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クラウドベースの機械学習でファンを制御? NZXTがゲーマー向けPCケース「H700i」などを発表
発売時期は,H700iとGRID+ V3が2017年11月15日発売,H400iとH200iは2017年12月以降の予定である。メーカー想定売価は,H700iが2万7500円前後,
発表会で撮影した写真を中心に,新製品の見どころを紹介しよう。
まずはPCケースから見ていこう。なお,3種類のPCケースは,いずれも基本的な特徴やデザインは共通で,筐体サイズや搭載可能なマザーボード,ストレージベイの数といった仕様が異なる製品だ。そのため本稿では,H700iを中心にチェックしていく。
来週発売となるH700iは,Extended ATX(E-ATX)仕様のマザーボードに対応するミドルタワータイプのPCケースである。同様に,H400iはMicro-ATX仕様のミニタワータイプ,H200iはMini-ITX仕様の小型PCケースだ。
まず目につく外観上の特徴は,ドライブベイや吸気用のメッシュ孔などが一切ない,フラットなフロントパネルだろう。ドライブベイを備えたフロント部分を,開閉式のフラットなカバーで覆った製品は過去にもあったが,H700iは,フロントパネル自体が完全にフラットなのだ。そのため,ミドルタワータイプのPCケースでありながら,H700iは5インチベイを備えていない。
見た目に関わるもう1つのポイントは,マザーボードから伸びるケーブル類を隠す「ケーブルバー」の存在だ。下に掲載した写真で,筐体内部にある縦長のバーがそれで,マザーボードにつないだ電源ケーブルやSerial ATAケーブルなどをこの裏側(前面から見て右側面側)に通すことで,見せなくするというものである。
ケーブルをマザーボードを取り付けたプレートの裏側に回して見せなくするPCケースは珍しいものではない。だが,NZXTでは,H700iでケーブルバーを設置したことにより,PC自作に慣れていない人が適当に組んでも,ケーブルを隠してきれいな見た目にできるとアピールしている。
ケーブルカバーと同様に,「誰が組んでもきれいに組める」を体現する要素の1つが,マザーボードを取り付けるパネルの裏側に複数のケーブル収納スペースが設けられている点だ。
パネル裏側に回した電源ケーブルやSerial ATAケーブルなどを,このケーブル収納スペースに沿って配線し,さらに付属の面ファスナーで固定すれば,比較的簡単にケーブルをきれいにまとめられるのである。マザーボード裏面を這うケーブル類は,きれいにまとめるのが面倒だったり難しかったりしがちであるが,H700iの仕組みであれば,初心者でも簡単にできるかもしれない。
このファンコントローラで興味深いポイントは,筐体内の騒音を収録する小型のマイクを内蔵している点にある。通常のファンコントローラは,ファンの回転数や筐体内の温度をチェックする機能を持つが,H700i内蔵のファンコントローラは,騒音レベルも同時に計測できるわけだ。
クラウド側では,世界中のユーザーから送られたこれらのデータを機械学習にかけて,ファン設定の最適解を導きだすという。そして,その結果をユーザー側のCAMに送って,回転数の自動制御パターンをアップデートできるというのだ。つまり,多くのユーザーが使い続けることで,H700iのファンコントローラは,より賢い自動制御が可能になるという理屈である。
謳い文句どおりに,自動制御が賢くなっていくのかはなんとも言えないが,興味深いアイデアであるのは確かだろう。
単品販売のファンコントローラであるGRID+ V3は,H700iのファン&LEDコントローラから,LEDの制御機能を省いたものとのこと。GRID+ V3を自分のPCに組み込み,CAMを利用すれば,NZXT製PCケース以外でも,クラウドベースの回転数自動制御機能が利用できる。
Coffee Lake-SやRyzenの登場で,PCを新しく自作しようと考えている人もいるだろうが,それに合わせてPCケースを選ぶときには,選択肢の1つに入れてみてはどうだろうか。
NZXT 公式Webサイト
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