「EQ2」インタビュー,アドベンチャーパックの登場はもうすぐ?
左:アラン・クロスビー氏(Sony Online Entertainment),右:Sage Sundi氏(スクウェア・エニックス)
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幕張メッセにて2005年7月30日,31日に開催された「スクウェア・エニックス パーティ 2005」にて,「エバークエストII」(以下,EQ2)の開発元であるSony Online Entertainmentのコミュニティー・リレーションズ ディレクター(要はコミュニティを仕切る人)のアラン・クロスビー(Alan Crosby)氏にインタビューをする機会を得た。 当日に指定された場所まで行ってみると,そこには日本のプレイヤーにはすでにおなじみであるスクウェア・エニックス側のプロデューサー Sage Sundi氏の姿も。日米のキーパーソン2人に同時にインタビューする幸運にみまわれた。近々日本でリリースされる予定のアドベンチャーパックのことに始まり,現在開発中の拡張パックのこと,それにパッチの方向性についてなど,時間いっぱいまでねばって聞き出してきた成果をここに掲載しよう。
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4Gamer編集部(以下4G): 本日はよろしくお願いいたします。まずはCrosby氏のお仕事についてお聞かせ願えますか?
Alan Crosby氏(以下Crosby氏): 私は「エバークエスト」(以下,EQ1)でゲームマスターをしていました。その後,2年間カスタマーサービスの仕事に携わり,現在はコミュニティーマネージャーをつとめています。
Sage Sundi氏(以下Sundi氏): キャリアがゲームマスターから始まって,今は運営にかかわっているという流れは私と一緒ですね。
4G: おお,EQに長く関わってる人なんですね。ここにいる人間(注:編集部のことだ)はみんなかなりその……ヤリスギなくらいのEQ1プレイヤーでしたので,みんなどこかできっとお世話になってますね。
Crosby氏: それはすごいね! 私はFennin RoでGMをずっとやってて,つい最近のエクスパンションまでEQ1に関わってましたよ。
4G: 現在はEQ2のみに関わっているんですか?
Crosby氏: No。コミュニティーマネージャーとしては,SOEがサービスしている作品全部に関わっています。つい最近はマトリックスオンラインも追加されましたし,てんやわんやで大変です。
■なぜ「ブラッドライン クロニクル」よりも「スプリットポゥ サガ」が先なのか?
4G: ではあまり時間もないことですし,ゲームの質問をさせていただきますね。発表を聞いてびっくりしたんですが,日本では英語版のAP1「ブラッドライン クロニクル」よりも先に,AP2「スプリットポゥ サガ」のほうが先にリリースされるとのこと(AP=アドベンチャーパック)。その意図するところを教えていただけますか?
Sundi氏: それは私がお答えしましょう。AP2のほうが,レベル20〜50までと対応しているユーザーのレベル帯が広いんです。AP1はレベル35以上と,AP2より適正レベルが高めです。今の日本サーバーにいるキャラクターの冒険者レベルを考えると,AP2を先に導入するほうがよいのではないか思います。
4G: 日本サーバーでいまいちばんプレイヤーが多いレベル帯ってどれくらいなんですか?
Sundi氏: すでにレベルが相当高い人も多いですが,やっぱりメイン層はLv20代,あるいは10代後半のキャラクターです。ご存じのように,そのあたりのゾーンのインスタンスが多くできていますよね。15とか20になってから違うキャラを作って育て始めている人も多いようですし,そうなるとやはりAP2のほうが楽しめると思うんです。
4G: 二人目のキャラクターを作ってプレイしている人って多いのでしょうか?
Sundi氏: ええ。友人が新しくプレイを始めるのに付き合ってみたり,ギルドで足りないクラスを自分で作ったりしようかなと考えてみたり,そういう感じでしょうか。そのタイミングがだいたい20前後。AQ(編注:アーマークエスト)が始まったりしてそろそろバイタリティが切れて,なんとなく成長も滞り始める頃ですよね。サブクラスを選択してしばらくすると,そのキャラクターの先の姿が見えてきます。そこでちょっと違うのもやってみたいなという興味がわいてくるようですね。
4G: アメリカではどうなんですか?
