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印刷2024/05/11 16:27

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インフルエンサーも参戦し,大豊作だったマーダーミステリージャンル。「ゲームマーケット2024春」会場から,注目タイトルをピックアップ

 2024年4月27日と28日の2日間,アナログゲーム展示即売会イベント「ゲームマーケット2024春」が,東京ビックサイトで開催された。

 東1〜3ホールが会場となった今回は,スペースに余裕があってか混雑で身動きがとれないというようなこともなく,春の陽気もあいまって会場内は快適そのものだった。本稿では,そんな「ゲームマーケット2024春」の会場から,今回も盛況だったマーダーミステリー(以下,マダミス)関連ブース,およびその派生ジャンルの話題をお届けする。

StudioOZONの「マーダーミステリーブース」には,今回も100点を超えるタイトルが出展されていた。開場直後から長蛇の列が形成され,中には大きなキャリーバッグがいっぱいになるほど購入している人も
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「ゲームマーケット」公式サイト



SCRAP「謎だらけのグランドホテルからの悲鳴」


 今回のゲームマーケットにおける注目タイトルの一つが,謎解き大手SCRAPの新作「謎だらけのグランドホテルからの悲鳴」(以下,グランドホテル〜)だ。2023年5月にリリースされた入門用タイトル「雷鳴轟くシェアハウスからの悲鳴」(以下,シェアハウス〜)に続く第2弾が,会場で先行販売されたのだ。

ゲームデザインとシナリオを担当したSCRAPの秋山直太朗氏(左)と,広報・宣伝担当の竹田梨奈氏(右)
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 謎解き要素を備えたマダミスはこれまでにも少なからずリリースされているが,「グランドホテル〜」はそれに正面から向き合った作品であるという。
 通常の議論とは別に謎解きのフェイズが存在し,これを解くことで新情報が開示される仕組みになっているとのこと。さらに,ほかのプレイヤーに先に謎を解かれると,自分の秘匿情報を公開しなくてはならないこともあるそうだ。謎解き中は議論を行ってはならないが,早く解けたら余った時間で情報整理などを行ってもいいそうなので,まさに“謎解き力”が試される作りである。

 なおゲームデザインを担当したSCRAPの秋山氏によれば,「グランドホテル〜」は“ファミレスでの食事後に遊べる”ボリューム感を目指してデザインしたという。また,犯人役はほかのプレイヤーと比べて難度が高くなりがちで,満足度を担保するのが難しい側面があるが,本作では犯人役も同様に楽しめるゲームになっているとのことだった。

 「グランドホテル〜」は,SCRAP公式ストアの「少年探偵SCRAP団」での先行販売が5月8日から実施されており,そのほかのストアでの販売は5月16日に始まる。ゲームマーケットで手に入れ損なった人は,こちらの利用を検討しよう。

前作「シェアハウス〜」がリアル脱出ゲームファンに向けた入門用だったのに対し,「グランドホテル〜」は少しステップアップした内容になっている。秋山氏は「(前作とは逆に)マダミスファンがリアル脱出ゲームを知るきっかけにもなれば」と話していた
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これからミステリー「ヒカル殺人事件〜シュプラスの秘密」


 SCRAPの「グランドホテル〜」が注目を集める一方で,それに負けず劣らずの話題作が今回のゲームマーケットで発売された。それが,これからミステリーのデビュー作「ヒカル殺人事件〜シュプラスの秘密」だ。

 これからミステリーは,起業家の飯田祐基氏が立ち上げた新興レーベルだ。しかし発売に先駆けて2024年1月5日に開催された完全招待制イベント「飯田第二章〜オール・イン〜」にて,氏がマダミス業界への参入を大々的に発表したことで,話題が先行する形で評判となっていたのだ。

 なお,件のステージがYouTuberのヒカル氏ラファエル氏,タレントの宮迫博之氏ら,有名インフルエンサーが次々に登場する華やかなものだった一方で,これらの動きに対し既存のマーダーミステリーファンからは,少なくない反発が見られたのも事実だ。とくにこれからミステリーが,“マーダーミステリー”など複数の関連ワードを商標登録しようとしていた事実が発覚すると,SNS上ではちょっとした炎上騒ぎにもなっていた。

