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人はスマホとPCをどう使い分けているのか? Googleが発表した「マルチデバイスに関する調査」から見えるもの
そんな環境を数字で示した,興味深い調査をGoogleが行っていた。2013年7月18日,Googleの日本法人は,同社が調査会社のIpsos社と協力して実施した「マルチデバイスに関する調査」の調査結果について報告する記者説明会が開かれた。
説明会の本題は,同社が展開しているマルチデバイス向け広告配信プラットフォームに関する話題なので,およそ4Gamer読者向けの話ではないのだが,調査結果そのものは興味深い点があるので,簡単にレポートしてみよう。
マルチデバイスユーザーがメディアを利用する
主なデバイスはスマートフォン
調査結果の説明を担当したのは,Googleにて広告ソリューション推進本部 プロダクト&ソリューションスペシャリストを務める丹下智貴氏である。調査は,スマートフォンとPCを所有し,テレビも使うという18〜64歳までの1351人を対象に,対象者が1日の間に,何を使ってどのように“メディア”に触れたかを回答してもらうという方法で実施されたという。ここで言うメディアというのは,Webサイトの情報もあれば,SNSもあり,コンテンツもありと,多岐に渡っている。なお,フィーチャーフォンは今回の調査に含まれていない。
同様の調査は米国とオーストラリアで行われているとのことだが,今回公表された数字は,いずれも日本での調査結果のみという。とはいえ,米国と比較して,数字に大きな乖離はなかったそうだ。
では,スマートフォンとPCのどちらが,メディアに接するデバイスとして使われているのだろう? 上の調査では,メディアに接する際に使う主なデバイスとして,スマートフォンが40%,PCが22%となっている。また,スマートフォンの利用場所は,「自宅外」が38%とのことだが,「自宅」も62%に達し,しかも利用目的自体に大きな違いはなかったそうだ。外でも家の中でも,気軽にパッとメディアに接する手段として使われるのが,スマートフォンになっているというわけだ。
1日にメディアに触れるデバイスの比率。主なデバイスとしてスマートフォンを挙げている人が4割,PCは2割とされる |
用途によって数字は異なるが,対象者全体の6〜7割が,まずスマートフォンでメディアに接したうえで,対象者全体の5〜6割がそれをPCに引き継いでいたということだ。イメージとしては,たまたま見かけたり会話に登場した情報を,とりあえず手元にあるスマートフォンでチェックしておくが,より詳しい情報を見たり,オンラインショッピングで購入するといった,より深い行動を取る場合はPCを使うという人が多い,ということになるらしい。
筆者も当てはまるが,同じような行動をとっているという人は,多いのではないだろうか。ちなみに,スマートフォンがメディアと接触する起点となる割合は,米国では5〜6割程度とのことで,ここは明確に日本が高い数字を記録したとのことだ。
複数のデバイスを使ったオンラインショッピングに関する調査結果。7割の人がまずスマートフォンで情報をチェックするが,そのうち7割近くがPCに引き継いで購入しているという |
複数デバイスの同時利用についての調査結果。テレビを見ながらスマートフォンで検索という使い方をする人がとても多い |
また話は変わるが,複数のデバイスを同時に使う場合についての調査では,実に72%の人が,テレビとスマートフォンを同時に使っていると回答している。テレビ番組を見ながら,出てきた情報を手元のスマートフォンでパッと調べるというのは,いかにもよくありそうな使い方だし,筆者もよくやる。テレビメーカーがスマートフォンやタブレットと連携するアプリの提供を推進しているのも,この結果を見れば頷ける。
ただし,PCとテレビという組み合わせも54%が使っているということなので,マルチデバイス所有者は,それぞれを同時に使うことが珍しくない,という理解でよさそうだ。
もちろんわざわざこうした情報を公開するのは,「Googleはマルチデバイス環境に適した広告配信手段を持っています。だからウチのソリューションを使ってくださいね」という宣伝のためではあるが,マルチデバイスの使われ方を知るという点で興味深いデータだけに,見てみるだけでもなかなか面白いのではなかろうか。
マルチスクリーンワールド 特設サイト(7月29日オープン予定)
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