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伝説の深夜番組「たほいや」がイベントとして復活。松尾貴史さん,能町みね子さん,スクエニ藤澤 仁氏らによる“広辞苑バトル”をレポート
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印刷2017/02/18 12:00

イベント

伝説の深夜番組「たほいや」がイベントとして復活。松尾貴史さん,能町みね子さん,スクエニ藤澤 仁氏らによる“広辞苑バトル”をレポート

 30代後半以上なら覚えている人も多いであろう,かつてフジテレビ系列で放送されていた深夜番組「たほいや」。その復活企画である「たほいや甲子゛園」が,2017年2月14日に東京・渋谷の東京カルチャーカルチャーで開催された。

画像集 No.001のサムネイル画像 / 伝説の深夜番組「たほいや」がイベントとして復活。松尾貴史さん,能町みね子さん,スクエニ藤澤 仁氏らによる“広辞苑バトル”をレポート

 知らない人のために説明すると,「たほいや」は著名人が参加する広辞苑を使ったゲームの模様を流す番組。ゲームのルールは「ディクショナリー」という海外発祥のゲームが元ネタで,流れは以下のようになっている。

・親が広辞苑から言葉を選ぶ

・子は親が選んだ言葉の意味を想像し,いかにも広辞苑に載っていそうな文体で回答用紙に書く

・親は広辞苑に載っている正しい意味を回答用紙に書き,子から集めた回答と混ぜて任意の順番で読み上げる

・子は賭けチップを決め,正解と思われるものを宣言

・親は正解を発表し,賭けチップを精算

・全員が親を1回ずつ担当したところで1ゲーム終了。チップが最も多い人が勝者となる

 親は子が正解を想像しづらいような耳慣れない言葉を選ぶのが基本だが,時にはあえて全員が知っているような言葉を選ぶのも一興だ。番組では「はむさんど」というお題が出され,“ハムを具にしたサンドイッチ”という意味の回答が複数,そこに“●●時代の学者”といったものが加わったりして,大いに盛り上がったのを覚えている。

 そして何より面白いのは,子として書く回答にプレイヤーのバックグラウンドが現れてしまうこと。実際に遊んでみると分かるのだが,自分でも気づいていない言い回しのクセが出てしまったり,“知らないことをもっともらしく書く”という難しさから,つい自分が詳しい分野に寄せてしまったりするのだ。番組では,料理人の周 富徳さんが食材に関するネタを書くことが多かった記憶がある。

 ……と,あまりの懐かしさに長々と書いてしまったが,本題に移ろう。
 今回の「たほいや甲子゛園」には,タレントの松尾貴史さん,俳優の大高洋夫さんという番組の“レジェンド”2人に加えて,文筆家・漫画家の能町みね子さん「予言者育成学園 Fortune Tellers Academy」iOS / Android)を手がけるスクウェア・エニックスの藤澤 仁氏,「アルティメット人狼」主宰で,藤澤氏と同じく「予言者育成学園」に携わる眞形隆之氏が出演した。

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松尾貴史さん
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大高洋夫さん
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能町みね子さん

藤澤 仁氏(左)と眞形隆之氏(右)が手がける「予言者育成学園」は,これから起こる出来事についてのクイズ問題が出されるゲーム。これを聞いて,たほいやと同時代に放送されていた同じフジテレビの深夜番組「TVブックメーカー」を思い出す人も多いだろう。藤澤氏も同番組の名を挙げてゲームを紹介していた
画像集 No.002のサムネイル画像 / 伝説の深夜番組「たほいや」がイベントとして復活。松尾貴史さん,能町みね子さん,スクエニ藤澤 仁氏らによる“広辞苑バトル”をレポート 画像集 No.003のサムネイル画像 / 伝説の深夜番組「たほいや」がイベントとして復活。松尾貴史さん,能町みね子さん,スクエニ藤澤 仁氏らによる“広辞苑バトル”をレポート

 実際の模様はニコニコ生放送のタイムシフト視聴(3月16日まで視聴可能)で見てもらうのが一番なのだが,本稿では,高校時代に図書室の広辞苑で友人とたほいやを遊んでいた筆者が,最も面白かったと感じた回の模様をお伝えしたい。

 親の大高さんが出したお題は「もろせ」で,読み上げられた回答は以下の通り(漢字使いまでは分からないのだが,さすがに読みづらくなるので,括弧内に筆者が想像したものを入れておく)。

(1)りょうがんがあさくなったかし
(両岸が浅くなった河岸)

(2)むかいあったかわぎし。りょうがん
(向かい合った川岸。両岸)

(3)えどのまち ひけしにばんぐみの もぐみ ろぐみ せぐみ
(江戸の町 火消し二番組の も組 ろ組 せ組)

(4)せびょうしのあつみ
(背表紙の厚み)

(5)せなかをおおきくろしゅつすること
(背中を大きく露出すること)

 (1)(2)は似た内容だが,たほいやでは似た回答のどちらかが正解というケースが結構ある。筆者は「両岸が浅くなった」の“岸が浅い”という表現は日本語として不自然だなぁという気がして(2)だと踏んだ。(4)も気になるが,今回は“似た回答”の定跡に乗ってみたい。
 (5)は,相撲好きの能町さんが,相撲用語の“もろざし”あたりから力士の背中へと発想をつなげたものだと予想。(3)は,時間が迫ってきて焦った誰かが,苦し紛れに考えたものだろうと,すぐ切った。

 ステージでは,藤澤氏が筆者と同様に,似た回答のどちらかとしたうえで「(2)は大高さんが読みづらそうにしていた」と(1)を選択。しかし,ここには「大高さんが役者ということを忘れてない?」というツッコミが入った。
 松尾さんは,(1)を「浅くなくてもいいのでは」として(2)を選び,(3)については「ほかの組はどうなるんだ?」と否定的なコメント。能町さんも「(3)に行く勇気はない」と(5)。ここで筆者の「(5)は能町さんが考えたもの」という予想は外れたわけだが,(2)を選んだ眞形氏も同じ読みをしていたようで,「モヤモヤする」。

 ……と,さまざまな思惑が入り乱れたが,正解はなんと(3)! まさかの展開に会場は大いに沸き,ここでチップを総取りした大高さんはそのまま勢いに乗って1ゲーム目を制した。さすが“レジェンド”,筆者も完全にしてやられた。

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 という感じでレポートをお届けしたが,たほいやの面白さは伝わっただろうか。気になった人はぜひニコ生でイベントの模様を見たり,こちらの記事でお伝えしたクラウドファンディングに参加して,次回の開催を会場で楽しんだりしてほしいし,機会があれば広辞苑を使ってたほいやを遊んでみることをオススメする。ゲームそのものの面白さに加えて「こんな言葉があるのか!」という驚きを楽しめるはずだ。
 筆者も今,「もろせ」以外の火消し組を指す言葉があるのか,気になってしょうがない。

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CAMPFIRE:伝説の番組「たほいや」を復活させたい

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