Crosby氏: まったく同じですね。Lv20過ぎくらいから,ほかのクラスも試してみたくなるようですね。
4G: なるほど。そういうことでしたら,APの順序が逆なのも理解できますね。……でもそういえば,APのリリース順が前後する事によって起こる問題っていうのはないんでしょうか。EQ1のように,新機能や新呪文,新Skillなどが入ってくるものだと,順序が変わることによる影響は大きいと思うんですが。
Crosby氏: 一つ一つが別の物語になっているコンテンツですので,影響はないですね。確かにEQ1は,それをやるとすごく大変そうですが(笑)。
4G: あぁ,でもそうか。アメリカでもAP2だけ先に買えたりしますもんね。
Crosby氏: ええ,そのとおりです。
アドベンチャーパック「ブラッドライン クロニクル」より
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■スプリットポゥ サガのウリは,インスタンスの動的なレベル調整システム
4G: 日本ではあまり情報が公開されていないので,ここでスプリットポゥ サガのセールスポイントについて教えてください。
Crosby氏: 大きなセールスポイントは,"ダイナミック・レベルレンジ"(動的適正レベル)の仕組みです。同じインスタンスでも,そこに入るキャラクターのレベルによって敵の強さが変わります。さらに,ただ単に強い敵を倒すだけの内容にはなっておらず,パズルのような要素を取り入れたりもしています。それを解くことによって,いいアイテムが手に入ったりすることもありますよ。
Sundi氏: いままでのように戦うだけではなく,頭を使う要素もあるということですね。箱を積み上げていくパズルなど面白いものがありますよ。
4G: そういった新しいタイプのクエストというか,パズル要素はいくつくらい用意されているのでしょう?
Crosby氏: うーん,ちゃんと覚えてないけど……40以上はあるかな。
4G: 自動調節される敵の強さというのはどれくらいでしょう?
Crosby氏: グループのレベルと人数から平均値が算出されて,だいたいその2〜3レベル上の敵と戦えるような仕組みになってます。
4G: そのインスタンスに挑戦できるのは,先ほどの説明によるとLv20くらいからということですが,最大どこまでのLvをフォローしてますか? 極論ですが,Lv50のキャラクター6人のグループで入ったら,ちゃんとそれ相応のMobが出るようになってるのでしょうか。
Crosby氏: 自分で試したことはないけど,システム上はそうなるはずです。うん,大丈夫!(笑)
4G: 古い話で恐縮ですが,EQ1は基本的に拡張パックのみでどんどん拡張されていきましたよね。でもEQ2はAP&拡張パックの2段構えでゲーム内要素が拡充されていっています。LiveUpdate(編注:大規模アップデート)というものもあるし,日本のユーザーのなかには双方の違いがよく分からずにとまどう人もいるかもしれません。すっきりと「これはこういうもの」っていう表現はありますか?
Crosby氏: あぁ,なるほど。そうですね,アメリカでもちょっと混乱気味ですし。うーん……APは一つのストーリーラインをベースとしてアイテムやクエスト,インスタンスの追加がなされるもの。拡張パックは,もっと大規模なもので世界自体を拡張するようなものになっています。
Sundi氏: 追加して私の理解を言ってもいいですか?
Crosby氏: どうぞどうぞ!
Sundi氏: APや拡張パックには,"ワールドの拡張"が含まれているというのが大きな違いではないでしょうか。パッチというものは,大規模な要素追加はあっても冒険の世界それ自体は広がりませんよね。APはインスタンスレベルで世界が拡張されて,拡張パックの場合はもっと世界が広がって機能も増える,そういう違いだと思ってます。
4G: なるほど,理解しやすい分類ですね。ちなみにアドベンチャーパックは年に何回くらいリリースしていく予定なんでしょうか?
Crosby氏: それはお答えできません……というより勘弁してください。
4G: かつて御社のSmedley氏に聞いたときは(編注:「こちら」参照),年に2本くらいって言ってましたよ。開発チームがそれだけで二つある,とも。
Crosby氏: そんなことまで言ってたんですね,Johnは(笑)。まぁでも今のタイミングでは「ノーコメント」とさせてください。でも開発チームが拡張パックだけでAPとエクスパンションで二つあるのはそのとおりです。
4G: 北米では,プレイヤーの何パーセントくらいがAPを実際に購入しているんでしょうか?
Crosby氏: 具体的な数字はお教えできません。
4G: ではちょっと質問を変えますね。始めにSOEが期待していた数値に比べるとどんな感じですか? 上か,下か。
Crosby氏: 公表はできませんが,十分手応えは感じていますよ。"嬉しい結果"とだけ言わせてください。うーん,ちょっと答えづらいな(一同笑)。
4G: では矛先を変えましょう(とSundi氏に向き直る)。日本語版のAPの1本目,つまり「スプリットポゥ サガ」のリリースはいつですか?
