWA
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