これからミステリー代表取締役の飯田祐基氏と,プロバイドバリューアンドエクスペリエンス部部長の中野咲彩氏。さまざまな批判があったものの,実際はあたたかく迎え入れてもらった印象で,経営も順調と飯田氏は話していた
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 さておき,今回リリースされた「ヒカル殺人事件〜シュプラスの秘密」(以下,ヒカル殺人事件)は,タイトルどおりYouTuberのヒカル氏を題材に,「鬼哭館の殺人事件」で知られる週末倶楽部の小田ヨシキ氏がゲームデザインを担当した,パッケージ販売型のマーダーミステリーだ。ベテランの小田ヨシキ氏の作品だけあって,テストプレイでの評判は上々だったというが……ゲームマーケット直前の4月12日,事前予約を行った人のうちの希望者に返金対応する旨の告知が,これからミステリーの公式YouTubeチャンネルで行われている。


 理由は先の動画を見てもらったほうが早いかもしれないが,同作はゲームとして遊ぶにはまったく問題ないものの,ヒカル氏の「ファンアイテムとしては弱い」との判断により,返金が決まったのだという。この反省を踏まえ,ヒカル氏がより内容にコミットしたうえで,ファンアイテムとしての完成度を高めたタイトルをリリース予定とのこと。
 またそれ以外のタイトルについても,さまざまな制作者による新作を3か月に1本のペースで発表する計画とのことなので,こちらもお楽しみに。


店舗運営や舞台化などにも注力する「これミス」


 これからミステリーでは,こうしたパッケージ販売以外にもさまざまな施策を計画しているという。会場で「ヒカル殺人事件」で手売りしていた代表の飯田氏に,これからミステリーの今後を聞いてみた。

 まず,住所非公開で運営されている店舗「これミス 六本木店」は役目を終えて閉店し,新たに渋谷店が6月にオープン予定だという(中野店は継続)。こちらはプロジェクションマッピングを導入した店舗になるそうで,これまで以上に没入感のあるゲームプレイが楽しめるという。

 また既存のシナリオのみならず,マダミスファンによく知られた作家によるオリジナルタイトル2作と,中国の人気作を翻訳したタイトルがいくつか準備中だといい,今後は「これミス」の店舗でしか遊べないタイトルも増えるとのことだった。なおスマホでマーダーミステリーを遊ぶための独自アプリも制作中で,かなりリッチなアプリを目指しているそうだ。

 さらにこれからミステリーでは「魅せマダ」と称して,マーダーミステリー作品の舞台化や映画化を進めている。こちらの第1弾はAGATA氏のイマーシブ・マーダーミステリー「遠き明日への子守唄」で,5月3〜12日に麻布バルーンで上演中だ。いわゆる“エモい”シナリオの代名詞と呼べるタイトルで,飯田氏も原作をプレイ済にも関わらず,リハーサルで思わず涙してしまったとのこと。原作をプレイ済みの人も期待しておこう。

飯田氏:
 我々の参入に対して嫌悪感や批判的な意見があったことは認識しています。ですので,これからは皆さんが不安を感じることのないよう,期待に応えて結果を出していくことが何より大事だと考えています。
 これミスのファンだけでなく,マダミスを長らく支えてきたファンの皆さんや,業界を支えてきた方々を含め,とにかくプレイヤーファーストでやっていくつもりです。実際に,そうした皆さんをお招きして一緒に活動していますので,ぜひ応援してもらえたら嬉しいです。

