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NTTドコモが2016年3月期決算説明会を開催。増収増益で競争力の回復を強調するとともに,2017年度の中期目標を1年前倒しに
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印刷2016/04/28 21:32

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NTTドコモが2016年3月期決算説明会を開催。増収増益で競争力の回復を強調するとともに,2017年度の中期目標を1年前倒しに

 NTTドコモは本日(2016年4月28日),2016年3月期の決算説明会を東京都内で開催した。本項では,同社代表取締役社長の加藤 薫氏が2015年度通期決算の説明を行った,イベントの模様をお伝えしよう。

NTTドコモ コーポレートサイト


参考:
2016年3月期 決算説明会資料 (PDF形式:1.71MB)

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 決算発表に入る前に,加藤が熊本地震からのサービス復旧状況と支援活動の説明を行った。
 サービスエリアに関しては,4月27日時点でそのすべてが復旧しているとのこと。地震発生後,停電や伝送路断などにより最大84局の無線基地局でサービス中断したものの,衛星移動基地局車や中ゾーン基地局などによるエリア対応,移動電源車などによる無線基地局への電源対応を実施。4月20日には立ち入り禁止区域だった4局を除き復旧。さらに許可を得て,立ち入り禁止区域だったエリアの復旧が行われたという。
 加藤氏によれば,東日本大震災の経験から,災害に強いネットワーク運用を目指しているNTTドコモでは,「中ゾーン基地局」「大ゾーン基地局」を使った備えがあるとのこと。熊本地震では,中ゾーン基地局のアンテナを遠隔制御するなどしてカバー範囲を通常より拡大,通信サービスを確保した。
 また加藤氏は,使わなくて済むのが一番だと前置きしつつ,備えとしての大ゾーン基地局の解説も行った。こちらは耐震性の高いビルなどに設置され,自家発電による無停電化された災害時専用の基地局となる。基地局は全国に106局あり,人口カバー率でいうと約3分の1をまかなえるという。

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 同社ではそのほかにも,災害用伝言板サービスや災害用音声お届けサービスの提供,無料充電サービスや無料Wi-Fiスポットの臨時設置,データ通信の速度制限解除(※5月いっぱいまで延長)など,支援活動も行っている。また,災害復旧関連機関に携帯電話やタブレットの貸し出しを行うなど,行政機関らとの連携も図ってきたとのこと。
 加藤氏は,被災地の復興に向けて取り組みを続けていくと述べ,本項に関する説明を終えた。

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平成28年熊本地震からの復旧状況について
<2016年4月28日>
https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2016/04/28_00.html

 決算発表では,2015年度は営業収益が4兆5271億円(前年比3.3%増),営業利益が7830億円(前年比22.5%増)の増収増益の通期決算になったと説明。なおオペレーション関連では,純増数が437万契約,2016年3月末時点での新料金プランが2970万契約,ドコモ光が157万契約と発表された。

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 財務関連の数字では,設備投資が6000億円を切り,前年比で665億円の削減に成功したこと,フリー・キャッシュ・フローが倍増し,3032億円増の5987億円になったことが取り上げられた。

 通信事業,スマートライフ事業,その他事業のセグメント別実績では,スマートライフ事業とその他事業を合わせた「スマートライフ領域」で営業利益が712億円増と,728億円増だった通信事業と同程度であることを強調した。
 とくにスマートライフ事業は,2014年度の営業利益がマイナスだったことを考えれば,成長著しいと言えるだろう。

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 2015年度のMNP(おそらく転出数)は,2014年度のマイナス38万契約からマイナス10万契約に改善され,解約率は0.62%とほぼ横ばいだ。総販売数,スマートフォン販売数ともに,前年より増加している。

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 新料金プランについては,4月12日に3000万契約を突破するなど,順調に拡大していることをアピール。また,データ通信関連では,Mパック(5GB)以上を選択する人が約9割であるほか,1GBの追加データ購入率が約3割というように,ユーザーが使用するパケットが増加傾向にあるという。
 料金プランの今後に関して加藤氏は,年間ベースで700億円規模の値下げを行っているが,今後も「カケホーダイ&パケあえる」をベースに,さらに拡大していくと説明。6月1日には「ずっとドコモ割コース」「フリーコース」を新設して解約金のあり/なしを選べるようにするほか,長期契約者に向けたサービスを拡大していくと説明した。

 ドコモ光の累計申込数は184万件で,2015年第4四半期では59万件と右肩上がりに伸びている。アップセルへの移行,モバイル新規契約獲得,家族利用促進のいずれでも確固たる効果を出しているとした。
 スマートライフ領域は,計画を上回る好調で推移しており,営業利益は計画の700億円を87億円上回る数字を残した。サービスの中でも,コンテンツサービスとあんしん系サポートの伸びが大きいとのこと。

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 LTEネットワーク周りの説明も行われた。基地局は2015年度末で計画を上回る13万8100局を達成。PREMIUM 4G対応基地局も2万2800局に増えた。また6月からは,3.5GHz帯のキャリアアグリゲーション(CA)追加,国内最速となる375Mbpsの3周波数CA大束化など,さらなる高速化を目指すという。

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 加藤氏は,コスト効率化がうまく進んでいることをアピール。2015年度は計画を200億円上回る2400億円のコスト効率化を達成したと述べた。

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 2016年度の業績予想では,営業収益は2%増の4兆6200億円,営業利益は16%増の9100億円を目標に設定(※減価償却方法の変更に伴う影響を除いた営業利益は8600億円)。中期目標である2017年度の営業利益目標を一年前倒しで達成する計画だとした。
 なお,減価償却については,定率法から定額法に変更するとの説明があり,そのため変更後の初期は利益の数字にプラスの影響があるとの説明があった。

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 最後に,2016年度配当予想を年間80円(前年比10円増)とする予定であることや,自己株式の市場買付では,TOBなどで取得済みの約3075億円分に加え,2016年12月31日までに約1925億円(約9913万株)を上限に実施する予定と発表し,説明会は終了となった。

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