Sundi氏: Coming Soonです。
4G: 即答ですね! なにかヒントください。残暑続くころとか涼しくなるころとか。
Sundi氏: もうローカライズは終わってるんですよ。あとは,どうやって販売するかということをビジネス的に検討しているという段階ですね。
4G: おお,それならば本当に近々なんですね。その後のスケジュールはAP「ブラッドライン クロニクル」→EP「デザート オブ フレイム」ですか?
Sundi氏: 現状の予定としてはそうなっています。
4G: APの販売方法はアメリカのようなダウンロード販売でしょうか。
Sundi氏: もちろん基本的にはそうです。支払いに関しては,アメリカではクレジットカードでしかできませんが,それ以外の方法も用意するつもりです。さすがにパッケージ販売はしないと思いますよ。
■新たな町,クライミング,PvPなど新要素が満載のEP「デザート オブ フレイム」
拡張パック「デザート オブ フレイム」より
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4G: 次に,EQ2初の拡張パック「デザート オブ フレイム」についてお聞かせください。新たな町"マージダル"は,アラビアンナイトの世界をモチーフとしている以外にも,すでにあるケイノス,フリーポートにくらべて,かなり特殊な町のようですね。
Crosby氏: あぁ,やっと答えやすい質問になったね! そうです,一つの町の中に複数の新しいファクションが存在します。町中のNPCに対して攻撃することも可能になっていますよ。そして町はダイナミックに変化していきます。
4G: つまり動的な変化ということですね。一つの町の中に複数のファクションがあって,多くのプレイヤーが力を貸したファクションは力を持つようになり,町内のファクション勢力図が塗り変わるみたいなことがあるということですか?
Crosby氏: そうです。たとえば特定の建物の所有ファクションが変化するようなことが起こります。ファクションの関連で町中のNPCに襲われるようなこともあるはずです。
4G: 有力ファクションに所属するプレイヤーは,町にいるNPCのアイテムの売買価格が変わったりとかするんでしょうか?
Crosby氏: まだそのあたりは分かりません。
4G: その新たなファクションは,プレイヤーは絶対どこかに所属しないといけないんですか?
Crosby氏: 絶対に……うーん,そうではないですね。でもクエストをやりたいなら所属する必要がありますよ。ホントにクエストなんかどうでもいい,っていう人はそんなにいないんじゃないかな。
4G: では次にクライミングについてです。よじ登れるカベやガケは特定のポイントのみなのでしょうか。
Crosby氏: ダーク・エイジ・オブ・キャメロットではそのようになっていますね。でも今回の拡張パックはそれとは違って,どこでも登れるようになりますよ。
4G: クライミングはすべてのクラスが可能なんですか?
Crosby氏: それはまだFixできていません。クエストなどで必要になるケースは出てくる予定なので,その部分との兼ね合いも大きいですね。
4G: ちなみに拡張エリアだけでなく,今現在あるエリアでもクライミングができるようになるんでしょうか。
Crosby氏: まだ確定ではないですが,おそらくはそうなります。
4G: それはちょっと楽しみですね。新たな移動ルートができそうです。しかしクライミングは,ゲームプレイにどのように影響してくるんでしょうか。ゲームシステムの中で必要となる状況がちょっと想像つかないのです。ムービーにあるように,カベを登ってMobから逃げるみたいなことはできるのでしょうけれど。
Crosby氏: 普通のMMORPGだと「この場所を攻略するには,こう進めばいいんだろうな」みたいに想像がつくじゃないですか。でもクライミング要素があるために,「ああ! ここを登るんだったのか!」みたいな驚きがあるんじゃないでしょうか。EQ2でも,水中で行う上下感覚のある戦闘って新鮮ですよね。そういう高さの概念が生み出す面白さはあると思います。
4G: なるほどなるほど。Mobから逃げられるということは,戦闘モードのまま登れるということでしょうし,それによって新しい楽しさができてくることに期待します。では次に,「デザート オブ フレイム」の目玉とも言えるPvPについてお聞かせください。プレイヤーキャラクター同士がそのまま戦うのではないんですよね。
Crosby氏: そうです。自分をアリーナ・チャンピオンに変身させて戦います。
4G: 変身をしないでPC同士が戦うことも選択できるのですか?