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これミス公式TikTok


会場で見かけたそのほかの新作を写真で紹介。こちらは新作「千鳥足のカナリアへ」を手にした九尾まどか氏(右)と,「消えた死体の瞬間移動と大正デモクラシー」をリリースした一那氏(左)。体験型推理小説(プレイアブルミステリー)を謳う両作は,手紙やメモなどの“実際の証拠品”を元に推理を進めるのが特徴だ
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ジョルディーノの新作はマダミスではなく,なんと“読み合わせ台本”。マダミスにはさまざまな楽しみ方があるが,セリフの読み合わせが好きな人も少なくない。本作には公演型マダミス「限界の向こう側」のアナザーストーリーが収録されており,本編プレイ後に読み合わせして楽しむ,既に本編をプレイした人向けのファンアイテムとなっている
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イマーシブシアター(没入型アトラクション)の制作チーム「ムケイチョウコク」がリリースしたストーリープレイング「今宵、ふたたびの乾杯を」。監修のAGATA氏曰く「演劇を作っている人の作品だな! と感じる,独自の魅力がある作品です」とのこと
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アニメ「彼女、お借りします」とのコラボ作品がマダミスHOUSEから登場。“ときめきミステリー”を謳う2人用のGMレスタイトルで,主人公とヒロインのドキドキ体験が楽しめる。シナリオはワンドローの木皿儀隼一氏が担当
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集英社ゲームズの「キミと青いヨルの」は,2023年3月に週刊少年ジャンプに掲載された同名作品のパッケージ版だ。導入部分がマンガになっている作品で,パッケージ化により雑誌掲載時より遊びやすくなっている。当時買い逃してしまった人にもありがたい
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「キミと青いヨルの」やヨフカシプロジェクトの「キルタイム・キラーズ 絶泉館の殺人」などを手がけた篠田 築氏の新作「SOMMEIL(ソメイユ)」。プロローグが5分程度の動画になっており,“映画のような”導入が楽しめる
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週末倶楽部の「僕たちがマダミス作家になってから」は,写真の藤本ふらんく氏をはじめとしたメンバーによるマダミスノウハウ本の第4弾。制作環境の整え方や公演前のプレイヤーのマインドセット,スケジュール管理の方法など,実用的な内容が詰まっている
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OZplanningの新作「ファースト・コンタクト」は,その名のとおり宇宙人とのファーストコンタクトがテーマの人気作だ。代表の三原飛雄馬氏が手にしている「マーダーミステリーマガジン」はマダミス専門誌を謳うフリーマガジン。BOOTHで無料ダウンロードできるので,気になる人はチェックしてみよう
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カレーうどん部の「サツジンハイシン」は,プレイヤー全員が動画配信者という変わり種。シナリオを担当した種袋ルネッサ氏(左)曰く,トリックに定評がある作品とのこと。B-CAFE GAMESの「恍惚の豚」はSMクラブがテーマ。グループSNEの黒田尚吾氏(右)と鯖井 凌氏の合作だが,テーマがテーマなので個人リリースになったとか
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謎解き大手・タンブルウィードの新作はREDRUMシリーズ第3弾「致命的観測をもう一度」。謎めいたタイトルは,同じ手がかりでも,観測者(=プレイヤー)によって得られる情報が異なることを意味しているとか
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堀江貴文氏も参戦した「マーダーミステリー スペシャルトークショウ」


 会場内に設置された特設ステージでは,今回もさまざまなゲストを招いたトークイベントが開催されたのだが,ここではマーダーミステリー関連のクリエイターやインフルエンサーなどを招いたスペシャルトークショウを紹介しよう。

 トークショウは2部構成で,前半では主にクリエイターをゲストに,現在のトレンドなどにまつわるトークが繰り広げられた。登壇したのは黎明期からコンスタントに作品を発表し続けているグループSNEの代表・安田 均氏と,「裂き子さん」などの代表作で知られるとんとん氏「鬼哭館の殺人事件」の週末倶楽部から小田ヨシキ氏と,「毛玉の家」「ブルーホールミステリー」および自治体と連携したミステリーイベントの主催で知られるユート氏だ。

写真右からユート氏,小田ヨシキ氏,とんとん氏,安田 均氏。MCは「ディアシュピール」オーナーのかわぐちまさし氏,「ジョルディーノ」のずっちー氏が務めた
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 一つ目のトークテーマは,「マダミスに出会ったきっかけ」だ。
 安田氏は,グループSNEが発売した「九頭竜館の殺人」のテスト版が最初にプレイしたマダミスだという。これは2018年秋に中国を訪れた秋口ぎぐる氏が現地のコンベンションでマダミスを知り,早速自身で書き上げたものだったという。それが後にパッケージ化され,小田ヨシキ氏はこれを遊んだのが初プレイだったそうだ。

 とんとん氏はパッケージ販売されていたタイトルをプレイしたときはあまりピンと来なかったというが,「業火館殺人事件」の店舗公演に参加して,その可能性に衝撃を受けたとか。ユート氏は「新しいボードゲーム」が遊べると聞いて参加したゲーム会が,「誰が勇者を殺したか? 〜 Who killed the brave? 〜」のテストプレイだったとのこと。

 続く「なぜマダミスが流行っているのか」なるトークテーマでは,推理体験や正体隠匿が楽しめる一方で,演劇のような物語体験ができること,一回しかそのタイトルを遊べないが故の唯一無二の物語性などがポイントではないかとのことだった。

