アロハ! ねえちょっと奥さん。お金がなくてもハワイのオアフ島に住んで,豪邸やら超高級車やらをわんさか買いまくり,知らない人とレースをしたり,ツーリングができちゃうセレブ御用達のお得なドライブゲームがあるんですってさ。なんでも,「Test Drive Unlimited」(以下,TDU)っていうらしいんだけど,あら? もうご存じだったのね。
と,そろそろ出だしのネタが切れてきた筆者が,皆様のハワイ生活をサポートすべくお届けしてきた週刊連載「ああ,憧れのハワイ道路」だが,ちなみに今回が感動の最終回である。
最終回はオアフ島の「こんな場所があるぞ! ここは行っとけ走っとけ!」という観光地アーンド走りのお勧めスポットを紹介したい。世間ではいろいろな疑惑が渦巻いているようだが,本当にハワイに行ったことのあるハワイ通の筆者なので心配ご無用であります。泊まったホテル周辺30m以内はハワイっ子も真っ青なほど詳しいのだ。では,レッツゴー! 発車しまーす!
まずはドライブやツーリングで行っておきたい場所を,筆者が誰に相談したわけでもなくピックアップして紹介する。ちなみに,まあ今さらではあるが,あなたのディスプレイに広がるオアフ島は,現実のオアフ島そのままを完全再現しているわけではない。
ぶっちゃけ,有名観光スポットのいくつかはなく,「彼女と過ごした思い出の場所がない」という人はいい気味だが,ちょっと残念だ。とはいえ,どっかからお金をもらったのかもしれないと思うほどキッチリ細かく再現してある場所も多いので,食事が喉を通らなくなるほどガッカリする必要はない。
すでにオアフ島に滞在中のセレブには目新しくはないかもしれないが,普段カッ飛ばしていたせいで見過ごしていたり,単純に「知らなかったなあ」という場所もあるかもしれないので,一通り読んでくれなさい。また,これからオアフ島に来る予定の人は,どんな場所があるのか参考になるはずだ。ついでに少々能書きも書いておくが,丸暗記してハワイ通ぶるときに利用しても,著作権がどうのこうの言わないので安心してほしい。
オアフ島MAP |
 |
本文中に紹介した観光名所および走りのスポットがオアフ島のどこらへんにあるのかは,セレブならとっくのとうにご存じだと思うが,筆者のように驚異的な方向音痴にとってはやはり地図が必要である。というわけで,方向に自信がないという人はぜひご覧あれ(※画像をクリックすると別ウインドウで拡大表示します) |
・ホノルル国際空港
オアフ島の玄関口であるホノルル国際空港。ハワイに永住するプレイヤーが利用することはないだろう。ターミナル周辺だけではなく,バイクのウイリージャンプを利用することで空港内への不法侵入が可能だ。離着陸するジャンボジェットは当たり判定がないのでどんどん突進できるし,併走だって可能。ホノルル国際空港へどうやって侵入するの? という人は,今回掲載したムービーに収録したので参考にされたし。どうやら車でも入れるらしいのだが,筆者は未だにいいポイントが見つからない。どこなんだろう?