Crosby氏: それはできません。
4G: 変身できるアリーナ・チャンピオンの種類はどのように決まるのでしょう? 元のクラスに関係あったりするんでしょうか。
Crosby氏: プレイヤーのクラスと変身可能なアリーナ・チャンピオンの種類は無関係です。アリーナで戦うことで獲得できるスキルやポイントによって選べる要素が加わっていきます。詳しい仕様はまだ決まっていない部分もありますけどね。
4G: では,プレイヤーにとってPvPを行うメリットはなにか用意されているのでしょうか。
Crosby氏: うーん,ひょっとしたら,PvPという行為自体を楽しめない人にとっては,これはあまり必要な要素ではないのかもしれませんね。
4G: PvPではない,通常のプレイに反映させられるメリットはないと思っていてよいのでしょうか。いえ,決して悪い意味で聞いているのではなく,よくあるMMORPGみたいに「PvPをしないと,そのゲームの究極の面白さにたどり着けない」という作品にならないといいな,と思っただけでして。
Crosby氏: なるほど,よく分かります。では「メリットはないんですか?」という質問に対しての答えは「Yes」と答えさせてください。
4G: では質問を逆にしますね。プレイヤーに"PvPをする気にさせる要素"はどこにあるんでしょうか。
Crosby氏: それは,「PvPという今までにない体験」です。
4G: 上手だけど煙に巻かれる回答ですね(笑)。ちょっとまとめさせてください。つまりアリーナにおける"新しいアリーナ・チャンピオンの獲得"や"スキル修得"は,アリーナ内だけのものだということですよね。それらは表に持ち出せないので,通常のプレイにおいては,PvPを楽しむプレイヤーのキャラクターと,楽しまないプレイヤーのキャラクターには差がつかない。やらなくても別に不利にはならないので,やりたくない人はやらなくてもいい,と。
Sundi氏: でもそれではなにか大切なものをなくしていると思います(笑)。
4G: まぁそうかもしれませんが,気になる人も多いと思いますので(笑)。……そういえば,例えば「町中を歩いていたら突然他のPCに殺された」なんてことは起きませんよね?
Crosby氏: ええ,それは起きません。PvPはアリーナの中だけで行われます。誰もが同じ状態で参加できるミニゲームのような感じだと思ってもらえればいいかな。EQ1のときのPvPもそうだったけど,あれがもっと豪華になってシステムでサポートされたような感じです。でも実際やってみると面白いよ。
4G: あ,なるほど。"ミニゲーム"っていう例えは分かりやすいですね。
■EQ2は,ユーザーからのフィードバックによって変わっていく
4G: 時間も押してきたので先急いじゃいますね。これは日本サイドに向けての質問なのですが,日本語版の公式フォーラムを設置する予定はありますか?
Sundi氏: いまのところありません。理由は明確で,掲示板の使われ方があちらと日本ではちがうと思っているからです。 私の過去のUOの経験から言うと,プレイヤーが本当にしたいのはデベロッパ(開発者)に対する質問ですよね。当時私はそれに答えるために常に翻訳をして,それをオリジンに確認して……という手順になっていました。でもそれをするとなると,どうしても時間が足りません。もしかすると双方に,不要な混乱を招いてしまうおそれもあると思います。なので,いまはやらない方がいいのではないかと思っているところです。
4G: SOEサイドとしてはどう思いますか?
Crosby氏: もちろん日本のプレイヤーの意見も聞きたいけど,確かに言葉の問題は大きいし,彼(=Sundi氏)が言うこともとてもよく理解できます。何かいい方法はないですかね。
4G: Crosbyさんが日本語を会得するというのはどうですか?
Crosby氏: 「コンニチハ」と「アリガトウ」で会話できるなら今すぐにでもやるよ!(笑)
4G: ところでコミュニティ絡みで質問です。EQ2は,発売当初に比べると,パッチで少しずつゲームの難度が下がってきていると思います。それ自体をいいとか悪いとか論じるつもりはまったくありませんが,これはどういう理由からきているものなのでしょうか。ちょっと厳しい言い方になってしまって申し訳ないのですが,発売当初に意図していたゲームデザインは,ユーザーに受け入れられなかったとSOEも考えているということですか?
Crosby氏: そうですね,たぶんそれは正しい解釈だと思います。ユーザーの声を耳を傾けていった結果として,現在のEQ2があるわけですから。
4G: では"Mobを弱くしてプレイをしやすくする","生産において他職が必要となくなる"というような変更は,SOEがそれが良いと思ったからそうなっているのではなく,ユーザーの要望を聞き入れていった結果であるということですか?