 最後の「マダミスは今後どんな発展をとげるか」という話題では,「一軒家を丸々貸し切るなど,体験にフォーカスしたものが増えるのではないか」(ユート氏),「シナリオ性,エモーショナル要素がウケた時期が一旦落ち着き,作者の性癖とでも言うべきやりたいことが明確化されているものが生まれてきそう」(小田氏)といった意見が見られた。また安田氏は「パッケージの中に翻訳本が1冊入っている新作をリリースする」と,自社タイトルの新展開を明かしていた。

 後半の部ではゲストを替え,ワンドロー代表でゲームデザイナーの木皿儀隼一氏,4か月で100回以上マダミスをプレイしているという,タレントの白雪りら氏,ホリエモンこと堀江貴文氏が登壇。プレイヤーの立場から見たマダミスの魅力が語られた。

写真右から木皿儀隼一氏,タレントの白雪りら氏,インフルエンサーの堀江貴文氏
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 前半と同様,トークは「マダミスに出会ったきっかけ」「なぜ流行っているのか」といった話題からスタートした。

堀江氏:
 初めてプレイしたのはかなり初期。1回しか遊べないとか面倒そうなことをいっぱい言われたけど,遊んでみたらとても面白い。役者の方がセリフを読み上げてくれたりして,非常に臨場感がありました。「こうしたら絶対に勝てるメソッド」が存在しないので,熟練度が毎回リセットされるし,犯人も複数いたりなど,バリエーションが多彩なのも面白いですね。
 ただプレイに時間がかかったり,マルチエンディングで行動が点数で評価されたり,終わった後にも感想戦なんかもあったりして,多くのリソースを使う贅沢な遊びだとも思います。だから覚悟してプレイするのがいいかなって思っています。

白雪氏:
 最初は無理矢理にスケジュールに入れられて遊んだ感じだったんですけど,その結果一気にハマりました。私はマダミスを「体験する映画」だと思っていて,普通の映画は第三者の視点で観るものですが,マダミスなら全員が主人公で,どんな行動を取るか選べるのが魅力ですね。

木皿儀氏:
 知り合いのゲームデザイナーに「流行るかもしれないよ」と教えてもらって遊んだのが切っ掛けでしたが,定石が存在しないのと,自分の役になりきって楽しめる点が面白いと思いました。最近では「赤の導線」という公演型のシナリオがとくにオススメです。マダミスなので推理したり犯人を探したりもするんですが,自分がこの後人生をどう生きていくか考えたり悩んだりするジレンマが面白くて,すごくクオリティが高かったですね。

 終盤の「今後,どんなマダミスが流行っていくか」という話題では,自身の名前が冠された「堀江貴文殺人事件」と,先の「ヒカル殺人事件〜シュプラスの秘密」をイジりつつ,堀江氏が持論を展開した。

マダミスブースで頒布されていた「堀江貴文殺人事件」。ステージに登壇したかわぐちまさし氏,ユート氏がシナリオ/ゲームデザインを手がけている
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堀江氏:
 マーケティングの基本でもありますが,口コミで広めやすい作品――「こんなことがあったんだ!」ってネタバレができるマダミスがあると良いんじゃないかな。ネタバレのことまで考えて作られているマダミスって,まだあんまりないから。

 ちょっと宣伝になっちゃうけど「堀江貴文殺人事件」は,西野亮廣とか皆が知ってるタレントさんが物語内に出てきて,ちゃんと台詞があって,その人の個性を感じながら遊べるんです。それを本人達がプレイした動画を――これから撮影するんだけど(笑)――すでにプレイした人は,その動画を見てまた楽しめる。 さっき「映画の主人公になれる」って話がありましたけど,主人公になった後,さらに本人主演の映画も観られるみたいな。この1粒で2度おいしい構造で,口コミを広めていくことを考えています。

 マダミス好きのタレントさんは,「私の作品も作って」って絶対言うと思うんで,すると今後そういうマダミスがたくさん生まれてくるわけです。それを各々がテレビやYouTubeで宣伝すると,マダミスがもっと流行るようになる。そういう戦略です(笑)。



 マーダーミステリーの新作のみならず,ストーリープレイングやプレイアブルミステリー,イマーシブといった派生あるいは隣接ジャンルとのクロスオーバーが感じられた今回のゲームマーケット。インフルエンサーらの流入も相まって,今後の広がりからも目が離せない。

 なお来たる9月15日には,2023年に引き続きStudioOZON主催の「マーダーミステリーフェスティバル」が,東京・品川のJ‐SQUARE SHINAGAWAで開催予定となっている。マーダーミステリーファンはこちらにも期待しつつ,今回のイベントで手に入れた数々の事件に挑んでほしい。

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