・アロハタワー
ホノルル港のシンボル,アロハタワー。1926年に建設され,塔の4面にボストンの有名なハワード・クロック・カンパニーで製造された時計が取り付けられている。多くの観光客が訪れるスポットで,アロハタワー周辺にはレストランやおみやげ屋さんなどが並ぶアロハタワー・マーケットプレイスになっている。ちなみに筆者はこの近くを借りたリムジン(ホントである)で通ったが,寄らずに帰ってきた。
・イオラニ宮殿
ワイキキのダウンタウンにあるイオラニ宮殿。1882年にハワイ王朝カラカウア王が建てた,アメリカ合衆国に存在する唯一の宮殿。町中の道路沿いに建っているが,ほかの建物とはかなり異なる外観で非常に目立つ。ちなみにイオラニ宮殿と道を挟んだ向かい側にあるはずのカメハメハ大王像は再現されておらず,小学校時代からカメハメハ大王の大ファンである筆者としては残念でたまらない。
・パールハーバー
日米の不幸な歴史を語るパールハーバー。1941年12月8日に日本軍が奇襲攻撃(いわゆる真珠湾攻撃)を行った,あの場所だ。空軍基地のあったフォード島はちゃんと再現されているが,真珠湾攻撃の際に沈没した戦艦アリゾナの上に建てられたアリゾナ・メモリアルセンター(アリゾナ記念館)と,太平洋戦争での日本の降伏文書調印式が行われた戦艦ミズーリが,見つからなくてちょっと残念。とはいえ,停泊中のアメリカ海軍の軍艦がいくつか拝めるので,よしとしよう。
・アロハ・スタジアム
アロハ・スタジアムは5万人を収容できるハワイ最大のスタジアム。パールハーバーの近くにあり,ワイキキからインターステート1号線(高速道路)を北上していくと,左手に見えてくる。毎週水/土/日曜日にスタジアムの駐車場にたくさんのお店が並ぶアロハ・スタジアム・スワップミート(フリーマーケットみたいなもの)が名物。観光客がおみやげを買うのに便利だとか(まあ,ゲームでは再現されていないけど)。ちなみにフェンスの切れ目からスタジアム内に侵入できる。
・トリプラー・ホスピタル
マウナロアの丘の中腹にあるピンク色の建物が,トリプラー・ホスピタル(トリプラー・アーミー・メディカル・センター)。第二次世界大戦中に建設された,アジア太平洋地域最大規模の病院で,日本軍から軍施設だと思わせないため,ピンク色の外観にしたとか。なかなかよく再現されているようなので,ドライブがてら行ってみてはどうだろう? 事故を起こしてここに入院しようとしても無理なので念のため。
・ハワイ平等院
オアフ島には日本風の建物が多くあるが,なかでも有名なのが日本人移民100周年を記念して1968年に建てられたハワイ平等院だ。日本人であれば誰もが知っているであろう,京都府宇治市にある平等院鳳凰堂(10円玉参照)のレプリカである。建物内には阿弥陀如来像が安置されているということだが,ゲームでは見られない。ミスマッチ感覚が面白い建物だが,再現度に関しては,う~む,あまりよろしくないようだ。
・ダイヤモンドヘッド
ダイヤモンドヘッドはオアフ島のシンボルであり,ハワイに行ったことがない人でもその名前だけは知っているだろう。噴火によって出来たクレーター状の外輪山で,一番高いところでは標高232m。クレーター内に道路があるため,自由に走り回れる。ワイキキビーチも見下ろせる山頂にはマイホームとして購入できる物件もあるので,セレブなら手に入れたいところだ。ダイヤモンドヘッドには多くのセレブ達が走り回っており,いろいろな出会いも多いスポットだ。
・ハナウマ湾
ワイキキビーチに次いで人気のビーチ,ハナウマ湾。形状から分かるとおり,もともとは火山のクレーターであり,地盤沈下で入り江になった。遠浅で波が少なく,海底には珊瑚礁が広がっているため,シュノーケリングに最適だとか。基本的に,海水浴場ではなく海洋保護区らしい。こんな話ばかりで恐縮だが,筆者はスリが多いという話を聞いたので,上から眺めるだけで帰ってきた。
・ヌアヌ・パリ展望台
ホノルルからパリ・ハイウェイをカイルア方面に進むと,コオラウ山脈のトンネルの入り口の上にこのヌアヌ・パリ展望台がある。ここからはオアフ島の東側,カイルア方面の大パノラマを一望できる。ヌアヌ・パリ展望台からさらに山に向かい,ほぼ垂直に切り立った大絶壁からダイビングするのも,まあなんというか,ハワイ通らしい楽しみだ。
・ラビット島
12月から4月にかけて,出産/子育てのために北極圏から南下してきたザトウクジラの,ホエールウォッチングを楽しめるのが,マカプウ岬の北に浮かぶタートル島(カオヒカイプ島)とラビット島(マナナ島)。マップを見ると,大きいほうのラビット島にはフェリーが停泊しており,道路もある。もしかして走れるのか? と思った人は大正解。少々摩訶不思議な方法でワープできるが,このへんもムービーに収録してあるのでご覧いただきたい。
・クアロアパーク
オアフ島の東,カネオヘ湾の北側に位置するクアロアパーク。中国人の帽子に似ていることからチャイナマンズ・ハットと名付けられたモコリイ島が見られる。クアロアパーク入り口のコオラウ山脈に,映画「ジュラシック・パーク」「ゴジラ」の撮影に使われたクアロア牧場があるのだが,残念ながらゲーム中には作られていない。
・そのほか
有名な観光スポット以外にも見所はたくさんある。海に囲まれた島なので灯台はいたるところにあるし,いずれ利用できるようになることを祈っているレクサスのディーラーだって(建物だけは)存在する。スーパーマーケット,ガソリンスタンド,カーウォッシュ,ガスステーションは島内各所にあり,休憩を取るため立ち寄るのにちょうど良い。まぁ,給油の必要もないし,おやつが買えるわけでもないのだけれど,雰囲気は本物のドライブっぽく盛り上がるはずだ。たまにはのんびり走ろう。
オアフ島はどこを走っていても楽しい。アクセル全開で飛ばすのはどこでもできるのだが,ドライブゲーム好きのセレブならぜひ「峠道をドリフトで駆け抜けたい」と思ってほしいところ。
というわけで,多くのプレイヤーが車を横に向け,ガードレールに突き刺さりながら走り回っているドリフトスポットを紹介しよう。レース漫画やアニメのようにギャギャーッとスキール音を奏でつつ,思い通りに車をコントロールしまくるセレブなら,ステアリングコントローラを使い,ハードコアドライビングモードで思う存分にドリフトさせまくってもらいたいが,言ってること,分かります? さらに,アドレナリンが吹き出すようなスピードを求める人,誰よりも速くコースを駆け抜けることが大好きという人が楽しめる場所も紹介するので,思う存分,走り回るべし! べし!
