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[TGS 2015]ディスプレイの向こうにあるものを触りたい! 「UnlimitedHand」が,その願望の実現へ一歩進む
Oculus VRは,そこに「Oculus Touch」という解決策を提示しようとしており,一方のソニー・コンピュータエンタテインメントは,既存の入力デバイス「PlayStation Move」を連携させることで,コストの問題と一緒に解決しようとしているわけだが,そのほかにも,サードパーティ各社が,完全に新しいVR用インタフェースを作ろうと,さまざまに試行錯誤を重ねているというのが現状だ。
そんなタイミングで,東京ゲームショウ2015の会場に,指の動きを正確に認識でき,かつPC側から指にフィードバックを返す機能を持つデバイスと謳われる「UnlimitedHand」(アンリミテッドハンド)が展示されていたので,レポートしてみたい。
仮想空間内の「何か」に触れられるUnlimitedHand
上の写真で装着イメージは想像できたと思うが,UnlimitedHandは,腕に装着して使う,バンド型のコントローラだ。PCとはBluetoothでデータをやり取りする仕様で,かつ,バッテリーを内蔵するため,ケーブルは一切“生えて”いない。VR HMDを装着すると,自分の周囲が見えなくなるので,完全にワイヤレスで,何かに引っかかったり巻き付いたりする心配なしに,コンテンツに没入できるという安心感は大きいだろう。
バンドというと,手首に巻くイメージを持つかもしれないが,UnlimitedHandは,肘より少し手の先端寄りのところへ巻いて使うようになっている。これは,特許出願中とされる技術によって,腕の筋肉の動きを読むことにより,その先にある指の動きを読み取る仕様になっているためだ。
実際にどの程度の「感触」が得られるのか気になるところだが,H2Lの担当者によれば,「指に何かがちょっと触れた」ことが分かるくらいとのことだった。
実体験できるとよかったのだが,残念ながら東京ゲームショウの会場には体験できる機材がなかったので,筆者と一緒にイメージしてもらえればと思う。
現状は,「加速度とジャイロの両センサーを使って腕の位置を推定する仕様上,誤差が“溜まり”やすく,『Oculus Touch』や『PlayStation Move』と比べると,腕の位置の感知精度がやや低い」という弱点があるそうだが,ブースで披露されたデモ動画を見ると,腕の動きをトレースするようにロボットアームが動いていたりもしたので,工夫次第では現状でも相当なことができるように思う。
「VRシーンにおける利用」に留まらない可能性を感じさせるUnlimitedHand
9月22日には,量産に向けてのクラウドファンディングがKickstarterで始まっており,開始後22時間で目標金額を達成済み。現在は2016年3月の出荷を目標に,製品化を進めているところだそうだ。
そもそもの開発目標はVR HMD時代に向けた入力デバイスだったそうで,いまでも十分に使えそうな予感はあるが,それ以上の可能性もあるのではなかろうか。
Kickstarterのアーリーバード特典価格は189〜212ドルで,9月25日12:00時点では,212ドルの枠にまだ余裕があった。興味のある人は出資してみるといいかもいしれない。
UnlimitedHand公式Webサイト
KickstarterのUnlimitedHandプロジェクトページ
4GamerのTGS 2015特設ページ
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