Crosby氏: うーん,表現が難しいですね。敢えて言うなら「両方」でしょうか。そういった変更は,表面的には単なるシステムのナーフィング(弱体化)に見えるかもしれませんが,こちらの意図はそうではなくて,"ゲームプレイのストレスをなくす"という部分に終始しています。
4G: ええ。さっきちょっと触れたSmedley氏のインタビューのときに,彼もそう言ってました。そのストレスや無駄な時間を指して"ダウンタイム"と呼んでいましたが。
Crosby氏: ええ,それです。その"ダウンタイム"をなくすことが,EQ2における重要なテーマなのです。結果的にはゲームはプレイしやすく,レベルは上がりやすくなります。これは,初心者に向けてゲームを簡単にしているのではなく,現行ユーザーの声を聞いて,そのストレスを消していった結果です。それで最終的にレベルアップが早くなる(=プレイが簡単になる)のは構わないと思っています。 もちろん,コアなプレイヤー向けにもコンテンツも用意されているので安心してください。でもゲームプレイに時間がかかるようにすることはいくらでも簡単にできますが,そこにストレスを感じるようであれば,それは良いデザインではないと思うのです。
4G: アクセスクエストが必要ではなくなるというのも,そういった意図の一環ですね。
Crosby氏: そうですね。……うーん,でもそれはとても難しい問題ですね。おそらく分かっていただけてるとは思いますが。
4G: 答えは出ないと思うんですよ。いずれにせよ,ゲームの変化はプレイしている人たちが望む方向に進んでいくのだ,ということですよね?
Crosby氏: ええ,そうです。フォーラムに活発に書き込む人や,ファンサイトを運営してくれる人/こまめにチェックする人には,レベルの高いコアプレイヤーが多いですよね。ただ我々としては,そういったプレイヤーの意見だけではなく,より多くのプレイヤーからの意見を広く集めるべきだと思っています。そこがコミュニティを司る人間としての今後の課題でしょうか。よし,キレイにまとまったね(笑)。
4G: 確かに! では最後に,日本のプレイヤーに向けて何かメッセージをお願いします。
Crosby氏: エバークエストIIの拡張パック「ドラゴン・オブ・フレイムス」を……。
Sundi氏: また名前間違えてますよ……。
Crosby氏: ああああ,しまった,また間違えた! 実は今日の1回目のステージでも言い間違えたんですよ。なんでドラゴンドラゴン言っちゃうんだろう(一同笑)。 では改めて。えー,エバークエストIIの最新拡張パックである「デザート オブ フレイム」は自信を持って贈る拡張パックです。どうぞ楽しんでください!
4G: 本日はどうもありがとうございました。でも日本で次に出るのはAPですけど……。
Crosby氏: ああああ,また間違えた! どうもアメリカでのインタビューのセリフが抜けないみたいなんですよね……。
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今回のインタビューでは,国内のアドベンチャーパックの展開について詳しく聞けたことも収穫だったが,まだ英語版すらリリースされていない拡張パックの各要素に関する情報もまた興味深かった。
EQで"ファクション"という単語を聞くと,あのスカーズ オブ ベリオス(SoV)のドラゴン/巨人/ドワーフの三つ巴の戦いを思い起こすオールドファンも多いだろう。しかしマージダルにおけるファクションの働き方はそれとは異なったものになるようだ。 SoVでは,システムに組み込まれているファクションの力関係自体が変化するようなことはないが,マージダルでは違う。多くのプレイヤーが手を貸したファクションが勢力を伸ばし,それによって町の様相もダイナミックに変化するらしい。訪れるたびに様子の違う,変化に富んだ町を見られるのであれば,とても待ち遠しい。
最大の特徴になるかもしれないPvP部分についても,他作品のPvPとはだいぶ異なったものになるようだ。生産者レベルをまったく上げなくてもEQ2での冒険に支障は出ないように,PvP要素は"やりたいひとがやるオプション(選択肢)の一つ"となるようである。インタビュー中にも述べられているように,「EQ2内でチェスの対戦が楽しめる」といったノリで「EQ2内で"モンスター変身バトルゲーム"の対戦が楽しめる」という感じで捉えておけば,今のところは問題なさそうだ。
これら追加要素がチープなものでないことは,今までの作品を見ても十分に期待できる。APと拡張パックによって,新たな興奮が味わえるようになることを期待したい。(ライター:星原昭典 / photo by kiki)
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EverQuest II |
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