・タンタラスの丘
ワイキキ方面からコオラウ山脈に向かうとタンタラスの丘が見えてくる。道路は急勾配のうえサーキットのヘアピンのような急カーブが多く,ドリフトを楽しむセレブ達に人気のスポットである。一人で走っている人もいれば,集団でドリフトしながら上り下りの走りを楽しんでいる人達もいて,なかなか賑やか。ちなみに夜景を見るには最高の観光スポットでもあるのだが,夜のない本作では夜景は絶対に楽しめないので,ちくしょう!
・峠道
タンタラスの丘もドリフトスポットとして人気があるが,ほかにもいくつか峠道が存在する。イヤなタイミングで一般車が現れたり,全体的にアップダウンが激しかったり,ハイパワーな車種では跳ねた拍子にガードレールに向かって飛んでいったりするが,こういった道路をどう攻めるかが腕の見せ所といえよう。
・ハイウェイ
日常のストレスを解消すべくアクセル全開でかっ飛ばすには,高速道路が便利。道幅が広く,信号はなく,逆送しなければ対向車もこないので,時速300km/hオーバーの世界を思う存分堪能できる。ただし,一般車が突如車線変更をしてきて憎らしいのは一般道もハイウェイも一緒で,それを軽やかにかわして「邪魔だ!ヘタクソ!」なんて一人で叫んじゃったりして,いや,普段は温厚な紳士なんですよ,私。
・オアフ レースウェイ
ホノルル国際空港の西側にあるのがオアフ レースウェイ(いろいろ調べたが,たぶん実在しない)。言うまでもなく一般車の走っていないクローズドなサーキットで,プレイヤーランクがチャンピオン以上になると使用可能。コースを攻めてよし,ドリフトしてよし,どちらの走りにも対応できるコースレイアウトになっている。オンラインチャレンジも用意されているが,フリーライドモードで自由にサーキットを走り回れるため,現地で出会ったレーサー気取りのセレブ達と,いつの間にか抜きつ抜かれつで周回してたりなんかする。
というわけで,観光スポットやら走りのスポットを紹介してきたが,いかがだっただろうか? ほかにもいろいろ紹介したいポイントはあるのだが,片っ端から紹介すると最終回が数回延びちゃう可能性があるので,このあたりで勘弁しておいた。いや,手抜きじゃないですよ。ホントに。
さて,ハワイ通の筆者がオアフ島でのセレブ生活をサポートすべく,約一か月にわたりお届けしてきた週刊連載「ああ,憧れのハワイ道路」。すでにオアフ島に滞在しているセレブなプレイヤーには当たり前のことばかりだったかも知れないが,まだハワイの生活に足を踏み入れていない読者が,オアフ島で豪邸やスーパーカーを買いまくる夢のような生活を送り,自由気ままに走り回りたい! なんて思ってくれれば大成功だが,成功してもべつに筆者の暮らしが楽になるわけでないのが残念なところだ。
というわけで,連載もこれでおしまいだ。だが,筆者は毎日オアフ島で走りながら新米セレブ諸君をお待ちしているので,今からでも遅くないからぜひハワイに遊びに来てほしい。それでは,アロハーオエ!