悲劇の豪華客船,タイタニック号の勇姿。本作では,このタイタニック号をはじめ,大小さまざまな船舶を操縦できる。船によって大きく異なる操縦感覚を味わおう |
オーバーランドから2007年5月25日に発売された,「シップシミュレータ ゴールドエディション 日本語マニュアル付英語版」は,小型ボートから豪華客船まで,大小さまざまな船舶の操船を楽しむシミュレーションゲームだ。
本作は,2006年8月に発売された「Ship Simulator 2006」と,2007年1月に発売された同作のアドオン「Ship Simulator Add-On」を,一つのパッケージにまとめたもの。
欧米の有名な港や,リゾート地として知られる島を中心とする海域で,タグボートや水上タクシーなどの小型船舶から,コンテナ船や豪華客船といった大型船舶まで,さまざまなタイプの船を操縦できる。
●港湾警備艇 | ●漁船 |
●多用途貨物船 | ●タグボート |
●国内コンテナ船 | ●コンテナ船 |
本作で操縦できる船は,全部で14種類。中型の港湾警備艇や,高速で走り回れるパワーボート,プールやヘリポートまで備えたクルーザー,豪華客船などが登場する |
60種類以上のミッションが用意されているが,
ただ風景を眺めつつ船を操るだけでも楽しい
ただ風景を眺めつつ船を操るだけでも楽しい
シングルプレイ専用である本作には,計60種類以上のミッションが用意されている。例えば,船着場で待つ観光客をピックアップし,設定されたポイントを順番に巡っていくものや,港湾警備艇を操縦して湾内を巡回するもの,そしてエビ漁船を操って漁場に行くものなど,その内容は多岐にわたっている。
また,とくに目標が設定されておらず,自由にクルージングを満喫できるミッション(?)もある。
なんといっても,あのタイタニック号や,世界一周クルーズに使われるような,“海のホテル”といった風情の豪華客船を操れるのは,本作ならではだ。
カメラをズームインしていくと,最後には操縦室内部からの視点でゲーム画面が表示されるので,その船のキャプテンになったような気分を味わえることだろう。
ゲームの舞台となるのは,ニューヨーク港やハンブルク港,ロッテルダム港といった欧米の港や,リゾート地として知られるタイのピピ島。それぞれのロケーションはとても緻密に再現されており,ミッション内容にとらわれず,風景を眺めつつ船を操縦しているだけでも楽しめる。
●ハンブルク港 | ●ニューヨーク港 |
●ロッテルダム港 | ●ピピ島 |
操船の面白さ,難しさを堪能できるシミュレータ
操作方法はシンプルで,船自体はカーソルキーとCtrlキー,Shiftキーだけで操縦できる。(筆者を含め)本物の船を操った経験のない人にも,すぐに飲み込めるはずだ。
とはいえ,タイタニック号やコンテナ船といった大型船舶の操縦はとても難しい。上に書いたように操作自体は簡単なのだが,大きな船は,そうそう思い通りに操れるものではないようだ。
まず,船を発進させることにすら一苦労してしまった。というのも,コンテナ船や大型客船は重量がとてつもなく重いので,エンジンをフル回転させてもなかなか速度が上がらないのだ。
そしてやっと前進したかと思うと,今度は方向転換に難儀し,その次には,船を狙った場所で止められないという始末。いくら舵を切っても進行方向は変わらないし,港につけようと思っても,ちょっとやそっとでは止まってくれないのである。
パワーボートの操縦は,大型船と比べてずいぶん簡単に感じられた。エンジンの回転数を上げれば素直に加速するし,舵を切れば切っただけ曲がってくれる。船を止めるのは多少慣れが必要だが,それ以外はレーシングゲームのような感覚で操縦できる。スピード感があり,波を切ってジャンプしながら突き進んでいくのはとても爽快だ。
操船には,車やバイクの操縦とは異なる面白さ,難しさがある。小型船から大型船まで,さまざまなタイプの船が登場する本作で,操船の醍醐味を存分に味わってみてはいかがだろうか。
なお4Gamerでは,Ship Simulator 2006のデモ版紹介記事を掲載している。この記事を読んで興味を持った人は,デモ版で本作に触れてみよう。