業界動向
ソフトバンク,イー・アクセスとウィルコムの合併を発表。PHS事業で名を馳せたウィルコムは消滅
なお,存続会社はイー・アクセスとのことで,1994年からPHS事業を手がけてきたウィルコムは消滅することになった。筆者もそうだが,モバイル通信の黎明期に,ウィルコムのPHSを利用してモバイルでのインターネット接続をしていたという人は,同社が消えるとの報に一抹の寂しさを感じるのではないだろうか。
イー・アクセス株式会社(以下「イー・アクセス」)と株式会社ウィルコム(以下「ウィルコム」)は,本日,2014年4月1日(予定)を効力発生日とし,合併を行うこと(以下「本件合併」)について基本合意書を締結しましたので,お知らせいたします。
1.本件合併の背景・目的
イー・アクセスおよびウィルコムは,いずれもソフトバンク株式会社のグループ会社であり,通信事業を展開しています。2013年1月17日より,それぞれの専売店である「イー・モバイルショップ」「ウィルコムプラザ」にて相互に商品を取り扱うなど,連携を進めてまいりました。このたび,さらに効率的に両社の有する経営資源を活用し,事業を拡大していくため,2014年4月1日(予定)をもって合併を行うことで合意いたしました。
合併後存続する会社は,イー・アクセスの契約数約440万とウィルコムの契約数約570万を合わせて1,000万以上の移動通信サービスの顧客基盤を持つこととなります。イー・アクセスの展開する無線事業と固定通信事業,ウィルコムの展開するPHS事業を引き続き発展させるとともに,とくに市場拡大が見込まれるスマートフォン分野に注力してまいります。
なお,合併後存続する会社の社長はエリック・ガン(現イー・アクセス 代表取締役社長)が,副社長は寺尾 洋幸(現ウィルコム 執行役員 営業統括 マーケティング本部長)が務める予定です。その他の経営体制,会社の社名およびブランドなどについては,決まり次第お知らせいたします。
(注)契約数は2013年9月末現在
2.本件合併の要旨
(1) 本件合併の日程
2013年11月29日:基本合意書締結に関する取締役会決議(イー・アクセス)(注)
2013年12月3日:基本合意書締結に関する取締役会決議(ウィルコム)
2013年12月3日:基本合意書締結(両社)
2014年1月下旬(予定):合併契約締結に関する取締役会決議(両社)
2014年1月下旬(予定):合併契約締結(両社)
2014年2月中旬(予定):合併承認臨時株主総会(両社)
2014年4月1日(予定):合併の効力発生日
上記日程はイー・アクセスおよびウィルコムの合意により変更されることがあります。
(注)本取締役会決議は,ウィルコムの取締役会決議を効力発生の条件としました。
(2)本件合併の方式
イー・アクセスを存続会社,ウィルコムを消滅会社とする吸収合併方式を予定しております。
なお,本件合併において消滅会社であるウィルコムの株主(ソフトバンク株式会社)に対して交付される対価は,両社協議の上,後日,合併契約において決定いたします。
3.本件合併の当事会社の概要(2013年6月末現在)
存続会社 | 消滅会社 | |
(1)名称 | イー・アクセス株式会社 | 株式会社ウィルコム |
(2)所在地 | 東京都港区虎ノ門二丁目10番1号 | 東京都港区東新橋一丁目9番1号 |
(3)代表者の役職・氏名 | 代表取締役社長 エリック・ガン | 代表取締役社長 宮内 謙 |
(4)事業内容 | 電気通信事業 | 電気通信事業 |
(5)資本金 | 432億円 | 1.5億円 |
(6)設立年月日 | 1999年11月1日 | 1994年7月1日 |
(7)大株主及び持株比率 | ソフトバンク株式会社 99.59% (議決権保有比率:33.29%) |
ソフトバンク株式会社 100% |
(8)従業員数 | 約1,250名 | 約850名 |
(9)売上高 (2013年3月期) |
2,207億円 | 1,693億円 |
以上
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