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国際大会の出場を賭けて騎士と武者がリアルでぶつかり合った「STEEL! チャンピオンシップ 2015」をレポート
会場は,東京タワーメディアセンター内にあるスターライズタワーと,前回より大きな会場での開催となった |
リングはオクタゴンで,写真を見てもわかるように巨大な投影スクリーンを活用した迫力ある試合会場だった |
今回のSTEEL! チャンピオンシップ 2015は,5月に控えたポーランドでの国際大会の予選にあたるフリーウェイトトーナメントをコアに,新設された70kg以下級ライトウェイトトーナメント,そして集団戦であるメーレー戦の3部構成となっていた。新人選手の加入もあり,ドラゴーネズ5人,サングリエ4人,黒鋼衆3人という,3チーム合わせて12人の選手が揃うことになった。
選手を見てみると,2m越えの巨躯を持つ,お笑い芸人で「ドラゴンクエストX」の第三期初心者大使でもある阿見靖士選手のインパクトが強いが,今回は女性騎士の加川聖香選手や,キャッスル・ティンタジェル城主であるJay Noyes選手も参戦し,ユニークな面々が揃っていた。
フリーウェイト級
国際大会の個人戦に出場する選手を決めるフリーウェイト級は,ソード&シールド,ロングソード,ポールアームの武器ごとに総当たりで行われた。ソード&シールドのエントリーは2名,ロングソードは3名,ポールアームは3名だ。ロングソードを選んだ選手は,各チームのキャプテンでもあり,ひときわレベルが高く,ポイントの取り合いというよりは,互いの攻撃をロングソードで裁きつつ,少しずつスコアを稼ぐといった展開が多かった。というわけで,まずは動画を見てほしい。
相手の派手なフェイントにも動じないNoyes選手 |
距離が開くとゆっくりと間合いを詰めていく |
黒鋼衆の場合,ロングソードに該当するものは太刀。構えも異なる |
剣道的な切り返しを見せていた |
スローイングからのダウン時の様子だが,とてもゲームっぽい |
攻撃を受け止めてからの切り返しに入るところ |
ソード&シールドは,Henry選手とMcComb選手のみ。シールドを使って視界を奪ったり,シールドパンチをしたり,小回りの効くショートソードでフェイントをしたりなど,筆者は見ていて楽しかったのだが,初見では地味に感じるかもしれない。この記事で初めてアーマードバトルを知った人は,ポールアーム,ロングソード,ソード&シールドの順で見ていくと,分かりやすいかと思う。
ポールアームは,両手持ちの武器。参加選手は阿見選手とDplan選手,そして新規参戦の砂馬選手だ。背の高い阿見選手と,ずんぐりむっくりなのにクレバーな戦いをするDplan選手に挟まれていた砂馬選手には,場内からの応援が目立っていた。砂場選手は,重量級ばかりのポールアームにおいてスピーディーな動きを見せていたので,今後の活躍にも期待したい。
ライトウェイト級
ライトウェイト級は,70kg以下の選手が参加するもので,各陣営から1名ずつが参加し,ソード&シールドとロングソード,ポールアームのそれぞれで総当たり戦という内容だった。女性騎士である加川選手は,本大会が初出場であり,70kg以下級といっても苦戦が予想されたが,1勝を挙げる結果に。ロングソードで,カウンター気味に後頭部を狙う動きなどが正確で印象的だった。
手前がドラゴーネズ・加川選手。得意な武器はロングソードのようで,サングリエ・佐藤選手に押されるシーンも |
加川選手と黒鋼衆・八ヶ代選手の激しい打ち合い。八ヶ代選手の鎧は新調したものではなく,本歌甲冑(レプリカではなく本物)をルールに合わせて改良したものだという |
軽快なフットワークを見せていた八ヶ代選手 |
黒鋼衆のシールドは無骨な感じだ。戦国時代には,置き盾はあれど手持ちの盾は廃れていたので,ルールに合わせて用意したものだろう |
相手の動きに制限をかける目的では,やはりバックラーのほうが都合がいいように見えた |
黒鋼衆の盾はスモールシールドで,密着時の運用に制限があるためか,写真のように刀を持った側の肘をうまく使っていた |
鎧を着ていると女性とは分かりにくかったが,ポールアーム戦では八ヶ代選手を追い詰めるシーンもあった |
八ヶ代選手と佐藤選手のポールアーム戦は見応えあるものだった。動画を撮る余裕がなくて申し訳ないほど。ニコニコ生放送のタイムシフトでチェックしてほしい |
メーレー戦
メーレー戦は,4対4での集団戦闘になる。ルールは明瞭で,相手をダウンさせあい,最後まで残った選手がいるチームの勝ちだ。これも総当たり戦のポイント制で,全9戦行われた。
集団戦と個人戦ではやはり勝手が異なるようで,個人戦で強さを見せたNoyes選手であっても,あっさり倒されてしまうシーンが多かった。サングリエと黒鋼衆の動きを見ていると,まずはNoyes選手を押さえる作戦だったようだ。
ちなみに,黒鋼衆は3人だったので,人数が足りないはずなのだが,謎のBlack Knightが召還されて,黒鋼衆に加わっていた。DARK SOULS IIでいう青教みたいなものだろう,うん。
といった感じにレポートをお届けしてきたが,個人戦の試合は,見ていてもどちらが優勢なのかが分かりにくく,リザルトを見るほかないというのは,今後の課題だろう。今回は試合後のスコア集計の速度アップを図るためか,サブのマーシャルはスマホアプリで計測を行っていた。具合的な仕様は不明だが,1ポイント入った場合にタップし,そのデータはサーバーを介して審査員のPCに送られていたのだと思われるが,計測方法は大会ごとにマイナーチェンジを見せており,苦労しているのだと思われる。
とはいえ,会場は盛況で,ほぼ満員になるほどだったので,今後の展開は気になるところだ。国際大会があるため,国内での試合開催はしばらく先になるとのことだが,興味があれば大会に足を運んでもらいたい。これほどゲーマーの心をくすぐる格闘技もなかなかないだろう。
キャッスル・ティンタジェル公式サイト
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